クリアしたゲームの余韻に浸りながらキャッチーなレビューをお届けする『クリアの後で。』
記念すべき第10回は、様々な名作にインスパイアされたRPG『LunarLux(ルナ―ラックス)』です!
概要:短編ながらもマップ探索が楽しい王道ストーリー
大まかなストーリーは主人公のベラを操作し、衛星ルナーに訪れる謎のモンスター「マーク」の脅威に立ち向かうというもの。
主人公の挫折と成長、仲間との絆、分かりやすい悪役など、まさに王道RPGといった印象。
メインストーリーは短めで、そこまでやりこまなければ10時間程度でクリアできます。
宇宙ステーションや人が住まなくなり廃墟と化した惑星など、様々なロケーションがあるのも魅力。また、街中にアイテムが隠されていたり、多くのオブジェクトに説明があったりと、探索の楽しさも十分です。
バトル概要:ロックマンエグゼ×アンダーテイルのような戦闘
バトルは通常のターン制RPGとは少し異なり、攻撃・防御で2パターンの操作に分類されます。
攻撃システムは2種類のスキルで構築されており、それぞれの特徴は次のとおりです。
<アクティブスキル>
- ダメージや状態異常を付与する
- 適切なタイミングでボタンを押すと威力アップ
<サポートスキル>
- HP回復やアクティブスキルの火力引き上げ
- 事前に設定したスキルからランダムで1つが選択
上記2種類のスキルをうまく組み合わせ、臨機応変に使うことが今作の醍醐味です。続いて、防御システムについても軽く説明します。
防御時はキャラクターを直接操作して、敵の攻撃を避けるアクションパートに変化。敵キャラによって複数の攻撃パターンが用意されており、タイプに合わせて攻撃を回避します。
- 最大3×3のエリア内を動きまわって避ける
- 囲われたエリア内に飛んでくる弾幕を避ける
- 左右からの攻撃をリズムゲームの要領で避ける
避けられない攻撃はシールドで防御しますが、回数制限があるので計画的に使う必要あり。
スキルシステム:組み合わせ次第でヌルゲー化するが楽しい
今作は獲得したスキルでデッキ構築を行い、カードバトルのように戦える『スキルシステム』を採用。使えるスキルは徐々に増えるため、その都度デッキを改良していくのが悩ましくも楽しいところ。
上手くスキルが噛み合い、大ダメージが出た時は爽快感抜群です。
ただ、攻撃の無効化や手軽に大ダメージを出せる一部スキルのせいで、その他スキルの価値が下がっている印象。
しかし、スキルの組み合わせで無双できるのも面白さの1つだと思うので、楽しめるバランス崩壊という感じでした。
BGM:テンションの上がるBGMだが使い方に疑問も
BGMは非常に迫力があり、耳に心地よく残るサウンドでゲームを盛り上げてくれます。
ただ、盛り上がる部分で良いBGMが流れてもぶつ切りになっていたり、流れる時間が短かったりと、個人的に使い方がもったいないなぁと感じました。
オクトパストラベラーのようにイベントパートのBGMが切り替わらず、そのまま戦闘に突入するような演出があれば没入感も増したと思います。
総評:粗い所はあれども次回作に期待したくなる良作
本作は短いながらも「自分達の作りたいものを作るんだ!」というクリエイターの熱い気持ちが感じられる作品です。
先述したとおり少し粗い点もありますが、それを補って余りある面白さがありました。
次作を暗示させるようなラストだったので、さらに進化したベラ達の冒険に期待したいです。