始まりました。
第二回目のコーヒーとゲームを考える。
第一回目の記事では自分のコーヒーライフについて書きましたが、
今回はコーヒーについて「知る」ためのアクションを起こす記事です。
最後まで読んでいただけますと幸いです。
さて、実は次回作では主人公をコーヒーを淹れる専門家であるバリスタにしようと思っているのですが、
コーヒーの生豆を我々がよく見かける茶色い豆にする「焙煎士」もゲームの中で登場させようかと思ってます。(バリスタと焙煎士の関係を描くことでコーヒーの世界を描けるんじゃないかと踏んでいるため)
バリスタと焙煎士を描きたいわけですが、両方ともまだまだ全然分からない。
ひとまず今回は焙煎士を描くため、焙煎について調べて書いていこうと思います。
まず焙煎ってコーヒー初心者には難しいんですよ・・・・・
焙煎の度合いを現す言葉として「浅煎り」「中煎り」「深煎り」という言葉があるのですが・・・・・・
「煎り」という漢字が読めない!!!
いまでは読めるのですが、【正解は「いり」です】
コーヒーをはじめたての頃は豆の挽き方度合いを現す「中挽き」と、「中煎り」という言葉が頭の中でごちゃごちゃになり何がなんだか分からなくなるのです。
それと先ほど書いた焙煎の度合いを現す言葉「浅煎り」「中煎り」「深煎り」。これの違いや味の違いもよく分からない。
本などを読んでいると、ステーキの焼き具合で豆の焙煎度合いを例えたりしています。

私の下手くそなペイントで書いた図で申し訳ないのですが、
「浅煎り」がそんなに焼かなかったレア。
「中煎り」がほどほどにに焼いたミディアム。
「深煎り」がめちゃくちゃ焼いたウェルダン
といったところでしょうか。
あと味は、なんとなく浅煎りがそんなに焼かないから甘い印象。深煎りは、焼きすぎて焦げたステーキと同じように苦い印象。
私自身は浅煎りを飲むことが多く、実際に煎り具合で飲み比べたことはありません。それとYoutubeを見てると「ハゼ」なる言葉も焙煎にはあるみたいです。
色々とまあ疑問と分からないこともあるのですが、百閒は一見にしかず。
実は私前々から気になっている焙煎所がございまして・・・・・
今回は、その焙煎所に足を運んでみて実際に色々確かめてみることにしました。


兵庫県西宮市にある夙川にやってきました。
実はこの場所私の前作「Forever Time」の舞台にもなった場所でもあり
涼宮ハルヒでも登場する駅だったりします。

北改札口をぬけてすぐ・・・・・・

じつはもう見えてるんです。



はい!そんなわけで今回まめや総本店の上田さんという方に焙煎のことについて色々とお伺いすることになりました!(非常にありがとうございます!)
実は私このお店が前々から気になっていたのですが、中に入るのは今回が初めて。
入ってすぐ驚きました。
だって生豆がそのままお店に置かれているのです!!


いろんな国の豆が置かれている・・・・・
「なぜ生豆を!?」という話をお伺いしたところ、
「コーヒーの真の味を知ってもらいたい」
というなんともワクワクするような返答を上田さんからいただきました(笑)
そもそもこちらのお店、どうやら30年前からやっているらしく、当時からその場で焙煎してお渡しするスタイルとのこと。
もともと会社員だった上田さんは30代前半の頃に「社会に押しつぶされそう」という理由で脱サラを決意。学生時代にカフェバーで働いていて、オーナーからコーヒーについて色々教えてもらったそうです。
また、元々コーヒーを飲むのが好きで、「いつかオーナーのようにコーヒーのお店をできたらいいよなあ」と思いながら社会人になったとのこと。
そして「社会に押しつぶされそう」とモヤモヤしていたタイミングで知り合いから、今のお店の話が舞い込んだそうで、当時結婚もされていたらしいのですが、反対されるのも分かっていたので相談せずにお店をすることを決意(笑)
最初は全然ダメだったものの、その場で焙煎してコーヒー豆を買ってもらう珍しさが目に留まり、テレビや雑誌の取材などのおかげで30年も続く愛されるお店になったみたいです。

先程の真の味を知ってほしいという話と焙煎の話に戻ります。
真の味をお客様に提供するにはどうするのか。
上田さんの哲学に
「お客様を主役にしたい」という思いがあり
「お客さんがこのコーヒー豆にどんな味を求めるか」を聞いてあげて
コーヒー豆を焙煎してあげるみたいです。
通常は豆にあった焙煎をお店側がして、焙煎した豆をお客様に提供するのが一般的です。ただ上田さんは「それはお店側に買わされてる」とおっしゃっており、そうではなくお客様がどんなコーヒーが好きかというのを一度聞いてみる。(苦いのが好きとか、酸味があるのが好きとか)
そしてそこから生まれる会話の『言葉の裏』をも読み取って、お客さんに最適の焙煎をしてあげて、コーヒー本来の苦みや酸味を味わってもらう。そうやって会話を含めた焙煎をすることで、お客さんが主役の「コーヒーを買う」本当の体験が生まれるみたいです。
ただやはりここで私が説明してもちょっと分かりにくいと思うので
ここは私が実際に豆を購入して焙煎してもらったまめや総本店での体験を書いていこうと思います。
まず豆を選ぶところからはじまります。


反射で少し文字が読みづらくて申し訳ない・・・・・
パプアニューギニアの豆は初めて見たし、コロンビアの豆とかも結構好きだから気になります・・・・・

一番左側に私がコーヒーにはまったきっかけでもあるエチオピアの豆がありました。
コロンビアかエチオピアかで悩んでたところ
「エチオピアのモカ・イルガチェフはハマったら抜けれませんよ」
と教えてくださり、せっかくなのでモカ・イルガチェフにしました。

ハマったら抜けれなくなるエチオピアのモカ・イルガテェフ・・・・・

フルーティな香りが特徴と記載がありましたが、この段階では特に香りはしません。
(お米で言ったら生米みたいなものとおっしゃってました)
そして次に豆が決まったら、焙煎をどうするかです。
お店の中に焙煎について詳しく書いてあるグラフ表のようなものがありました。


最初に私の書いていた下手くそなペイント図と見比べるとやはり、焙煎時間が長い深煎りだと苦みがぐーーーーーんと上がっていくみたいです。
グラフをみて「面白い」とおもったのは、実はカフェインの量も焙煎の仕方によって変わってくるということ。深煎りの方が苦みがあるから、カフェインも多そうなイメージですがそういうわけではないようです。
「寝る前にコーヒー飲むなら深煎りのコーヒーの方が良いんですかねえ???」
と私が聞くと
「カフェインを気にされるならその方が良いですね。けどコーヒーのカフェインって2時間ぐらいでぬけますよ」と教えてくれました(笑)
みなさん寝る前は深煎りのコーヒーか、寝る2時間前に飲むと良いかもしれません。
そして、私個人的に甘みと香りをコーヒーに求めることにハマっていまして、そのことを上田さんに伝えたところ、
「甘みはどちらかというとコーヒーから生まれるものじゃなくて、人間の口の中で酸味を感じとって生まれるもの」ということを教えてくださり、酸味と香りがちょうど良いミディアムローストの普通煎りで焙煎してもらうことになりました。
さあ、豆が決まったら・・・・・・

いよいよお待ちかねの焙煎タイムです!!!

蒸気機関車の走っているような回転音を鳴らしながら高速で回転している焙煎機。
こちらの機械のドラムの中で、200℃ぐらいで焙煎されていくみたいです。

少し焙煎した生豆を上田さんがわざわざ見せてくれました。
ナッツのようなクリーム色になっててとても綺麗です。
先程のペイント図にも書いたハゼについて上田さんにお伺いしたところ、
「1ハゼ、2ハゼがあり、1ハゼが終わるとミディアムロースト(普通煎り)。
2ハゼから違う音になります。」
ハゼって一体どんな音なんや・・・・・と待っていたところ
『パチパチパチ』という音が鳴ってきました!
雨が降ってきたかのように激しいパチパチ音が鳴り続けております。
「このハゼる音も豆によって違うんですよ。
今回焙煎してるモカイルガチェフは激しく鳴るタイプ」
モカイルガチェフは豆が小さいのに、膨張率が高い分破裂音が大きいみたいです。
他の豆によっても音が変わるのも興味深いです。
「2ハゼはピチピチピチ!という音が鳴ります。2ハゼまで行きますか?」
2ハゼまでいっちゃうと、フレンチローストやイタリアンローストの深煎りになっちゃうんで、今回は私としても上田さんのいうコーヒーの真の味を確かめたいので1ハゼまでにしてもらいました。

ハゼととともにシナモンロースト(浅煎り)ぐらいになった豆も上田さんが観してくれました
「こういう焙煎をその場でしてもらえる体験はなかなか味わえないので見ていてすごい楽しいです。」と上田さんに伝えたところ
「やってる本人もっと楽しいんですよ」
「飽きないですか?(笑)」
「30年間毎日楽しい(笑)」
何が楽しいのかもっと踏み込んで聞いてみたところ
「色が変わっていくのも楽しいし、さっき言った豆によって音が変わっていくのも楽しい(笑)」
「今日もこの音鳴らしているなあと(笑)」

楽しそうに焙煎する上田さん
そしてハゼが始まってから、匂いもとても良いコーヒーの香りが漂ってきました。
こちらの香りもやはり豆によって違うみたいです。
色んなコーヒーの香りを嗅ぎながら仕事できるとなるとそりゃ楽しいよな。とおもいながら焙煎タイムを私も楽しんでました。
楽しい焙煎タイムが終わってしまうわけですが、
「火を止めるのも勇気がいるんですよ」とおっしゃっていました。
これもとても奥が深い。
どうやら豆の色だけで判断すると、焙煎を間違えることもあるらしくて(豆の種類によって同じ煎り方でも色が違うから)匂いや音にも神経を使いながら焙煎をしていくことで綺麗に焙煎ができるみたいです。その自分の判断を信じて火を止めるのに勇気がいるとのこと。

私がオーダーしたモカイルガチェフのミディアムロースト(普通煎り)の豆
焙煎した豆はすぐに冷却して、欠点豆を取り除いた後に袋に詰めてもらって完成!
時間にして15分ほどかかったのですが、自分だけのために焙煎してもらったとなると
いつも以上に「コーヒー買ったな」という気持ちと「自分が主役」という体験ができました!
味は残念ながら今はその場でコーヒーを淹れるサービスを今はやっていないみたいなので、
(どうやら先程書いた焙煎に神経を使う作業が年とともに年々大変になってるみたいで、コーヒーを淹れるサービスをやめちゃったそう)家に帰って真の味がどんななのかを確かめたいと思います。
最後にゲームを作るうえで、焙煎士というキャラクターを描かないといけないので
「焙煎士はどんな人が多いでしょうか?」
という質問を投げかけてみたところ
「いろんな人に聞いたわけじゃないからあれですけど。でもまあ。通常の神経持ってるやつはやらへんと思う」
「ああ~(笑)」
「ちょっと変わった方向、正面から見んのが嫌で、斜めから見たがるやつ。」
「違う角度から味を追求しよう!みたいなことですか?」
「そう。じゃないと、豆によってや煎り方によって味が変わるというのを、正面から見てる人だったらもう固定してしまうと思います。」
斜めから見る。
とても面白い回答が返ってきました。
日々他では味わえない味を追求する焙煎士ならではの受け答えだと思ったし、私もどちらかというと斜めから見てインディーゲームを作ってる人間なので非常に共感する部分がありました。(HARF-WAYを観てる人も斜めから何かを観たい人が多いんじゃないでしょうか?)
上田さんは斜めからみることに関してこんなこともおっしゃってました。
「逆に言うと、斜めからしか見れない。正面から見れない。」
「私もそうですけど、自分は斜めから見てると思ってない。正面から見てると思ってる。」
凄く哲学的だ・・・・・・
最初に上田さんは「社会におしつぶされそう」という危機感から脱サラしてお店を立ち上げた話をしていましたが、これはもしかしたら斜めから社会をみていたからかもしれません。
けれど斜めからみれたからこそ、焙煎士として30年間お店を続けてこれたのだと私は思いました。
「斜めから見る」これは焙煎士というキャラクターを作るうえで大きなヒントになりそうです。
とても実りある取材を終え、家に帰ったその夜。さっそく上田さんに焙煎してもらったコーヒー豆を使ってコーヒーを淹れてみました。

飲んでみて本当に衝撃だったのが、「めちゃくちゃ甘い!!」
砂糖もミルクも入れてないのに、なんでこんなに甘いんだ!?と衝撃を受けて思わず
一人で笑っちゃいました(笑)これがコーヒーの真の味か~~!!
会話の中で私がコーヒーの甘味について関心を寄せて話を聞いていたり、「香りと甘みを出すことにハマっている」という私の言葉の裏を読み取って、きっとここまで酸味を出した甘みのあるコーヒーに仕上げてくれたのだと思います。(香りも素晴らしかったです!)
味も本当に美味しかったですし、私はまめや総本店さんにすっかり心を掴まれました。
おしまい


〈食べログ〉
https://tabelog.com/hyogo/A2803/A280301/28002543
上田さん!貴重なお話を色々とありがとうございました!!
お話好きの上田さんが優しく出迎えてくれると思いますので、
関西圏にお住まいの方は是非豆や総本店に足を運んでみてください!!!
記事を書いてみて考えた、ゲーム制作への道のりメモ
・焙煎はコーヒーの真の味を引き出してくれる
・焙煎士は斜めから見る
・焙煎をゲーム内で体験できたら面白いかもしれない
アフタートークでは、豆や総本店で購入したブラジルの生豆を実際に家で焙煎した話と、HARF-WAYのこうゆうさんによる斜めから見たゲームの紹介があります!

有料記事にはなりますが良ければ是非こちらもチェックしてみてください!!
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