アンドロイドを修理しながら過去を暴く『Fix My Junk.』

私の勝手な独断と偏見だが、『アンドロイド』の関わる話は好まれがちな気がする。人口知能が反逆する話とか、人間の仕事を奪う話とか、人間が機械に逆恨みする話とか。それによって、ゲームや小説などの創作に登場するアンドロイドの描かれ方も異なる。

この記事では、私が『Fix My Junk.』を通じて感じた「アンドロイドとは、人間とは」を書き残してみた。もし記事を読んでプレイしてくれたあなたが、何かを感じとってくれたら嬉しい。

あなたはアンドロイドの『修理士』

▲即廃棄場行きレベルの損傷をしているアンドロイド

今作は出張修理を行うアンドロイドの家と、主人公が出勤する車内の異なるシーンを往復しながらストーリーが展開される。アンドロイドの主人から、「古い型で損傷も酷いけど、直させてくれない。」と伝えられて家にお邪魔している形だ。

30年前の型のアンドロイドを直すには部品が足りないし技術もいる、ということで少しパズル要素が入ってくる。間違い探しやあみだくじのように線を繋ぐだけなので、難易度は心配しなくていいだろう。もし躓いても公式が攻略情報を出しているので安心だ。

修理パートは簡単なパズル

▲アンドロイドを修理する様子

前述した『パズル要素』は、上記の画像のように線をつなぐものや間違い探しが全部で9つ用意されている。サイゼリヤの間違い探しに比べたら簡単なので安心してほしい。

パズルを解くのに詰まった、または面倒だ、という方はこちらの公式サイトを参考にすると良いだろう。ヒントや答えが全て載っているのが有難い。

【公式サイトのリンク】
https://ivory941525.studio.site

修理室でアンドロイドの『ハリマ』さんを直しつつ、コミュニケーションをとっていくことで、この物語の核心へと触れていく。

ラジオでわかる世界観

▲出勤時の車内で聞けるラジオ番組

プレイヤーは出勤時の車内で、いくつかあるラジオ番組の一つを選択して世界観を知ることができる。

例えば一番下の『ハイパー議論ラボ』を要約すると、「アンドロイドに仕事を奪われた人間が、廃棄ロボットに対し残虐な行いをする様子を配信している。何をされてもじっと死を待つアンドロイドを見て、人間としての尊厳を確認しているのだろう。」といった内容だ。他にもシリアスなニュースや、ポップなバーチャルステージ☆のような番組があるので、何日かに分けて是非聞いてみてほしい。

ちなみにここで聞くラジオ番組の内容によって、登場人物との会話内容も若干変わるので、セーブ&ロードして色々見てみるのも良いかもしれない。

作品を彩る数々の美しいイラストたち

▲人物の描写はもちろん、背景も美しい

フリーゲームという枠の中で、たくさんのイラストが使われているのが素晴らしい。正直あと何十枚も画像を貼り付けたいくらい。エンディングは全部で3つ用意されており、それぞれ異なる演出を楽しめる。steamで売っていてもおかしくないクオリティだ。

こまめなセーブを推奨しているが、分岐が非常にわかりやすいので、選択したラジオ番組に関連する会話内容を全部見たい!とかでない限りは後半のセーブでも問題ないだろう。

本記事ではなるべくネタバレを避けたいため、後半のイラストを見せることはしないが、実際にプレイしてその良さを味わってほしい。

うっすら漂う『不穏さ』

▲結局人間ってこうなんですね!

日数を進めるうち、「あなたが修理しているアンドロイド…そんな名前のアンドロイドは登録されていないわよ…?」と同僚から言われてしまい、おや…?あいつもこいつも、怪しいのでは…?と勘ぐってしまう。

パズルを解いていくことですっかり『没入感』が高まった私は、わんわん泣いた。それぐらい苦しく、美しく、「素敵な作品だった」という思い出になった。

▲思い出の夜景を見るシーン、美しい。

エンディングは3つあると述べたが、私の好みはED1だった。最後に冒頭で述べた「アンドロイドとは、人間とは」の私が出した答えを伝えると、このゲームに関しては「人間はカス」と結論付けてしまった。

何故私がそう思ったのか。あなたはどう思うのか。無料で遊べる素敵なゲームで是非感じ取ってほしい。

〈詳細情報〉

ゲーム名Fix My Junk.
ジャンルビジュアルノベル
ストア価格無料
リリース日2025年3月22日
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