予告していたとおり、今月から新コラム『G-MODEアーカイブスの足あと』がスタートしました。初回ということもありますので、まずは全体の概要についてサラッと説明しようと思います。
本コラムは株式会社G-MODE(ジー・モード)様の協力の元、フィーチャーホン(折りたたみ携帯)アプリを復刻する『G-MODEアーカイブス』の紹介コラムを掲載するタイアップ企画です。

コラム名は当時「モバゲー」「GREE」「mixi」等のSNSで導入されていた『足あと』をオマージュしました。今となっては古の文化といえるソシャゲ黎明期を知るあなたに読んで貰うために書いています。
正直にお伝えすると、ガラケー時代にアプリを触っていた方に向けて書いているので、一部の人にとっては魅力に欠ける内容かもしれません。当時を懐かしむ一助を趣旨としているので、ご了承頂ければ幸いです。
前置きが長くなりましたが、今回紹介するタイトルはG-MODEオリジナルタイトルとなる「ビーチバレーガールしずく」シリーズです。シンプル操作と健康美で男性のパケ代を搾り取った名作について紹介します。
スポ根よろしくの必殺技と眩しすぎるコスチューム

「ビーチバレーガールしずく」は、ビーチバレーを題材としたアクションゲームです。落下場所への移動は自動でおこなわれるため、ほぼ片手操作で楽々プレイが可能。動きの多そうな作品にも見えますが、実際に操作してみるとサクサク楽しめます。
レシーブやスパイク等の行動でゲージを貯まると、特殊演出の入った必殺技が使用可能に。燃え盛る高速スパイク「フェニックスアタック」や、スポーツに欠かせない消える魔球「ドリームボール」など、名前を聞くだけでワクワクする技が盛りだくさん。

試合は2VS2でおこなわれ、初代作品では主人公「浅霧しずく」と相棒の「水無瀬はるな」が全国制覇を目指すべく奮闘。対戦校も世界各国から個性的なキャラが登場し、シンプルさの中にもパンチを感じさせる仕上がりで人気の高さも伺えます。
試合に勝利するとライバルの使っていた必殺技を習得できるほか、対戦校が着ていたコスチュームに着替えることも可能。爽やかで健康美を感じさせる衣装を見て、仕事の疲れを癒していたサラリーマンもさぞ多かったのではないでしょうか。


本シリーズは全3部作から構成されるナンバリングタイトルのほか、「萌えスロ☆ビーチのしずく」といったスピンオフ作品もリリース。人気タイトルだった作品の裏側についても開発チームの皆様にお聞きしてきたので、後ほど詳しく紹介しますね。
ソシャゲ黎明期を感じさせるライトな手触りながらも、コスチュームや日焼けといったやり込み要素も導入。隙間時間に遊ぶミニゲーム風なテイストに変化を与えており、コンシューマを意識した位置づけだったのかなと個人的に妄想しました。
研磨せず保全する復刻スタイル

筆者はガラケー時代の「ビーチバレーガールしずく」を遊んだことがないため、復刻版となるG-MODEアーカイブス版が初プレイに。初めて触ったときの感想は不思議と「懐かしい」でした。
i-modeが終了した今となっては、当時を知りうる方法はありません。しかし使用するボタンの数を当時と合わせている部分や、キャラが動き出すまでの僅かなディレイなど、端末の制約が多かった頃を誠実に再現していることが伝わってきます。


現行機のスペックに合わせて最適化するなんて簡単なはずなのに、「当時の鮮度を保ってそのまま移植することに意義がある!」と言わんばかりの姿勢に感銘を受けました。今作に関わらずG-MODEアーカイブスの全作品に言えることかもしれませんね。
一番良いなと感じたのが『当時のボタン配列を残している』点です。新要素を加えて遊びやすくブラッシュアップするのではなく、必要最低限の保全をおこなって復刻させる。コントローラーの操作感に慣れている場合は操作しにくいまであります。

操作のちょっとした不便性が、マイナスではなくプラスに転じているのが凄いなと。ガラケーの小さい画面でチマチマ遊んでいたあの感覚が密封されていて、懐かしいけど不思議と鮮度は高いまま。これがG-MODEアーカイブスの面白さなんだなと腑に落ちました。
G-MODEさんへの質問タイム!
今回はビーチバレーガールしずくの担当者『綾部』様にご協力を頂き、当時のエピソードについていくつか質問させて頂きました!
当時キャラクターデザインの初稿の段階でかわいい絵を描いてくれてテンションが上がったことを覚えています。
1作目の制作途中で「日焼けシステム」を思いついたのですが、期間もなく実装を断念したんです。続く2作目で実装が叶ってシリーズのシステムが完全に完成しました。3作目で着替えシーンを極めましたが、やり過ぎだと怒られましたw補足させて頂くと、『日焼け』は2作目から導入されたシステムでして、特定のコスチュームに着替えて試合をこなすと見た目が変化する仕組みです。


HARF-WAY コマーシャル

今遊んでも面白いという感覚はどうでも良いことかもしれない

遅いよりも早い、重いよりも軽い、荒いよりも綺麗。ゲーム業界だけの話ではなく、技術の進化に応じてより良い作品が次々と生み出されています。姿形を変えずそのまま残す取り組みに最初は懐疑的でした。
『ビーチバレーガールしずく』を触って思い知らされたんです。ガラケー時代にゲームを楽しんでいた方が当時と同じ歩調で、あの時みたいに遊べる環境を再現することが最も重要なんだなって。
新しく面白い感覚よりも、無くならず残っている感覚を大切にしてる。微力ながら、自分も残したいと思えたんですよね。買って欲しいとは言いません。でも知っては欲しい。そう思いながら来月も書かせて頂くので引き続きよろしくお願い致します。