精霊から天恵を授かり、敵を殴って壁にぶつける2Dローグライクアクション『Spiritfall』を紹介レビュー

前回に引き続き2Dローグライクアクションのご紹介です。今回ご紹介するのはスピーディーな戦闘と「吹っ飛ばし」要素が特徴の2Dローグライクアクション『Spiritfall』です。

Spiritfall(スピリットフォール)の概要

▲スタート時の画面。主人公「オーメンフォージ」が精霊たちに見守られています

『Spiritfall』は約1年の早期アクセス期間を経て2024年2月末にSteamで正式リリースされた2Dローグライクアクションのゲームです。

Steamのレビューでも複数の方が書いている通り、このゲームを一言で表すなら、「横スクにしたHades×スマブラ」といった感じです。精霊たちから「天恵」という形で3択のパッシブ・アクティブスキルを受け取り、それによってビルドを組んでいきます。

なお、筆者はスマブラをほぼやったことがなく、レビューで比較対象とされている『Hades』はSpiritfallの後にやりました。確かにHadesと大きく似ている部分があったので、Hadesとの比較も交えながら書いていこうと思います。

相手がボスでもお構いなしに吹っ飛ばす!

類似するアクションゲームが乱立するなか、今作の大きな特徴は「吹っ飛ばし」です。Hadesにも敵を吹っ飛ばしたり壁に叩きつける要素はありましたが、このゲームでの吹っ飛ばしは至るところに現れます。

▲ボスであっても当たり前のように吹っ飛ばして壁に叩きつけられる

上記の画像は1面の中ボスですが、これだけ体が大きくても関係なし(笑)。敵はいわゆる「スーパーアーマー」状態になっている場合を除き、攻撃を受けるとひるみます。道中の雑魚敵はもちろん、ボスであっても吹っ飛ばして壁打ちしているだけでハメ殺すことができたりします(もちろんちゃんとヌルゲーにならないようにはなっている)。

アクションゲームの中には状態異常の概念がある割にボスにはほぼ効かず、状態異常の存在意義がほぼないものもあったりしますが、このゲームでは最後の最後まで「自分の技にハメて吹っ飛ばす」といったようなコンセプトが一貫しています。

▲スマブラをたくさんやる人にとっては見覚えしかないステージ

こちらの画像は、1面あたり最大1回だけ出現する「裂け目」と呼ばれるステージの様子です。勝利条件は「敵を場外に吹っ飛ばすこと」で、敵の頭上には何やら吹っ飛ばしやすさを表すパーセンテージが.…..。筆者はスマブラをほぼやったことがないのですが、「多分スマブラなんだろうな」と分かりました(笑)

このステージは他ステージと比較して敵の予備動作が小さく、まるで対人戦をしているような形で差別化されています。そして難しい分だけ報酬も豪華!ローグライクは場合によって同じことの繰り返しでダレることもありますが、このステージはスマブラリスペクトだけでなく良い刺激として機能していると思います。

ローグライクとしても無難に楽しい

さて、このゲームの最大の特徴は「吹っ飛ばす」ことでしたが、ローグライクとしての作り込みもしっかりしており、斬新なところはあまりないものの、オーソドックスに充実した内容になっています。

▲ランの随所で3択報酬がもらえる

まず、精霊からもらえる天恵ですが、画像のように3択になっており、仕組みはHadesとほぼ同じです。基本となる天恵に3段階のレア度があり、一部の天恵は特定の天恵の組み合わせを所持している場合のみ選択可能となっています。

とくに画像の右にある「シナジー」天恵は、異なる2種の精霊から特定の天恵をもらっている場合に出てくる強力な天恵となっています。他にも1種の精霊で解放条件が完結する「神」の天恵があり、これらの天恵を狙ってビルドを組んでいくことになるでしょう。

周回要素も充実しており、パッシブスキルのツリー、武器の強化と解放、その他ランに影響を与える要素(回復エリアの追加など)の解放などがあります。要素が若干多すぎる感も否めませんが、これもHadesリスペクトなのかもしれません。

とはいえ、Hadesとは異なり周回要素がラン途中の「ついでに」手に入るため、わざわざ稼ぎプレイをする必要がありません!

よって各ランではビルド強化に集中し、毎回全力で緊張感のあるプレイができます。Hadesでは何部屋も周回要素に関する報酬が続いたり、時には周回/非周回要素を選択させる場面もあったので、このあたりはランの途中で周回要素を意識させないつくりになっているSpiritfallの方が良いかなと思いました。

アートスタイルはオリジナル

Hadesとの比較ばかり書いてしまいましたが、もちろんオリジナルの部分もあります。ゲーム性についても細かい部分は異なりますが、アートについてはさらに独自性があるといえるでしょう。

まずスクリーンショットで何度も出てきていますが、手書き風のイラストに味があっていいです。精霊たちも動物モチーフなので相性がいいのかもしれません。

また、個人的にいいなと思ったのが音楽です(記事だと伝わらないので聞いてみてほしい!)

偏見かもしれないですが、こういうアクション性重視の難易度高めのゲームではメロディがくっきりしていない雰囲気系の音楽が多い印象があります。それもそれで良いのですが、個人的にはもっと我が強い音楽のほうが好きです。

▲個人的に好きなボス。やたら和風な装いの三人衆で、BGMもまた和風

Spiritfallの音楽はとくにボス戦の曲がやたらエモーショナルで好きです。どのボスも発狂前後や会話の前後で曲が少し変化するのも魅力的。Steamのトレーラーで流れる音楽もとても良いですよ。

▼公式トレーラー▼

▼筆者の好きな曲▼

『Dark Trinity』

『Hidden Rift』

Hadesやスマブラといった有名なゲームからいろいろな要素を取り入れながらも、ちゃんと横スクロールの2Dローグライクアクションという枠に落とし込んでいる作品だといえるでしょう。

高難易度に入る部類だとは思いますが、その中では割と易しい方だと思います。皆さんもぜひ片っ端から敵を放り投げて壁にたたきつけてみてください!

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