オブローヴァという街で起こった、とある殺人事件。
本作の目的は、容疑者から「事件の真相を解明してほしい」と依頼を受けた探偵となり、占い師とともに証言や状況証拠の裏を読み解いて容疑を晴らすこと。
探偵ドラマの1場面を切り取ったようなビジュアルや、タロットカードに見立てた証拠を裏返したり並べ替えたりするインタラクティブな操作が印象的でした。
本作はUnity1週間ゲームジャムの「お題:うら」をきっかけに制作された作品で、プレイ時間は約10分とコンパクトながら、しっかりまとまりのある体験に仕上がっています。
unityroomで無料公開されており、ブラウザはもちろんスマートフォンからでもプレイ可能。ちょっとした隙間時間にサクッと遊べる間口の広さも魅力です。

ゲームを開始すると、さっそくサスペンダー×ケモお兄さん(一定層にブッ刺さる強ビジュの占い師)が登場。彼からこの街で起きた殺人事件の概要や、被疑者と容疑者の関係性、そして探偵であるプレイヤーに調査依頼が届いていることなどが手短に語られます。
プレイ時間が短い作品でストーリー性をもたせるのは難しいものですが、本作は冗長な前提説明を省き、すぐに「事件解明パート」へ入る構成にすることで、約10分という尺の中に探偵劇をしっかり収めています。

推理パートでは、ケモ占い師によって事件の証拠や証言がカードとして提示されます。
カードの表には警察の解釈、裏面には「別の解釈」が書かれており、それらを組み合わせることで徐々に真相へと近づいていきます。

推理はチャプター1~3の3段階構成。チャプター1ではカードの表裏を切り替えて精査し、チャプター2ではカードを並べ替えて時系列を整理。そしてチャプター3では、それまでに導いた解釈を正しく並べ替えることで、事件の全体像を明らかにしていきます。
やること自体はシンプルで、カードの表裏を選びながら辻褄が合うように並び替えるだけ。間違えた際にもらえる占い師からのヒントも、作中の雰囲気を損なわない含みのある言い回しで、簡単には正解へ辿り着けない絶妙な距離感が印象的でした。
解決後に明かされる真相も、短いながらしっかりと余韻を残します。ネタバレになってしまうので詳細は伏せますが、このコンパクトなプレイ時間を「物足りなさ」ではなく「もっとこの2人の推理劇を見てみたくなる終わり方」として成立させているのは見事でした。

超短編のADVでありながら、「書きたいところだけを書いた」ような自己満足感がなく、ちゃんとストーリーとして機能しているところが、個人的に感銘を受けたポイントです。
あえて気になる点を挙げるとするならば、このケモ占い師と探偵の推理ドラマを、もっと観たかったな……というところでしょうか。
ケモ占い師の名前も、プレイヤーである探偵の素性も語られないため、かえって想像が膨らみますね……。
そういった余白も含めて楽しめる一作でした。
〈詳細情報〉
| ゲーム名 | オブローヴァの占い師 |
| ジャンル | 短編推理ADV |
| ストア価格 | 無料 |
| リリース日 | 2026/03/28 |
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