「ヴァンサバに牧場系の要素を入れたら面白そう!」と鼻歌を歌うかの如くゲームアイデアを妄想していたある日のこと。
steamを漁っていたら偶然にも完成品を見つけてしまいました。作る必要なんてなかった。
〈Twitterポストの動画〉
作物育てながらカエルでヴァンサバしてWUMBO!するゲーム。これスゴイっす。経験値orスキルを獲得できる種を購入して水を撒きながら農作&回収。手が回らないので補助ペットもいる。釣りや採掘もできて経験値やお金が獲得可能。レベルアップの恩恵がデカくてビルド幅も広い。奇抜なのに完成度鬼高い。 pic.twitter.com/TSogLnxJXs
— 『HARF-WAY』の中の人 (@harf_way) July 15, 2024
種を買って水を撒いて育てつつ、収穫しながら戦う一騎当千アクション。しかもカエルが主人公。修学旅行で財布に入れる謎の金運蛙を爆買いして家族と親戚に配っていた自分にとってはドンピシャでした。
アイデアだけじゃなくてゲームバランスも特徴的で面白かったので、具体的にどんなゲームだったのか紹介します。虫が嫌いじゃなきゃオススメです。
〈詳細情報〉
ゲーム名 | 生きて、カエル君! |
ジャンル | 一騎当千アクション |
ストア価格 | 750円 |
リリース日 | 2024年3月18日 |
牧場ライフ×ヴァンサバ×蛙

最大の特徴は農作で自分を強化する点。店でタネを買ってきてこまめに水を与え、時間経過で収穫することでスキルがようやく手に入る。敵を倒して強くなる通例を思いっきり無視してて最高。
その他にも魚釣りでレベリングしたり、鉱石をツルハシで叩いて金策するなど、敵がうじゃうじゃ出てくる一騎当千系の作品では珍しいシステムといえるでしょう。これがまた忙しくて面白い。

農作中にも容赦なく敵が襲ってくるので、くるくる動いて敵の群れをいなしつつ種植えや水まきを行う必要がある。倒すよりも逃げる時間が圧倒的に長いので、他作品と似ているようでちょっと違う感じ。
収穫のタイミングで一気に経験値が入って、形勢逆転するゲームバランスも面白い。スキル強化量が高めに設定されており、1段階強くなるだけなのにぶっ壊れ性能になることも珍しくない。

我慢が長いからこそ生まれる緊張感は今作ならではの体験だと思うし、合間に釣りや採鉱を挟むことでバランスを取っているのも面白い。アイデア勝負なのにストレスを抑える調整力の光る作品です。
種まき、水やり、自動処理

まず最初に種の購入からスタート。敵を倒してお金を集め、アリが経営するショップに突撃して大枚はたいて買い漁る。敵の強化幅に追い付くためにも、買えるだけ買ってモリモリ育てるのがベストです。
ショップの真下にある畑に移動すると、所持している種が自動的に蒔かれます。アイテム画面を開いて種類を決定して…みたいなもどかしさはないので心配無用です。やることはシンプル。

種を植えたらショップの真横にある水くみ場から水をストックし、畑に持ち帰ってばら撒きます。種まきと同様に水やりは自動で処理されるため、カエルを動かしているだけで良いので楽です。
とはいえ、一匹で作物の世話をしながら画面を埋め尽くす敵と対峙するのは至難の業。畑の周りを囲まれてフルぼっこされることも日常茶飯事なので、無策で立ち向かってもジリ貧になるのは確実。

ここで登場するのがペットです。中ボス撃破もしくは店売りアイテムとして獲得可能となっており、農作の一部を手伝って自動化してくれます。この辺が抜かりなくて良いですね。
例えば、ぞうさんは勝手に水をばらまいてくれますし、わんちゃんはお金を集めてくれます。これがまたチョー便利で作業効率もグンッと上がるので上手いこと組み込んだなと思いました。
リソース確保が何よりも重要

「なんか難しそうだな」と思うかもしれませんが、やることはシンプルなので意外と何とかなります。ただ操作が忙しい。常にリソースを回収しないと枯渇するので、避けるだけだとクリアできません。
なんというか成長カーブが違うイメージです。収穫と同時にドババと経験値を獲得できるため、やることやれば強くなるし、サボったらその分のツケを払わなければなりません。

ノックバックで敵を退けて時間を稼ぎ、農作を効率化して環境を整えるのが最優先。尻上がりに強くなって最大火力でぶっ潰す形なので、火力ばかり追いかけると後半はジリ貧になります。
成長と戦闘を切り分けているのが面白くて、農作やら釣りに強化成分を割り振ってメリハリを付けているのが良いですよね。一見すると歪にも思えますが、強化幅が広くてゲームバランスも良い塩梅。

今作はレベル上げに手間が掛かる代わりに「攻撃速度UP,ダメージアップ,クールダウン減少,投射物増加」といった複数の強化が一度にもらえます。手取りは低いけどボーナスが多い会社みたいな感じ。
農作に注目しがちですが、ざっくりいえば面倒だけどめっちゃ強くなれるヴァンサバです。面倒だけど見返りが大きいのでストレスも起きない。大味な部分もあるおかげで遊びやすさが担保されています。
収穫するほど強くなるユニークなカエルも登場

永続強化も用意されており、周回プレイによって自機が強くなるのも魅力。農作に関する能力も育つので、RPGっぽく育てるシステムとも相性が良さげ。こういう変化を与える仕組みは大正解だなと思う。
また特定の実績を満たすと新しいカエルがアンロック。攻撃方法などの技構成が変わるというよりも、特性がガラッと変わって遊び方にメリハリが生まれるので各自の強みが上手く発揮されています。



釣りや採鉱が得意なカエルなど、戦闘以外の部分で優遇されるキャラも多め。牧場系システムの導入でキャラの差別化に繋がっていて、なおかつゲームとしての膨らみもあって一石二鳥です。
例えば、農作するたびに攻撃範囲が増加する『豆カエル』や、採鉱するたびに火力がアップする『炭夫カエル』など特定のリソースを回収することで強化されるキャラが存在します。

ステータスが純粋強化される訳ではないので、立ち回りを工夫して火力を担保する形を採用。自分のプレイスタイルによって強いカエルが異なるため、システムと上手く絡めているのが印象的でした。
総評:奇抜なアイディアとは裏腹に実は普通に面白い

レベル上げは面倒ですが強化幅を広げることでゲームとしてのバランスも良く、予想よりも凝った作りで面白かったです。ただカエルや虫を題材にしているので、苦手な人はとことん無理かも知れません。
「変わり種を遊びたいけどそこまで変なゲームはちょっと…」と考えている人にはドンピシャの作品だと思います。いつの間にか日本語対応していたので、何かの縁だと思って遊んでみてください。
〈詳細情報〉
ゲーム名 | 生きて、カエル君! |
ジャンル | 一騎当千アクション |
ストア価格 | 750円 |
リリース日 | 2024年3月18日 |