【クリアの後で。】スリリングなパリィが癖になるタオパンク剣戟アクション『九日ナインソールレビュー』

クリアしたゲームの余韻に浸りながらキャッチーなレビューをお届けする『クリアの後で。』

第25回はゲームオブザイヤーを獲得した名作『SEKIRO』の2D版との呼び声高い『九日ナインソール』です!

はじめに:死にゲーとは?

▲基本死にゲーは難易度変更できないのでストーリモードがあるのは珍しい

本作はいわゆる『死にゲー』と呼ばれる分類に属したゲームです。ボスの一撃で体力が半分減るのに、こちらの攻撃では雀の涙くらいしかダメージを与えられないこともしばしば。

こう聞くと「それの何が楽しいの?」と思う方もいるかもしれません。しかし『練度を上げて理不尽だと思われるほどの敵に勝つ』ことこそが死にゲーの醍醐味なのです。

練度を上げるためには何度も『死んでリトライ』を繰り返して攻撃パターンを覚える必要があるため、死にゲーと呼ばれています。

このジャンルはある程度適性がないと楽しめないことが多いのですが、本作は難易度設定を下げることで世界観だけを楽しむプレイも可能です。

fis
根気があって観察が得意な人には特にオススメできます

戦闘アクション:弾きに始まり弾きに終わる

▲一応回避行動もあるがやはり弾きが一番重要

今作の戦闘は剣での通常攻撃のほか、敵の攻撃を弾いて貯める『気力』を使用した『呪符攻撃』で敵を撃破していきます。

また『内傷』と呼ばれる仮ダメージを導入している点も特徴です。

  • 完璧なタイミングで弾けないと内傷が発生
  • こちらの内傷は時間経過か完璧なタイミングの弾きで回復
  • 完璧なタイミングの弾きは敵に内傷を与えられる

敵の攻撃を弾いて内傷を蓄積させて、呪符でダメージに変える動作が楽しいうえに非常にカッコ良いです。

最初は通常の弾きのみですが『溜め弾き』や『ジャンプ弾き』なども登場して戦闘はより奥深いものに。

サブウエポンの弓は回数こそ少ないものの『ダメージを与えつつ敵の行動を止める』効果があり、ここ一番で頼りになります。

fis
完璧な弾きの時の『パァン!』という音が癖になります

ボス戦:何度でも挑戦したくなるほどの楽しさ

▲パターンを完璧に把握して無傷で倒せると脳汁ドバドバ

ボスはザコ敵に比べ攻撃パターンが豊富で、弾きをうまく決めなければあっという間に負けてしまいます。

筆者はSEKIROを一応クリアしているため比較してみると、3Dで奥行きのあるSEKIROと比較して今作は2Dの平面上での動きとなるため、敵の攻撃パターンを見分けやすく好印象でした。

死にゲーではよくある『意味不明な死』も少なく、死んでも納得感があり「次はこうしよう」という学びになります。

パターンを冷静に分析し、どの攻撃を弾くべきか、どこで避けるべきか、どこで攻撃すべきかを考えるのがとても楽しかったです。

何度も立ち向かいボスに勝った時は毎回ラスボスを倒したような達成感も。ただ、リトライ地点からボスまで時間がかかる場面は少し煩わしく感じました。

fis
アップデートで待望のボスラッシュモードが搭載されました

カスタマイズ:スキルツリーと玉石で自分好みのスタイルに

▲弾きを補助する玉石で弾き特化などのビルドも可能

本作では冒険を進めることで得られるポイントを使う『スキルツリー』と、宝箱や購入で増える『玉石』という2つのカスタマイズ要素があります。

【スキルツリー】
ポイントを割り振ってスキル取得や能力上昇に使用

【玉石】
スロットに入れることで様々な効果を発揮し、状況に応じて入れ替えが可能。

攻撃を弾きやすくしたり、回復の速度を高めることで戦闘を有利に進められるほか、お金の入手額を増やしたりと効果は多種多様です。

ただ、強化やカスタマイズはあくまで『補助的要素』であり、結局は自分のプレイスキルを向上させないことには強敵には勝てないバランスとなっています。

fis
金策用など付け替えることが多いのでセットを記憶出来るようにしてほしかったです

世界観:色鮮やかなタオパンクの世界

▲割と残酷な物語なので拠点での安らぎが良い癒しになっている

本作は『タオパンク』という世界観のゲームなのですが、そもそもタオパンクとはなんなのでしょうか?

ここで言うタオとは『道教』のことで中国三大宗教の1つだそうです。中華圏の宗教的な文化とサイバーパンクを合わせて『タオパンク』という世界観が出来上がっています。

アートワークは東洋の伝統的な建物とサイバーパンク的なメカ要素が融合しており、まさに唯一無二。古風な中華建築やコンテナが流れる工場などロケーションも豊富で見ていて飽きません。

拠点は景色を自由に変更可能でソファに座ってゆったり過ごしたり、個性豊かな仲間と会話を楽しめます。

fis
コレクションアイテムを持って帰ると拠点に飾られるのもポイント高いです

総評:死にゲーの概念を変えてくれた名作

私はSEKIROをクリアしたとき、ラスボスを倒すのに10時間かかりました。

その時は倒せた嬉しさより「やっと終わった」という気持ちの方が強く、正直言ってあまり楽しい思い出ではありませんでした。

ですが本作はボスの行動が把握しやすく、最後までボス戦を楽しめました。死にゲーはいくつかクリアしましたが、初めて「最初から最後まで楽しかった」と思えた作品です。

もし死にゲーやってみたいけど敬遠していた方、もしかしたらこの作品で克服できるかもしれませんね。(保証はしませんが…)

最新情報をチェックしよう!