「このゲームは面白い!」を伝える上で最も説得力があるのは、結局のところ「プレイ時間(期間)」ではないかと考えています。おもんないゲームをいつまでもプレイすることはできないから。
Twitterでも「いつまで遊んでんねん」と思うくらいに1本のゲームをプレイし続けている人を見ると、ものすごく興味が湧いてしまう。
そんな考えの私なので、PS5版「BIOHAZARD:RE4」の感想を書く前に、現時点でのプレイ状況からお伝えします。
原作はGC・Wii・PS4版で合計30週ほどプレイしており、RE4は発売日から現在までに11週クリア済み。プレイ時間は体験版を含めると150時間を超えていました。
「コントローラーヒビ入るんちゃうか」ってくらいに熱中して、仕事に支障も出ていて、もはや購入したことを後悔するレベルで面白がっています。
RE4は、言わずと知れた傑作「バイオハザード4」のリメイク作品タイトルです。
私個人の意見として、本作は「全世界で愛された原作を超えるリメイクを作る」という天空に突き刺さるようなハードルを華麗に飛び越えてくれた作品でした。
優れたグラフィック、新旧を織り交ぜた見事なステージ構成、エロ可愛いアシュリーやエイダのデザインなど様々な魅力にあふれていますが、全部書くと同意書くらい長くなりそうなので、あえて本記事では「サバイバルホラーアクションとしての面白さ」に焦点を当てて語ります!
銃を撃つ手触りと作り込み

「バイオハザード」シリーズに欠かせないのは銃器を用いた戦闘ですが、RE4はとにかく銃撃に関する表現が優れていて、手触りがとにかく気持ち良い。
PS5コントローラーのハプティックフィードバック機能によって「銃の種類に応じた強いリコイルの衝撃や細かなリロードの感触」が手に伝わってくるので、ただただ触っていて楽しいのです。
作り込みも凄まじく、同じハンドガンでも種類によって、振動の強さや余韻の広がりが違うという驚異のこだわり具合。
同じカテゴリーの中でも手応えが違うので、威力などの数値的な強さだけでなく「手に馴染むかどうか」という感覚の好みで武器を選べる楽しさも魅力的です。
また、「RE2」と比べて発砲音が派手になっていることから「アクションゲームとしての爽快感」に磨きをかけている印象を受けました。
体術のバリエーション増加

バイオハザード4のレオンといえば、銃撃などで体勢を崩した敵に見舞う華麗な体術も大きな魅力のひとつ。
RE4でもレオンの体術システムは継承されており、敵の姿勢や距離によって前方・後方・下段の回し蹴りやサイドキック・前蹴りなどを繰り出します。
原作と比べて蹴りのバリエーションが豊富になっているため、本質的には同じシステムでありながら更に見栄えが良くなりました。イケメンエージェントを操作して、勢いよく敵の顔面に蹴りを叩き込む心地よさをぜひ味わってみていただきたい。
蹴りがクリティカルヒットすると、敵の頚椎が派手にねじ折れたような「グキィ!」という音がするので、特に難所で包囲されている時に発生するとより一層の爽快感を感じられます。
存在感を増したナイフ

RE4ではナイフによる横薙ぎ・突き攻撃に加えて、敵の攻撃を弾き返す「パリィ」と、気付いていない相手を背後から一撃で仕留める「ステルス攻撃」要素が追加されました。
パリィは「ゴースト・オブ・ツシマ」のような刃と刃が派手に音を鳴らす演出が気持ちよく、敵の攻撃をギリギリまで引き付けてジャストタイミングで弾き返すリスクとリターンの楽しさを存分に堪能できます。
正確には通常のパリィとジャストパリィの2種類が存在しており、通常のパリィは判定が甘めなのでアクションが苦手な人でも存分に活用できる調整となっている。
さらに原作にはなかったステルスキルが導入されたことで、戦闘に「静と動」のリズムが生まれたことも、本作の飽きない面白さに繋がっていると言えるでしょう。
このように本作ではナイフで行える選択肢が原作よりも増えたことで、サバイバル戦略の自由度が向上しています。その一方で、原作とは違い本作のナイフは「耐久ゲージが設定された消耗品」という立ち位置となりました。
敵の攻撃をパリィしたり、背後からステルスキルしたり、うつ伏せに倒れた的にトドメを指したりするとナイフのゲージが減り、最終的には折れてしまいます。
メインのナイフが折れても武器商人にお金を払って修理できますし、道中では使い捨てのキッチンナイフを拾うことも可能です。
リメイクでナイフの扱いが上達したレオンとのバランスを取るために消耗品という立ち位置になったのですが、これが後述する「リソース管理の面白さ」に繋がっており、サバイバルホラーの魅力を底上げしている点が素晴らしいのです。
チェーンソー男の即死攻撃をパリィで防ぐために温存するのか、弾薬を節約するためにステルスキルで敵の数を減らすのか。手持ちの銃とナイフをどのように活用して状況を打破するのかを考える面白さがたまりません。
HARF-WAY コマーシャル

全ての要素が絡み合う戦闘のリズム

RE4のアクションは何が素晴らしいかというと、これまでに紹介した銃撃・体術・ナイフを使った、戦闘のリズムが素晴らしいのです。もっというと、それが上手くいった時が楽しすぎるのです。
敵を撃つ→蹴り飛ばす→攻撃を弾き返す→蹴り飛ばす→ナイフでトドメを刺す・・・といった攻防のリズムが調和すると、アクション映画さながらの華麗なバトル展開を演出できます。
「撃って楽しい」「弾いて楽しい」「蹴って楽しい」がリズムよく続く感覚は、まるで音ゲーをプレイしているような心地よさ。
しかし、本作の敵は強烈な殺意を持って集団戦を仕掛けてくるので、なかなかそう上手くはいきません。しかし「何か今の上手くなかった!?」な瞬間が少しずつ増えていきます。
場面によってはナイフでステルスキルしたり、遠距離からスナイパーライフルで確実に仕留めていくなど、静と動の異なる緊張感を持った戦闘が楽しめるので、作品全体を通したリズムの変動が飽きさせないプレイ体験に繋がっているのだと感じました。
リソース管理と取捨選択の緊張感

本作では、原作にない「クラフト要素」も新たに追加されています。
倒した敵や木箱・ツボからランダムドロップする弾薬以外に、「ガンパウダー」と「素材」などを組み合わせて弾薬を作らなければなりません。
原作では弾薬が豊富に手に入るので「撃ちまくる爽快感」に特化したシステムになっていましたが、本作は定期的に弾薬が底を尽きかけます。
初回プレイ時に敵が殺到する難所を戦い抜いた頃には、必ず手持ちの弾薬が給料日前の通帳みたいになっていました。
そのため定期的にガンパウダーと素材を組み合わせて武器・弾薬をクラフトする必要が出てくるので「使い勝手の良いハンドガンの弾を作るか?頭を吹き飛ばすショットガンの弾が必要か?寄生体を倒せる閃光弾に回すか?」と頭を悩ませながら、リソースを上手く管理して状況を乗り越える必要があります。
先述したナイフの消耗度や使い捨てナイフの入手状況も重要なリソースなので、手持ちの武器・弾薬で難所を切り抜けていく緊張感と達成感の繰り返しがたまりません。
RE4はアクション性を磨き上げつつも、バイオハザードシリーズの肝であるリソース管理の重要性も高めることで「サバイバルホラー」としての魅力にもスポットライトを当てていることに感動しました。
感覚としては「弾薬がそこそこ手に入るRE2」のようなサバイバル感覚が楽しめるので、その点も個人的にぶっ刺さっているポイントです。
気になるポイントあれこれ
ゲームプレイにおいてほぼ完璧なおもしろさだと感じていますが、一部気になる点もあります。特に、本作のレティクル(照準)システムに不便さを感じたプレイヤーは私だけではないでしょう。
RE2では動き回らずに立ち止まって敵に狙いを定めると、照準がギュッと絞られて威力が上がるシステムが導入されていました。ゆっくりと歩いてくるゾンビに対して「安全のために後退せず、立ち止まって狙うほうが弾薬の消費を抑えられる」という、リスクとリターンが上手く噛み合った優れたシステムです。
しかし本作の敵は「寄生体に侵されておかしくなった元人間」なので、余裕でダッシュしながら斧を振りかぶってきます。あらゆる方向から襲いかかってくる敵の人数が多く、レティクルが絞られるまで立ち止まるのはほぼ不可能。
また、一部の武器はレティクルが広すぎて「狙ったところに当たりにくい」という理由から弱体化してしまったような印象を受けるので、その辺はもう少しRE4のゲームプレイに最適化して欲しかった。
まとめ
RE4は原作を遊んでいると「懐かしさと大胆さ」に驚きながら楽しめるし、原作を知らなくても最新のサバイバルホラーアクションとして楽しめるクオリティです。
現時点でもお腹いっぱいなのだけど、おそらく女性スパイ「エイダ」が主人公となるDLCが控えているうえにPSVR2で遊べるモードの配信が控えており、「どこまで楽しませてくれるんだ」とワクワクし続けています。
「アクションの手触り」と「リソース管理の楽しさ」が驚異的な中毒性を生み出しており、どうやらまだまだ飽きる気配はありません。銃器で敵をぶっ壊すのが好きな方や、物資を集めて生き抜くヒリヒリ感が好きな方はぜひプレイしてみてください!