世界中のアイコニックなデバイスが大集結!日本を舞台にした電子機器の修理屋SLG『リ・ストーリー: 思い出修理屋』プレイレポート&プチインタビュー

2026年5月22日~24日、京都みやこめっせにて『BitSummit PUNCH』が開催。日本国内問わず多くのゲーマーが集まり、会場が熱気と愛に包まれる3日間になりました。

本記事では、BitSummitに出展していたタイトルの中から筆者が気になっていた『リ・ストーリー: 思い出修理屋』を紹介します。日本ではお馴染みのゲーム機も登場するので、ぜひご覧ください。

往年の名ガジェットが大集結した電子機器の修理SLG

▲ハードオフ巡りが趣味だった筆者、この光景に恍惚

リ・ストーリー: 思い出修理屋』は、2000年代半ばの日本を舞台にした電子機器の修理屋を経営するSLGです。古い携帯電話、壊れた懐中電灯、思い出のゲーム機器。お客さんが持ち込んでくる壊れた電子機器を修理することで、それぞれの物語が動き出します。

ゲーム内に登場するアイテムは現実世界で存在するものをモチーフにしており、「Patento BS」「Nony PMP」といった聞き覚えのあるモノも。筆者はPSPを直そうとしてネジ山を破壊した甘酸っぱい過去があるので、ここでようやくリベンジできそうです。

▲こ…これは…PATENTO BS!!

SteamページのDevlogを覗いて知ったのですが、どうやら開発チームの皆さんは根っからの修理好き。動かなくなったものは自分で分解し、スペア部品を探して綺麗に直してしまうとのこと。きっと、そのノウハウが本作にも活かされているに違いありません。

▲Devlogから引用
▲Devlogから引用

さて、ゲーム紹介に戻りましょう。

ビットサミットで遊べた試遊版では、強面のおじさん「橋本源蔵」が偶然拾った携帯電話を修理するところからゲームが始まります。裏面には「POKIA」と書かれており、筆者が工場勤務だった頃に使っていたピッチを思い出して感慨深くなりました。

修理の基本は分解から。左クリック長押しでネジを外し、パーツを取り外していきます。今回の依頼品は外で拾われたこともあり、ところどころに砂埃が付着。動作不良の原因にも繋がりかねないので、一つづつ丁寧に磨いていきましょう。

▲この作業気持ち良いですよね

すべてのパーツを分解・清掃した後、逆の手順で組み立てていきます。今回は故障したパーツがなかったので清掃だけで済みましたが、電子部品が死んでいる場合はスペアと交換する必要もでてくるようです。

夢中になってバラすと戻し方が分からなくなってしまうので、解体順に並べておくと良いかもしれません。とはいえ、正しい部品を選べば機器に吸いつくので力技でも何とかなります。なかなかに良心的です。

▲元に戻してねじ止めして…
▲Perfect!

修理といえど、必ずしも内部パーツが壊れているわけではなく、少し綺麗にするだけで動くことも。この辺は現実と同じですね。カウンターに商品を置いて源蔵の帰りを待っていると、タバコを加えて颯爽と登場。

▲ヤクザすぎる

こんな感じで直していくわけですが、面白いのはここから先。依頼品に使われている部品が壊れている場合、中古のマーケットプレイスから同じ商品を安値で購入し、生きているパーツを部品取りできるんです。

▲「電源が入らない」、裏を返せば他のパーツは生きている

多少なりとも機械弄りを嗜んだことのある方なら、一気に興味が湧くのではと思っています。筆者もこのシステムを知ったときはテンションが上がりました。コスパ良く部品を買って自分で直すことって、替えの効かない体験ですよね。

▲ボロボロで部品がない状態でも…
▲ほかの製品から部品を移植すれば…
▲ニコイチ!

ちなみに、上記の修理品は「Atari 2600」の特殊コントローラー。パックマンを遊ぶヤツですね。冷静に考えると、ジョイスティックとワンボタンしか使っていないのに世界を熱狂させたってすごすぎる……。

本作はAtariと公式パートナーシップを結んでおり、会社公認のご登場となります。「勝手に使ってる!!」ということではないのでご安心を。中身も忠実に再現しているのでガジェット好きも必見です。

▲Devlogから引用

実際にAtariの製品を見つけるのは大変難しかったそうで、日本の秋葉原も探し回ったとのこと。「まんだらけ」「スーパーポテト」「レトロゲームキャンプ」など、レトロゲーマーであれば一度は耳にしたことがあるであろう場所にも訪れたそうです。

特殊なガジェットのほかにも、懐中電灯といった日常生活でお世話になっているアイテムの姿も。こちらはレンズ部分とライト部分の電球が割れていたので、ジャンク品からパーツを回収してチャチャッと修理成功。

▲まずは分解して使えない部品をゴミ箱へイン
▲電源が入らないライトを買って…
▲部品を移植して…
▲無事に修理完了っす

修理費は7,500円だったので、収支としてはプラス6,500円。イイ感じに利益が取れてほくほくです。この調子でどんどん直していきたいところ。そうこうしている内に依頼主が帰ってきたので、サッと渡して一見落着と思いきや…

▲何かしらの事件があったようで…

この方の名前は「坂本健二」。どうやら先ほど紹介した強面オジサンこと橋本さんを追っている様子。試遊版の段階では詳細まで分かりませんでしたが、何やら怪しい事件の香りが漂っています。

気になる伏線が張られ、新しいガジェットの「エッグっち」が登場したタイミングで試遊版は終了。いやはや、予想通り面白かったのはもちろんなのですが、予想よりも本格的に作られていて驚きました。

▲た…○○○っち!

中身はガチガチに作っているのに、遊び心地がカジュアルなのも嬉しいですね。ノスタルジックなガジェットの数々に、「うわこれ懐かしい~」と感嘆の声を漏らすプレイヤーの姿が目に浮かびます。

電子機器の修理体験はもちろん、個性的なキャラクターの掛け合いや物語も気になるところ。橋本さん、捕まらないと良いですね。これはマル秘情報なのですが、主人公のライバルはアンティーク機器の修理を得意としており、好きな食べ物は親子丼らしいです。

今回、本作のパブリッシャー「tinybuild」でシニアマーケティングマネージャーを務めるアントン氏にお話を伺えたので、ちょっとだけインタビューさせて頂きました。

「tinybuild」シニアマーケティングマネージャー「アントン」氏にインタビュー!

▲このアイコンを見たことある人も多いはず

――SteamページのDevlogにて、開発チームの皆さんが電子機器の修理について深く造詣があることを知りました。本作を作ろうとしたきっかけがあれば教えてください

アントン氏:開発チームの「Mandragora Studio」は、前作で「I Am Future」という終末世界を生き抜くサバイバルクラフトゲームをリリースしており、様々なデバイスを探して分解・クラフトするシステムは前作から踏襲しています。

多様なガジェットをクラフトできる要素が多くのプレイヤーからとても人気だったので、サバイバルゲームから切り出してコンセプトを絞って新作を作ってみようと開発したのが本作となります。

アントン氏:またデバイスに関しては、アイコニック(流行になるような象徴的なもの)なカメラやコンソール機器かつ、実際に使っているものからインスピレーションを得ました。Atariさんとも公式にパートナーシップを結んでおり、ゲーム内にも登場します。

▲登場予定のAtari機器

――「まんだらけ」「スーパーポテト」「レトロゲームキャンプ」など、日本のゲームショップにも足を運ばれたとお聞きしたのですが、私たちになじみ深いデバイスも登場しますか?

アントン氏:本作には日本のみならず、世界中の人々にとってノスタルジックなデバイスが登場します。年代でいえば、2000年~2005年頃ですね。当時の熱狂だったり、愛といった部分がコンセプトにも繋がってきます。

いまはまだ開発中ですが、「たまごっち」からインスピレーションを受けたデジタルペットや、デジタルカメラなどのガジェットを毎月追加しているので、様々なデバイスが登場する予定です。

――本作は本格的な修理を楽しめる作品だと思うのですが、同じアイテムを何度も修理することは可能でしょうか?

アントン氏:現状の計画ですが、修理は一度しかできません。修理対象はお客さんが持ってきたデバイスのみですが、直す以外にカスタマイズ要素も盛り込む予定です。

また各キャラクターとの会話にも重点を置いており、ストーリーやナラティブ体験にも力を入れています。電子機器の修理を介して、依頼主の人生や思い出に触れていく部分にも注目して頂ければと思います。

▲カスタマイズの存在が気になるところ

――開発チームの皆さまは修理経験が豊富だと思うのですが、機械を修理する面白さや魅力を表現する上で工夫した点はありますか?

アントン氏:修理するデバイスの種類だけではなく、修理に使用する道具やシチュエーションにもこだわりました。

例えば、南アフリカのサファリで落として故障した携帯電話は砂まみれになっていたり、レトロゲームのコントローラーであればボタンを押しすぎて潰れてしまっていたり、壊れ方一つ取ってもバリエーションが出るように意識しました。

――前作に「I Am Future」、過去作に「SKYHILL」と異なるジャンルの作品をリリースされていますが、今回なぜ電子機器の修理ゲームを作ろうと思ったのでしょうか?

アントン氏:本作は「I Am Future」と同じタイミングで作り始めました。開発チームがアイディアを持ってきてくれたとき、世界はコロナの真っ只中。そんななか、終末世界でリラックスできる体験がとても心地よく楽しかったんです。

▲I Am Futureではスローライフを
▲リ・ストーリーでは懐かしさを

アントン氏:前作は水没した都市の建物の屋上に居心地のいいキャンプを構築し、のんびりと楽しめるサバイバルゲームでした。今作は懐かしいデバイスを修理しながら、人との会話を楽しむシミュレーションゲームとなっています。

ゲームジャンルは異なりますが、プレイヤーにリラックスしてもらいたいという考えは共通しています。『I Am Future』の機械修理の要素を継承しながら開発されたのが『リ・ストーリー: 思い出修理屋』になります。

――最後に日本のプレイヤーにメッセージをお願いします

アントン氏:ゲーム内に登場するデバイスに懐かしさを感じてもらい、また実際の修理作業を楽しんでもらえたら嬉しいです!

――本日はありがとうございました!

〈詳細情報〉

ゲーム名リ・ストーリー: 思い出修理屋
ジャンル電子機器修理×経営SLG

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