近年のゲームのグラフィックは、レイトレーシングをはじめとする描画技術の発達によって現実と見まごうほどの精緻なもの。
しかし、今回レビューする作品「バトル・フォー・アスキオン」は、そうしたフォトリアルなグラフィックとは真逆。すべてのグラフィックがテキストデータのみで描画された、シンプルさを極めたSTGです。
AAで構成されたオールドスクールな横STG

本作は全4種類の自機とショット、レーザー、ワイドの3種の武装を使いこなし全5ステージを戦い抜く横STG。グラフィックと同じく「撃って避ける」STGのシンプルでプリミティブな楽しみが詰まっています。
「グラディウス」や「R-TYPE」といったアーケード黄金期の横STGにインスパイアされた基地内部、アステロイドベルト、そして巨大ボスといった構成は、オールドゲーマーにはたまらないものがあります。
難易度は控えめでシステムもシンプルなので、STG初心者にもおすすめしたい作品です。
また、アーケードライクなローカルスコアランキングやノーコンティニュークリアで開放されるハードコアモードなど、やりこみ要素も完備されているお得な一作と言えるでしょう。
全編テキストデータのみの驚くべきグラフィック

本作の最大の特徴は、上記の画面写真で分かる通り、すべてのグラフィックがテキストデータで描かれたアスキーアート(AA)で構成されている点です。
ストアページの紹介文に書かれた「スプライトも、テクスチャも、PNGも一切ありません」の言葉通り、タイトルロゴ、自機、個性豊かなステージ、巨大なボス、爆発までもがテキストデータのみ。
ネットにはシンプルから複雑なものまで無数のAAが存在しますが、AAのみでゲームを一本作ってしまうのは驚愕の一言。「ゲームってテキストデータのみで作れるものなのか!」と驚きを味わえることでしょう。
また、本作にはスクリーンショットならぬ「テキストショット」という機能があります。これはゲーム画面を画像データではなく.TXT ファイルとして出力・保存できるというユニークな機能。
もちろんPCのテキストエディタで開いて、コピー、共有、印刷することが可能です。
見た目のインパクトだけで終わらない、しっかりと作り込まれたゲーム性

本作は見た目のインパクトがもっとも目を引きますが、決して一発ネタというではありません。横STGとしてしっかり遊べる作りになっています。
アステロイドベルトや高速スクロールステージ、そしてステージ最奥に待ち受ける巨大ボスなど、横STGのお約束を押さえた構成はプレイしていて飽きません。
もちろん、横STGにおける大きな魅力でもある地形ギミックも押さえています。浮遊する岩石や各種トラップ、そして空間を超えて襲ってくるレーザー攻撃がプレイヤーを苦しめつつも楽しませてくれます。
ローカルスコアランキングのほか、ゲーム中には各ステージの特定の場所を通過するとボーナスが入るシークレットボーナスも。
これはゲーム中に全10個隠されているので、すべて集めるというやりこみも楽しいでしょう。
積極的なアップデートによるコンテンツの充実

現代のゲームは、発売されて終わりとはなりません。不具合修正のほか、アップデートで新要素が追加されて発売後にゲームが進化していくケースも珍しくなくなりました。
その点本作は、2026年2月6日のリリースから積極的に大小規模のアップデートを行っており、細かい不具合修正のほか、ショットの自動連射機能や自機デザインが追加されています。
2026年4月現在の最新バージョン1.305では、下記3つの要素が追加されました。
BGMと効果音のバランスを個別に設定できる「オーディオミックス」、画面端に枠を作って古いコンピュータ端末の雰囲気を味わえる「ターミナル風オーバーレイ」。
そして、コミュニティコンテストで選ばれた「第4の機体デザイン」が追加されています。
最初期のゲームグラフィックで描かれた、今でも遊べるオールドスタイル
1980年に発売されたコンピューターRPGのひとつ「Rogue」では、すべてのキャラクターやマップがAAで描かれていました。本作は、そんな最初期のゲームグラフィックを現代に復活させたのです。
最新グラフィックに触れる機会は無数にありますが、本作は逆に最古のゲームグラフィックに触れることができる作品。本作をプレイすれば、視覚芸術史の原点を知ることができるでしょう。
〈詳細情報〉
| ゲーム名 | バトル・フォー・アスキオン |
| ジャンル | 横スクロールSTG |
| ストア価格 | 470円 |
| リリース日 | 2026年2月6日 |
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