乙女ゲーの好感度システム、最適解を考えてみた

学園モノ、ファンタジー、和風、アウトローな世界観…。乙女ゲーは、イケメンがあの手この手でプレイヤーを楽しませてくれる。そしてイケメンと同じくらい乙女ゲーに欠かせないのが『好感度システム』だ。

自分が相手にどれだけ好かれているかをあらわす好感度。オーソドックスに褒めれば落ちるチョロい王道キャラもいれば、反抗的な態度(通称:おもしれー女枠)を好むキャラクターもいたり。好感度を巡る駆け引きこそ、乙女ゲーの要である。

そして昨今の好感度システムは、なんらかの方法で可視化されていることが多い。「可視化されている」といってもその種類はさまざまで、意外と奥深いのだ。

可視化されている好感度は大きく3パターン

最近の乙女ゲーは、実にプレイヤーファースト。攻略対象の好感度がプレイヤー側で把握できるため、相手が自分のことをどう思っているのかすぐ分かる仕様が大多数を占めている。

筆者が個人的に調べた結果、可視化されている好感度システムは3パターンに分類できた。異なる魅せ方を自分なりに比較しながら、メリット・デメリットを考察していこうと思う。

①常に画面上で見えているパターン

牧場物語再会のミネラルタウン公式サイトより引用

常に画面上で好感度が表示されている仕様。主な作品は牧場物語シリーズで、画像の作品では名前の横にあるハートの色で恋愛段階が把握できる。ちなみにこの褐色イケメン『カイ』は序盤だと夏にしか交流できない。ニクい夏男。

好感度をいつでも確認できるため、乙女ゲービギナーでも「あとどれくらい頑張れば仲良くなれるのか」分かりやすい。ただ個人的には、ゲームへの没入感は若干落ちるかな…といった印象もある。逆をいえば、「乙女ゲーしている感」が味わえるのは間違いない。

②情報キャラに聞けるパターン

ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart公式サイトより引用

乙女ゲーの情報キャラとは、攻略対象の好感度や情報を教えてくれる『お助けキャラ』を指すことが多い。主な作品は、ときめきメモリアルGSシリーズ。最新作では好感度だけでなく、関係性まで可視化してくれるようになった。嫉妬している人のほか、『仲良しグループ』になれる関係性もわかるようになり、交流の臨場感が増している。

現実でいう「友達に相談」と近いので、いちばんリアリティが味わえるかもしれない。一方で行動ターンを消費する仕様になっていることもあり、状況によってはちょっと損した気持ちになることも。主観だが、きっとみんなそこまでのリアルさは求めていない。

③システムから確認できるパターン

金色のコルダ4公式サイトより引用

好感度や諸情報をパラメータとして表示する手法が近年の主流かもしれない。主な作品は金色のコルダシリーズ。好感度が攻略対象とプレイヤー間の「想い」で構成され、傾き具合によってイベントやエンディングが分岐する。好感度もとい『想いの偏り』はグラフからいつでも確認可能だ。

システムが絡むときの最大の魅力は、見たいときにサクッと見れる利便性の良さ。知りたい情報をまとめてチェックできるのでスマートだ。たま~に「どこで好感度が見れるの!?」といった迷子が発生することもあるけど、困ったらヘルプを見ればOK。でもちょっとしたストレスって、プレイするやる気を削ぐよね。

好感度が可視化されていないゲームは今じゃレアかも?

番外編として、イベント発生の有無や展開(セリフの変化など)でしか好感度がわからない仕様もまれにある。最近の商業ゲームではほぼ見かけず、おそらくフリーゲームに多いタイプだ。攻略対象が少なければ、好感度を頻繁に見る必要もないからだろう。

逆に攻略対象が少ないのに好感度がチェックできる作品は良作の予感。マルチエンディングタイプなど、丁寧につくられていることは間違いないのでぜひ遊んでみてほしい!

また定量的に好感度を確認できないものの、選択肢を選んだ際に好感度アップ・ダウン等のエフェクトが出るゲームも多い。選択前にクイックセーブ⇒ミスったらクイックロードを駆使すれば攻略も容易だ。

好感度システムは「遊ぶ」「作る」の判断基準になり得る

攻略対象への好感度がどのように可視化されるか、という側面はゲーム選びないしはゲーム制作の役に立つかもしれない。

攻略対象のハートを確実に射止めたい人は、好き嫌いがハッキリ可視化されているゲームのほうが楽しめるだろう。その一方、乙女ゲーに限らずゲーマー気質の人は、パッと見で好感度を確認できないほうが燃えると思う。(訳:レトロゲームやフリーゲームで遊ぼう)

つまりプレイヤーとして遊ぶときは自分が重視するポイントに、制作者としてゲームをつくるときはターゲット層を明確にする指針になりえる。

ちなみに、私は「どのくらいの好感度で攻略できるのか」といった情報さえどこかに明記されていれば、好感度システムはどれでもいい。しいて今回のタイプに当てはめると、システムから確認できる仕様ならありがたいかも。

さいごに世の乙女ゲーマーさま、制作者さまには、ぜひ好感度システムの意見交換をしてほしい。もしかすると、自分好みの作品を見つけるヒントになるかもしれません。何はともあれ、人の数だけ最適解があるってことで、結びの言葉とさせていただきます!

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