【いのちのつかいかた 感想】真面目な人が作った愛溢れるゲームブック風RPG

正直、見た目に惹かれて買いました。

キャラかわいくない??

ゲームブックやテーブルトークRPGは不慣れで、どちらかといえば苦手です(嫌いではない)

分かったような気がしているだけで、実際はアナログゲームの良さも分かっていません。

そんな自分の素直な感想を垂れ流します。

ゲームブック×RPGの手触りが気持ちいい

「いのちのつかいかた」はテーブルトークRPGとデジタルのRPGを合体させた作品です。

テーブルトークRPGとは?

ゲーム機を使わず、会話や道具を使ってゲームを遊ぶ手法。

  • 鉛筆
  • ダイス

ダメージ計算やイベントの成否判定(※)にダイスを用いることで、コンピューター制御に頼らないランダム性を生み出します。

(※)テーブルトークRPGでは、ダイスの出目によってイベントが成功or失敗する。

基本的に「ゲームマスター(司会者みたいな人)」がゲームを進行するため、遊ぶハードルは割と高めの印象。

こうゆう
こうゆう

テーブルトークRPGを遊んだ回数は片手ほどですが、一つ一つの処理に時間を掛けるアナログ感は結構好きです(笑)

ゲーム内容を楽しむよりも、複数人でお喋りしながら遊ぶことに重きを置いているのが特徴ですね。

今作は、テーブルトークRPGの古典的な処理をデジタルゲームに逆輸入。アナログ特有のゴツゴツした手触りを、自然な形でデジタルゲームへ落とし込んでいます。

テーブルトークお馴染みの「成否判定」
こうゆう
こうゆう

テーブルトークRPGをデジタルに寄せる必要なくない??

と思っていたのですが、ずっーーーと考えた結果、割と相性良いかもって思ったので、激長の個人的解釈を書き残します(疲れるから無理に見なくていいよ!)

アナログとデジタルを混ぜ込む利点は、アナログの弱点を補完できるからです。

  • アナログゲーム:イベントに成否判定があって、予想外の結果が多い
  • デジタルゲーム:ダイスなどの運要素ではなく、プレイヤーの技量が介入できる

アナログゲームは、イベント結果がダイスの出目に左右されます。

成功すればボーナスが発生し、失敗すれば選択肢から消えてダメージを受けるモノも。

意図しないハプニングが発生しやすく、何気ないイベントで一喜一憂することも珍しくありません。

アナログゲームの性質上、会話の機転になることを想定しているんだと思います(これは完全に主観的な意見)

こうゆう
こうゆう

例えば、敵集団と遭遇して

「敵はこちらの存在に気づいていない、アナタはどうしますか?」

というイベントが発生するとします。

  1. 先手を取って奇襲する→成功で大ダメージor失敗で不意打ちを食らう
  2. バレないようにこっそり移動する→成功で戦闘回避or失敗で戦闘開始
  3. 罠を置いておびき寄せる→アイテム消費で成否判定関係なく奇襲成功

こんな感じで、それぞれ成否判定がつきます。

良かれ悪かれダイス結果でゲーム難易度が変化するため、運による振れ幅が広すぎる弱点も。

こうゆう
こうゆう

せっかく好きなキャラクターを演じたいのに、運が悪くてゲンナリ……

「俺は筋肉モリモリのマッチョマン剣闘士だ!」とか言いたいのに、ダイス運に見放されてボコボコにされたら嫌ですよね(笑)

ここで、デジタルゲームの特徴でもある”プレイヤー技量の介入”が登場します。

ざっくりいうと、どれだけ運要素が下振れても、ゲームが上手ければなんとかなるんです。

ポイントは”運≦ゲームの腕前”になるかどうか。

こうゆう
こうゆう

運が悪くてもなんとかなるか、ならないか。

この差はあまりにもデカい……

ダイスが下振れて不利な状況になったとしても、プレイヤーの腕前でひっくり返すことが可能に。

これにより、アナログ特有の手触りを楽しみつつ、運要素に左右されにくいゲーム性を完成させています。

こうゆう
こうゆう

双方をミックスさせることで、アナログゲームの魅力を引き出しつつ、上達の達成感を感じるデジタルゲームらしい作品に仕上がると考えています。

ゲームの形に優劣があるわけではありませんが、運の悪さを打破できるし初心者に優しいかなって思いました。

今作の戦闘システムにはQTEが採用されており、タイミングよくボタンを押すことで敵の攻撃を完全に無力化できます。

QTEとは?

画面に表示されるボタンを素早く入力するアクションイベント。「クイックタイムイベント」の略称。

特定のイベントを盛り上げるために導入され、各ジャンルに出張するアクション要素として活躍します。

反射神経が良ければ完全防御も!

テーブルトークRPGをデジタル化することでゲーム性が向上し、プレイヤーの上達にあわせて戦闘が有利に進められます。

ランダムイベントなどの偶発性を楽しみつつ、RPGとしてバランス良く収まっている点に好感触を得ました。

こうゆう
こうゆう

崖から落下したり、番犬に襲われたり、水だと思ったら毒水だったり、確率による理不尽は止まらない…

上等だ…

このQTEテクニックで運命にあらがってやんよ…

って感じです。

「いのちのつかいかた」を左右する”執着値”

今作は「執着度」と呼ばれる特殊ステータスを用意しており、数値によって異なるイベントやストーリー分岐が発生。

2つの執着度
  • 命への執着→死を恐れる生存への渇望
  • 力への執着→誰にも屈しない力への渇望

執着度は特定のイベントでのみ変動し、プレイヤーは「いのちのつかいかた」と向き合うことになります。

パラメーター次第で選択できない項目も
こうゆう
こうゆう

命への執着が高くなると戦闘で臆病になったり、モラルを捨ててまで生き残ることを優先。

また、力への執着が高くなると無謀な行動を取ったり、必要以上に敵をひねりつぶしたり、人格そのものが変化します。

数値に連動して性格が歪んでいって、生死と葛藤する過程が良いのよ…

(変態)

ゲームブックらしいロールプレイ要素に重点が置かれており、選択肢次第で異なる顛末を迎えられるようデザインされています。

感慨深いシーンも……

「いのちのつかいかた」に正解はなく、バッドエンドもグッドエンドも存在しません。結末はプレイヤー自身の判断に委ねられ、タイトルどおりの遊び方を楽しめるといえるでしょう。

こうゆう
こうゆう

一つ注意点があります。

今作はまだ完成していません。

執筆時にて(2023年3月時点)

”第3章までのアーリーアクセス”となっています。

(これからどうなるの??って所でストップ)

しかし、開発者の「だらねこ」さんは定期的にアプデ進捗を更新しており、きっと最後まで走り抜けてくれると期待しています!

ゆっくりでいいので頑張ってくださ~~い!

steamストアより抜粋 リリース予定は9月らしいです

ゲームバランスを配慮した成長要素

「いのちのつかいかた」と一般的なテーブルトークRPGの決定的な違いは、豊富な強化要素によって戦闘バランスを調整している点です。

今作で用意された主人公の成長要素は、大きく3つに分類されます。

3つの成長要素
  • 経験値→レベルアップでステータスアップ
  • 呪力強化→ポイント消費で特定のパラメータを強化
  • SP(スキルポイント)→スキル獲得に必要
レベルアップすると全体的にステータスが向上する
呪力強化で任意のパラメータに特化することも可能
スキルを割り振ってキャラクターの個性を尖らせることも

端的にいうと、キャラクターを強化しやすいのです。

こうゆう
こうゆう

パラメータを物理系に振って脳金ゴリラにすると、力技でイベントを解決できる物理アタッカーに。

インテリイケメンウサギに育成すれば、会話で戦闘を避けつつ魔法で敵を焼き払うことも可能。

パラメータの恩恵が戦闘に反映されるので、育てれば育てるほど戦闘がしっかり有利になる塩梅がステキなんです…

(当方、脳金ウサギでクリア)

成長要素を増やす利点は、成長の底上げだけではありません。

イベントの成功報酬として強化ポイントのいずれかを受け取れるため、戦闘以外での成長が可能です。

戦闘を回避しても経験値がもらえる
こうゆう
こうゆう

ここが地味に重要なんですよ…

経験値だけでキャラクターが成長する場合、戦闘回数によって他キャラとのバランスも崩れがちに。

今作はイベント成功によって強化ポイントを付与することで、戦闘狂として育成しなくて充分に強化できるのです!

自分が知らないだけで、他作品じゃ当たり前なのかもしれませんが、丁寧なバランス調整だなぁ~と感じました。

例えば、今作は「命への執着」の増加によって戦闘回避数が増え、同時に経験値獲得チャンスも減少します。

しかし、イベントの成功報酬として経験値や呪力を付与することで、戦闘回数を抑えつつ適切な難易度のロールプレイを楽しめるのです。

こうゆう
こうゆう

経験値のほかに「呪力」という成長要素もあるので、低レベルでも○○特化型の育成が可能に。

まぁ、難しいことは抜きにして、強化回数が多くて楽しいです(笑)

Lets’脳金プレイ♪

一緒に鍵穴をぶっ壊そう(笑)

面白そうなことに挑戦する意欲が感じられるゲームブック風RPG

「いのちのつかいかた」は戦闘バランスを考え、丁寧に作られたゲームブック風RPGです。

いのちのつかいかた まとめ
  • テーブルトークRPGの運要素をQTEでカバーできる
  • 「執着度」によってルート分岐やイベントが変動する
  • 戦闘を避けてもイベントから強化ポイントがもらえる

テーブルトークRPGの良さを踏まえつつ、アクション要素によってプレイングの幅を広げています。

選択肢によって極端な弱体化を食らわないよう配慮しつつ、様々なロールプレイを楽しんで欲しい想いが伝わってきました。

反射神経に自信のある人は強引なプレイも可能など、アナログとデジタルが調和してる部分も魅力的です。

テーブルトーク風のゲームが好きな人はもちろんのこと、ゲームブックのような温かみを感じたい方は遊んでみて下さい。

こうゆう
こうゆう

イベント管理が難しそうだけど、ゲームに入れたら面白くなるかも…

「いのちのつかいかた」は、わたしのそんな想いを具現化してくれた作品です。

戦闘力に差が出ないよう気を配ったり、QTEのゴリ押しが可能だったり、テーブルトークRPGの弱点を補う工夫を随所に感じます。

ゲーム開発の知識がない人間の率直な感想ですが、とことん真面目に開発しているんだろうなぁ~と思いました。

執筆時点の2023年3月では未完成ですが、今後も開発者の「だらねこ」さんを応援したいと思います。

完成品を遊びたい方はウィッシュリスト待機でも良いですし、現状を遊びたい方は購入しても良いと思います(未完成だけど充分楽しいです)

もしできればなんですが、プレイして楽しかった人は、今作のストアページにレビューとか、Twitterで開発者さんに応援メッセージとか送ってもらえたら嬉しいです。

だらねこさんのTwitter

最新情報をチェックしよう!