2024年7月14日に『note place』で開催された『東京ゲームダンジョン外伝』に行ってきましたので、気になった作品や現場の雰囲気をレポートにまとめました。
ゲムダン3から毎度参加してて思いますが、ホントに作り手と遊び手の距離が近くて規模の大きさも相まって唯一無二のイベントだなって感じています。
【特徴】出展者同士の交流が多い
メディア枠としてちょびっとだけ早く侵入できたのでこっそり覗き見していたのですが、来場者さんが来られる前に開発者さん同士で名刺交換したり談笑している姿が印象的でした。
(忘れた)
出展者であると同時にみなさん来場者なんだなと感じて、どことなくコミケっぽい雰囲気で見渡す限り和やかムード。作品を買ってもらうための商業イベントではなく、作品を見てもらう同人イベントのような空気がゲムダンっぽくて好きです。
全体的に作り手と遊び手の目線が近く、良くも悪くも距離感の近いイベントなんだなと感じました。プロモーション活動として収益を生み出すことが最優先ではないからこそ、自然体の人っぽさを感じられる同人イベントなのだと感じています。
個人的に気になっている作品
時間の都合上、すべての作品を触ることができなかったので実際に遊べた作品を紹介します。個人的な趣味嗜好が存分に詰まっているので、良し悪しじゃなくて完全に好みです。
遊びたかったけど混んでて断念した作品も多いですし、自分好みのジャンルが必然的に多くなっています。独断と偏見なので他人の日記みたいな感覚でお読みください。
Bloom Thrice 三度咲く
柔らかいタッチのドット絵と高難易度アクションが印象的な2Dアクション作品。序盤からギリギリジャンプが当たり前のように頻出するのはもちろん、破壊できるブロックを上手く残して足場にするなどアクション好きならではのギミックが多め。
フレーバーテキストも凝っており、笑いに走りすぎず塩梅の効いたセリフも印象的。開発者様が「音楽には1番力を入れたいんです!」と仰っており、まだまだ磨きが入りそうな作品でした。
開発者:NEO*PUN
【参考動画】
One turn kill
ワンターンで決着をつけないと即死するカードローグライク作品。カードコストの数値分だけドローできるため手札枯渇は起きない反面、高コストカードを使うとデッキ切れで倒しきれないことも。
『手札を捨てる』『デッキに戻す』等のデメリットと向き合いながら、最速で撃破するゲームシステムが痛快で面白い。バフスキルが強力で『手札の攻撃カードを全てに+3する』などの効果を持っているため、コントロールできるようになったら脳汁めっちゃ出そう。
開発者:60%電電
fall Asleep
障害物にぶつからないようにゴールまで落下するアクション作品。一度でもぶつかると即死なので覚えゲーの分類とのこと。ジャンプアクションがないため移動避けに全神経を注ぎ込めるのですが、隙間がギリギリなので難易度の高さも申し分なし。
「初作品なので軽く作れるものにしたくて、Only upの逆を作ったら面白そうだなと思って作りました!」と爽やかエピソードを教えてくれました。『悪夢に落ちる』のコンセプトにバチっとハマっており、今後どうなるか楽しみです。
開発者:NeoGames
CAKE SMASH
ポップンみたいな自作コントローラーで遊ぶミニゲーム風作品。だるま落としの要領でケーキを吹き飛ばして、見回りに来る警備員に対してはフットペダルで隠れる。シンプルながらも独自の体験ができました。
何が1番大変でしたかとお聞きした際、「配線が多くて半田付けが大変でした(笑)」と仰っており、苦戦しつつも楽しく作れたんだろうな~と思わせるエピソードを聴かせてくれました。「秋葉原で部品揃いますよ〜」と教えてくださったので、一回くらいは自作コン作ってもいいのかなと思ったり。
開発者:FukkaruGames
【参考動画】
図書館ではお静かに。
図書館で銃弾ぶっ放して大暴れするガンジョン風作品。タイトル画面が涼やかでノベルゲームかと思ったんですが、ゲームを開始して直ぐにバキバキのアクションが始まって笑いました。
図書館を選んだ理由についてお聞きすると、「図書館で暴れたら面白そうだなって(笑)」と話してくださり、フレッシュすぎる意見に魂が浄化されました。強化アイテムとして本が転がっており、キービジュアルがちゃんと表紙になってて素敵。このまま突っ走って欲しい。
BAAS(Battle Against the Acolytes of Science)
横スクロールアクションと縦STGを行ったり来たりするアクション作品。世界観がバチバチに決まっており、自創作をゲームに落とし込むことに対して真摯な姿勢で向き合っている印象でした。
小説のような凝った設定についてお聞きしている際、縦STGを採用した理由について「キャラの特色が一番出せると思ったので作ってみました」と仰っており、ゲーム性ではなく世界観を固めるために採用する場合もあるんだなと勉強になりました。
開発者:GuriiEcoGames
【参考動画】
起業布武
大真面目にスタートアップ(俗にいう起業)を学べる作品。あまりにも本気過ぎて教材として使われていても全く遜色ない。筆者はフリーターに毛が生えた雇われ戦士なので普通に買って勉強したいと思いました。
ゲームプレイが知識や啓蒙ではなく、実践に即したビジネスプランになっているのが面白い。実際に起業する人が起こすアクションをそのまま追体験できるので、知識を補いつつも経験軸に重点を置いているように感じました。
開発者:ふみまさ(CapGames)
【参考動画】
クロノスの孤島
ユニットに事前プログラムを組んで戦わせるオートバトラーSLG。敵を殲滅するのではなく最奥バリケードを破壊すればクリアとなるため、壁役や速攻ユニットをバランス良く配置するのが重要そう。
火力や耐久力を上げる武器ではなく、行動やスキルを増やすチップを組み込んで戦力を増強するのが特徴。なんの能力もない壁役トーテムに索敵&投石チップを付与し、後方から敵を殲滅させる遠距離アタッカーにするのが面白かったです。
開発者:っっっt
【参考動画】
Nectograph
カメラをメインウェポンにした可愛らしいアクション作品。誰も傷つかない優しい作風にほっこりする反面、ダンジョンを進めて強化が進むと180°広角超望遠レンズになってパシャパシャ敵を倒す爽快感も残ってて上手くまとまっている印象。
流血やゴア表現で刺激たっぷりの作品も嫌いではないのですが、フラッシュ焚いて敵を無力化して倒す柔らかい作品も良いですよね。攻撃力マシマシというよりも、攻撃レンジとエリアを上げて快適に遊ぶ心地良さに惹かれました。
開発者:カワセミ
Egg Garden
とにかく忙しい厨房でマルチタスクをこなしながら閉店時間まで耐える作品。作るのはもちろん、料理を運ぶところまでワンオペなのでこれまた忙しい。どたばたしながらもギリギリ捌ける範囲で客が押し寄せるので夢中になっちゃいました。
オムライスのオーダーが入ると、律儀に♡や⭐︎をケチャップで書かないといけないのがツボで。綺麗に各余裕は全くなかった。マルチプレイを導入予定とのことで、盛り上がる作品になりそうだなと大注目。
開発者:EggGardenProject
【参考動画】
梅と侍
とにかく喋る梅と梅を花を見たい侍が織りなすADV作品。梅は喋り過ぎると体力を消耗して枯れてしまうので、花を咲かせるために梅の口を塞ぐコンセプトで制作しているとのこと。この時点で面白い。
吹き出しのテキストを減らすためにどうしようか考えた結果、キャラの口を塞ぐことを思いついたと教えてくださり、この人は天才なんだろうなと思いました。試遊はできなかったのですが、世を賑わせる面白いゲームになると確信してます。
開発者:Furoshiki Lab.
公式サイト:梅と侍
ゲムダンは敷居の低い同人ゲームイベント
同人ゲームの区分や明確な定義は分かりませんが、筆者は東京ゲームダンジョンのことを同人イベントと考えています。商業として成功させるものではなく、有志の限られた資源を惜しみなく投下して、好きだから作ったものを披露する場所なのかなと感じました。
正直、合う合わないはあると思います。作り手と遊び手の境界線が薄く、馴染みの薄い人からすれば独特な空気感を感じるかもしれません。でもそれはそれで、ひとつの文化なのかなって。距離感の近さこそゲムダンの良さだと思うので。
常連が集まって楽しそうに喋ってる喫茶店みたいな感じというか、この場所ならではの空気感が形成されてて面白いので一回遊びに行って欲しいな〜と個人的に思っています。
ちょっとした余談
情報は出さないでと言われたので詳細は伏せますが、けんこうランドのココロ・テンさんが面白そうな作品を作ってるので、気になった方はウォッチしておくと幸せになれるかもしれません。
おわり。