自分さえ信じられないまま廃病院をさまようアイテム探しホラー『Disease -ディジーズ-』

梅雨もまだ来ていないというのに、半袖で過ごしても良いような気候になってきました。夏を控えたいま恋しくなるのは、身の毛もよだつホラーですね。

筆者はホラー作品が苦手でした。それが不思議なことにビビってしまう自分の姿が面白く感じるようになり、今ではホラーゲームを遊ぶようになりました。
自分から怖いものに飛び込むと、感情が矛盾してきて楽しいのです。

今回紹介する『Disease -ディジーズ-』はアイテム探しホラーアドベンチャー。
廃病院で医療品を探しながら、風化しそうな後ろ暗い過去を明らかにしましょう。

アイテム探しというゲーム性故に、雰囲気ある画面をまじまじと見つめる必要があります。
ジャンプスケアはありませんが、探していない“もの”が見つかることはあるかも。
怖いものみたさで、暑さを吹き飛ばしてみませんか?

※注意※ホラー、ゴア表現があり、15歳以上対象です。

正気を証明するために

プレイヤーが操作する主人公は医者でしたが、幻覚と幻聴に悩まされた挙句、医師免許を剥奪されてしまいます。
医師免許を取り戻したい彼は、元上司から「廃墟の病院で指定された医療品を持ち帰る」という仕事を請けることになりました。

無事に仕事を成し遂げれば「自分が正気である」と証明できる。そしてまた医師として復帰できる。

場所こそ気味悪いものの、散らかった廃墟で物を探すだけ。簡単な作業を完遂すれば自分の願いが叶う。
そうして全てのアイテムを見つけてノートを確認すると、どうしてか新たな指示が増えています。

自分で書いた覚えはない。しかし幻覚が見えてしまう自分のことだ、もしかしたら無意識で書いてしまったのか?
それとも誰かが、この病院の秘密を探れと言っているのか。

主人公はノートに従い、「現実世界」でも「幻覚世界」でも探し物をすることにしました。

目を背けられないホラー

ゲーム画面の説明をしましょう。

上部の心臓に繋がるバーは制限時間。
アイテムを探し終える前に、バーが心臓に達してしまうとゲームオーバー。
現実世界では余裕を持って探せると思いますが、幻覚世界では制限時間が多く削れる罠がある場合もあり、注意が必要です。

中央にいる黒猫は、アイテム探しの相棒です。
手のカーソルを猫じゃらしに持ち変えれば、手の届かない場所にあるアイテムを取ってきてくれます。
この不気味な場所で唯一癒しを提供してくれる存在でもあり、しばらくはずっと一緒に行動してくれます。

右上の「?」マークの書かれた卵のようなものは、選択するとヒントが表示されます。

▲なんだか上から目線のヒント機能

ヒントではあるのですが、アイテムの場所をピンポイントで教えてはくれません。
あくまでもアイテムは自力で探さなければならないようです。
その代わり謎解きがある時などはちゃんとヒントをくれるので、この機能は覚えておきましょう。

右下にあるノートには、ステージの目的や探すアイテムが表示されています。
見つけたアイテムはチェックが付いていくので、自分の進行度の確認に使えますね。

ちなみに、ズームはできません。
小さなアイテムを探す時は、隠れていそうなところを細かくカーソルを合わせて探したり、画面とにらめっこしたりする必要があります。

例えば上の画像では、○印がついているゴミ箱の中にフロッピーディスクがあります。
しかし一部しか見えていない上に、色も目立たないので気付きにくいですね。

正直なところ不便だな~と感じる点ではありますが、画面の隅から隅をにらんでいる時に、青白い人間の顔を見つけた時の恐怖には代えられません。

大丈夫です。「それ」は主人公の見ている幻覚です、きっと。

繰り返し曖昧になっていく幻覚

本作では同じステージを4回クリアする必要があります。
最初は仕事の依頼をこなす。次に請けた覚えのない指示に従う。

するとそのステージの様子が変わります。病院の受付のはずが、遊園地のようにジェットコースターや観覧車が設置されている。

現実世界でも幻覚世界でも、資料が落ちています。

受付にあった資料によると、この遊園地はとある患者の男の子の思い出の場所であったことが分かります。
資料を読むことで、この病院で何があったかが紐解かれていく。
もしかしたら主人公の見ている幻覚は、その場所の過去を映し出しているのでしょうか。

ただ指示された医療品を持ち帰るだけで良かったはずだった。
けれどこの病院では恐ろしいことを行っていたという幻覚を見てしまった。
いやもしかしたら幻覚ではなく、自分が今まで見つけ出した医療品は、その事実の証拠になるのだろうか?

現実に侵食してきそうな恐怖

幻覚は見えているのに、見えてないことにして過ごそうとしている主人公は、プレイヤーからすれば信頼できない語り手です。
彼の見た光景のどこまでが現実でどこからが幻覚なのか、判断が難しい。

それでも彼の目に映った光景は、彼の中では真実の姿です。
受付は遊園地になり、廊下で起こった事件現場を体験し、荒れ果てた中庭では穏やかだったかつての姿を見る。

誰かの記憶に触れながらも、病院の謎に背を向けて主人公はこの病院を脱出することを選びました。
依頼人から報酬を受け取り、医師に復帰した。
その安息もつかの間……というのが、最初にたどり着くエンディングだと思います。

本作は、主人公の行動によってエンディングが変わるマルチエンディング。
不本意なエンディングが流れた後には、ヒントが現れます。
主人公に足りなかった行動や探すべきものを教えてくれるので、このヒントに従って違う未来を見つけにいきましょう。

あれ、この文章の背後に見えるのは「ヒントの卵」じゃなかったっけ。

そもそも「ヒント」とは、さりげなくプレイヤーをクリアまで導く存在のはず。
しかし本作のヒントはやたらと上から目線で具体的なことは言ってくれなかった。
それが最後にはやたら親切なヒントを伝えていて、これではまるでたどり着いて欲しいエンディングがあるように感じます。

……今までヒントをくれていたこの卵は、誰?

〈詳細情報〉

ゲーム名Disease -ディジーズ-
ジャンル謎解き&アイテム探しホラーアドベンチャー
ストア価格800円
リリース日2020年8月26日

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