病は気から。そんな言葉がある。体調が悪いから気分が落ちるのか、気分が落ちているから体調が悪いのか。嘔吐するわけでも発熱しているわけでもない。
今回紹介する『気のせいだ』は、「なんだかわからないけど体調が変だ」という違和感から始まる。ゆるっとした可愛らしいタッチのキャラと、シンプルな操作。そして少し考えさせられるような魅力があった。
「理解してもらえないつらさ」と、「理解してもらえる喜び」を、このフリーゲームから感じてほしい。
『難病診断シミュレーター』とは

今回紹介する『気のせいだ』というゲームは、『難病診断シミュレーター』だ。
「これはあくまでゲームであり、医師あるいは他の有資格のヘルスケア専門家によるアドバイスの代用にはなりません。ゲームとしてもあまり楽しくありません。」と、冒頭からなかなか気になる一言が。
主人公は慢性的な痛みを抱えつつ『痛み・気力・お金』を管理し、痛みの原因がわかるその時までを過ごす。
あなたが管理するのは
『痛み・気力・お金』

プレイヤーは『痛み・気力・お金』を管理しながら、主人公を通院させる。
仕事をすると『痛み』が増え『気力』が減り『お金』が貰える。でも気力が減りすぎると、病院に行くことすら出来ない。もちろんお金が足りないと病院にも行けない。そうか、シミュレーターってそういうリアルさがあるんだった…と改めて実感した。
平日は仕事や休憩を挟みつつ、土日に病院か遊びに行くかを決める流れ。『ちょっと休む』を選べば痛みは減り、気力は上がる。ずっと休ませてあげたい…。
たくさんのヤブ医者たち

▲医者がそんなこと言うな!
『慢性的な痛み』には色々な種類があると思う。私がぱっと思い浮かぶ身近なものは、頭痛や肩こり、腰痛などだったが、今作の主人公はどうやら腕が痛いらしい。しかし医者を変えてみても原因はわからず、もやっとした気持ちを抱えて帰宅する。
『ヤブ医者』と表現したが、きっと彼らは彼らなりにきちんと診察する気なんだと思う。多分。しかし医者は患者に対して「気のせいだよ」なんて言っちゃいけないんじゃないか?もう少し別の言い方があるんじゃないか?モヤモヤ……ムカムカ……。
私たちは素人だから、医者に従うしかない

スマホで症状を検索すれば、「あなたは〇〇という病気かも?!」なんて手軽に、不安定な情報が手に入る時代。とはいえ、病院に行ってきちんと診断をもらうのが良い。普段の食生活をどう気をつければ良いのか、もしかしたら無意識下でなにか悪い癖がついているかもしれない。だから病院でお医者さんに相談するのが一番だと私は思う。
でも、お医者さんが適当な対応をしてきたら…どうしたらいいんだろうか。何もわからないまま、ただ痛みが悪化していって、絶望的な気持ちになると思う。
主人公が「どうせ行っても無駄だ…」「本当に気のせいなのかも…」となる気持ちもわかる。
ハッピーエンド!でもちょっとしょんぼり

クリア後のコンテンツとして『作者からのメッセージ』を見ることが出来る。「まだこのゲームは終わってないんだ!」という嬉しさにうきうきしながら読んでみると、そこには少ししょんぼりしてしまう内容が書かれていた。それを読んだあなたに何かが伝わっていたら、意味のある素敵な経験になるだろう。
難病でないにしろ、「何故かしばらく身体がしんどい」とか「何故か酷い頭痛が続いている」みたいな経験がある人は、結構いるんじゃないかと思う。そんな人に、「あなたは悪くないよ」と伝えたい。
うわぁ体調悪い、絶対熱あるわ、と思って熱を計った時は大体平熱。『気のせいだ』。
〈詳細情報〉
ゲーム名 | 気のせいだ |
ジャンル | 難病診断シミュレーター |
ストア価格 | 無料 |
リリース日 | 2024年11月6日 |