クリアしたゲームの余韻に浸りながらキャッチ―なレビューをお届けする『クリアの後で。』
第3回は色々尖りすぎた3DダンジョンRPG『Demon Lord Reincarnation(デーモンロードリインカーネーション)』です!
尖りポイント①マップは自分で用意すべし!
最近の3DダンジョンRPGでは、進んだ部分をマップに自動で記録してくれる『オートマッピング機能』が搭載されています。
本作ではオートマッピングはおろかマップを表示する機能がないため、紙とペンなどを使って自分で書く必要があります。全5階層で各フロアの大きさは20×20のサイズ。そこまで広くありませんので、マッピング初心者でも安心といえそうです。
私はマッピングツールと方眼紙を両方試しましたが、紙とペンで作成した方がマップを作っている感じがして楽しめました。
尖りポイント②仲間は使い捨て!?
魔王を討伐するメンバーは、20種類以上のクラスから選択可能。最大4人を拠点で集め、パーティを組んでからダンジョンへ向かいます。
クラスごとにスキルやパラメータが違うので、パーティを試行錯誤するのが悩ましくも楽しいです。キャラクターの成長はレベル性ではなく、ロマサガのように戦闘終了時に能力が上昇。各種スキルも戦闘中に閃くことで覚えます。
また本作は前衛・後衛の概念がなく、耐久力のない職業はあっという間にやられてしまいます。失った仲間は二度と復活できないため、新たに拠点で補充するしかありません。
一見すると厳しそうに見えますが、新たに加入する仲間の強さはパーティの強さに比例するため、即戦力として活躍してくれます。
尖りポイント③グラフィックが2色!
本作は基本的に2色で構成されています。ダンジョンは視認性を高めるためにグラデーションを使ってますが、戦闘画面は完全な2色です。
2色と言われると物足りなさを感じるかもしれませんが、細部までこだわってグラフィックが印象的で、プレイ中は2色であることを忘れさせるほど。
ウィザードリィを彷彿とさせるモンスターも陰影が2色で見事に表現されており、世界観やダンジョンとマッチしています。
尖りポイント④アイテムが1つもない!
ここが本作最大の賛否両論ポイントだと思います。
ダンジョン内にある宝箱を探すことは、RPGにおいて大きな楽しみの1つ。しかし本作には、装備はおろか、回復アイテムなど一切のアイテムが存在しません。
一応宝箱はあるのですが、開けても能力が増減するイベントが発生するだけ。ダンジョンの隅っこに存在する怪しい部屋や隠し通路を抜けた先にも、アイテムや装備品は一切存在しません。そのため、探索の楽しみが減っているなぁと感じました。
尖りポイント⑤魔王を倒しても終わりじゃない!
- ※ここからはネタバレ
本作の目的は『復活した魔王レイナードの討伐』ですが、魔王を討伐してもこのゲームはクリアにはなりません。
今度は自分が魔王となり、地上を目指すことになります。魔王が主人公になった場合、これまで冒険者が倒してきた魔物を召喚して仲間にできるため一風変わった楽しみ方が可能です。
これまで作ってきたマップを手に、魔王が地上に出た時に何が起こるのかは皆さんの目で確かめてください。
仲間の魔物はオートで動くので今までの戦闘とはまた違った楽しみ方ができます
総評:クリアしてみての感想
本作は3DダンジョンRPGを独自に解釈し、不要な部分を削ぎ落とすことでオートマッピングの不在をマップを書く楽しさに変えた意欲作です。
気になる点はいくつかありますが、価格帯も1000円とコンパクトにまとまっており、手軽に硬派な3DダンジョンRPGを楽しむにはピッタリの1本だと思います。
さあ、あなたも紙とペンを持って魔王を討伐しに行ってみてはいかがでしょうか?