可愛いだけじゃ物足りない。そんな方にはこの『Purrfect Apawcalypse:Love at Furst Bite』をお勧めしたい。アニメ調のゴア表現が激しいこの選択式ADVは、可愛らしい見た目と裏腹に身体が真っ二つになったり引き裂かれたりする。
『※ショッキングな映像が流れます。心臓の弱い方は閲覧を控えてください。』という程でもないが、狂気的な世界であることは間違いない。
ちょっとお花畑な主人公と、個性豊かな友人たち。終末世界でありながらも、クレヨンで描かれたような可愛いタッチで表現される死体。本記事ではPurrfect Apawcalypseシリーズの1作目Love at Furst Biteの『かわいそかわいい』をお届けしたい。
「どうせ死ぬならかけがえのない相手と一緒に…」
今作はイヌの主人公『オリーブ』が、校内で起きた虐殺事件に怯え、クローゼットに隠れているところから始まる。「どうせ死ぬならかけがえのない相手と一緒に…」と、死体まみれの校内で生き残りを探すことになるが、このクローゼットから出ない選択も可能だ。
そういった分岐に対しセーブ＆ロードが気軽に出来るため、唐突なバッドエンドに備えられるのも嬉しい。分岐を回収しても2時間程で終わるボリュームで、トゥルーエンドの後も2作目への引きが良く魅力的だった。
血まみれの教室からスタートするが、そもそもどうしてこんなことになっているのかはきちんと語られるので安心してほしい。
ちなみに、オリーブの性別は『ノンバイナリ』にあたる。男の子でも女の子でもどちらでもない。
あなたを飽きさせない多彩な死に方
主人公はもちろん、途中で見つかるお友達もガンガン死んでいく。血まみれのブラッドハウンドという犬種の死体を見て、「まさにブラッド（血）ハウンド、だね…」とジョークをかます主人公。適応が早い。
絵のタッチのおかげかポップでコミカルに見えるが、きっちり引き裂かれたり食べられたり刺されたり…プレイヤーはエンディングまでにたくさんの死に様を見るだろう。『Happy Tree Friends』という懐かしい作品が浮かんだが、あれよりはまだ可愛らしい気がする。
所謂かわいそかわいいに分類されるであろうこのタイプ。知らぬ間に日常へと入り込み、いつの間にか虜になった人も多いのではないだろうか。ち◯かわ的な。
好感度を上げて気になるあの子と最期を共にしよう！
校内で出会う生き残りたちの個性も豊かだ。スポーツマンで真っ直ぐな性格のハスキーに、お菓子が大好きでハツラツとしたコーギー、読書家でどこか陰のあるダルメシアン…その他には魔法使いのネコも出てきたり。「かけがえのない相手と最期を過ごす」ため、好感度を上げたり下げたりしながら校内をウロつく。
好かれたいからとりあえず全肯定しておこう！と肯定的な意見を選択肢から選ぶと、それはそれで急に嫌われたりするのがどこか「ギャルゲー」っぽい。例えばお菓子が大好きなコーギーは「どうせ死ぬんだしさ！」とイヌに有毒なチョコレートを食べに行くことを提案してきたりするが、どうするかはあなた次第。
心に決めた1人の好感度を上げまくるもヨシ、全員に嫌われてみるもヨシ。セーブ＆ロードを使いこなして、この最悪な世界を少しでも良い状態にしよう。
HARF-WAY コマーシャル
絵を一切使わずに文字だけで作られたテキストADV『文字遊戯』。様変わりした世界観が目玉と思いきや物語は思わぬ方向に進み、プレイヤーは言葉に干渉しながら世界を書き換えて真実と向き合うことになる。
完璧な終末を君と過ごしたい
実は今作のタイトルにはダジャレが隠されている。可愛らしいグラフィックだけかと思いきや、言葉遊びをこっそり忍ばせたお茶目な作品ともいえるだろう。
改めてタイトルをきちんと見てみると…
[タイトル]『Purrfect Apawcalypse: Love at Furst Bite』
- 『Perfect(完璧な)』には『Purr(ネコの鳴き声)』
- 『Apocalypse(終末)』には『Paw(動物の足)』
- 『Love at Furst Bite』には『Fur(毛皮)』
物語を少し進めると、ネコによってイヌの大虐殺が行われていた事実が発覚する。「犬派？猫派？」なんてものでは済まない展開にも注目だ。3部作を通して色々な癖が詰まったケモノたちを是非味わってほしい。
私はダルメシアンの彼、パッチーズと終末を過ごす予定です。
〈詳細情報〉
| ゲーム名 | Purrfect Apawcalypse:Love at Furst Bite |
| ジャンル | アドベンチャー |
| ストア価格 | 580円 |
| リリース日 | 2021年2月17日 |
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