コントローラーが振動してくれないアクションゲームを遊べなくなってしまった

歴史を振り返れば、人類は常に心地よい振動を求めてきた。

古くは「肩たたき」から始まり、高機能なマッサージチェアが開発され、ちょっとここでは書けないようなジャンルのグッズまで。人間はとにかく、心地よい振動に弱いものです。

それは、アクションゲームにおける「コントローラーの振動表現」も例外ではありません。

なのになぜ、アクションゲームの振動について議論がなされないのだろうか。筆者の立場というか、嗜好というか、主張から叫ばせてください。

とよしま
私は、攻撃した際に振動するアクションゲームが大好物です!

そして、ゲームを購入する前に『振動』するのか知っておきたい面倒なプレイヤーでもあります。

多くの方に『振動』の魅力を伝えるため、「ゲームの振動機能」について書いてみることにしました。

コントローラーの振動が好きな人・嫌いな人

ゲーム中の「振動表現」について、しっかりと触れているレビューはそこまで多くありません。

多くの人にとってコントローラーの振動は「さりげない演出」に過ぎず、意識的に注目している人は少ないのでしょう。

また、コントローラーの震えがプレイの集中力を削ぐことから、振動をオフに設定する方もいます。

とよしま
私もプレイ中の振動は好きですが、ムービー中に暴れだすコントローラーにびっくりすることもあるので、「振動いらんわ派」の気持ちも分かります。

しかしいつ頃からか、コントローラーが振動しないアクションゲームに心が動かなくなりました。

自分が楽しめるかを測る指標として「攻撃した時にちゃんと振動してくれるのか」を事前に知っておきたいのです。

一例を挙げると、楽しみにしていた作品で「敵を攻撃しても振動しないゲーム」だと分かると、それだけで切ってしまうこともありました。

ゲームの世界にも、蛙化現象は存在するようです。

とよしま
今、「めんどくさそうなヤツだな」と思ったでしょう

アクションゲームの振動表現を意識しはじめたきっかけ

私がアクションゲームの振動を重視しはじめた理由として、2つの経験を思い浮かべました。

ひとつは、振動の有無がゲームの爽快感や手応えを大きく左右すると知ったからです。

例えば、戦国死にゲーこと『仁王2』では、PS4とPS5で振動の有無が異なります。

  • PS4版→振動なし
  • PS5版→振動あり

この地味ながら大きな変化によって、PS5版ではDLCを買ってしまうほどのめり込みました。

とよしま
PS4版を途中で挫折した経緯もあり、振動表現の有無だけでゲーム体験が変わった原体験となっています。

2つ目は、振動によって「主人公と自分が密接にリンクする感覚」を知ったからです。

ゲームの振動表現を突きつめて考えてみると、主人公の追体験をさせる機能の他なりません。

キャラクターの感覚が伝わるからこそ、五感が刺激されてゲーム体験への没入感が高まります。

特にPS5のコントローラーに実装された『ハプティックフィードバック機能』を体感してから、その傾向は顕著になりました。

とよしま
ハプティックフィードバックを超ざっくりと説明すると「振動がシーンと連動して事細かに変化する」機能です
  • 日本刀の鍔迫り合いによる「ぎりぎり」
  • キーボードを操作するときの「かたかた」
  • ショットガンを撃つときの「ダァンッッッ」

ハプティックフィードバック機能によって、振動の強弱だけでなく、硬さや柔らかさといった質感まで正確に伝わってくるのです。

とよしま
私はもう、振動なしのアクションゲームを楽しめない体にされてしまいました。何と罪な機能なのでしょう……

主人公の攻撃と振動がリンクしないことで、没入感が削がれてしまう。まるで主人公と私の間に、分厚く透明なカベが置かれているような疎外感。

相槌を打たない相手と会話しているような、もどかしさや物足りなさを感じてしまう。だから私は、振動の有無にこだわってしまうのです。

また痒いところに手が届かないような振動表現も少なくありません。

もどかしい振動演出たち

私がもどかしさを感じている振動表現は、「攻撃を受けた時だけ振動する」システムです。攻撃を当てる気持ち良さを味わいたいのに、若干モヤっと感じることも。

例えば、一昔前の『無双シリーズ』がまさにそうでした。とはいえ、敵を次々と斬り捨てる最中、常に手元が震えていたら鬱陶しいかもしれません。

しかし近年の無双シリーズでは、『海賊無双4』『戦国無双5』を筆頭にチャージ攻撃(大技)で振動するようになり印象も変わりました。

またフロムソフトウェアの『SEKIRO』『エルデンリング』では、ボスの攻撃を食らう度にフル振動するので、敵の技がヒットした時の「やっちまった感」を最大限に高めてくれます。

とよしま
ダメージ表現としての振動も良いと思うのですが、「気持ちよく攻撃を当てる」ことがアクションの肝だと思うので、どうしても振動の使い方に不満を覚えてしまうのです

ゲーム開発者様・読者の方へのお願い

以上を踏まえて、ゲーム開発者様へ超個人的なお願いです。

とよしま
攻撃した時は振動するようにして欲しい!

理由はこれまで書いてきたことと同じで、アクションゲームの魅力や楽しさを底上げしてくれる大切な要素だと感じているからです。

とよしま
そして、強めの振動を選択肢に入れてください!

振動のオン・オフ設定は、いわばフライドポテトの塩抜き・ありのようなもの。ゲームによっては「塩気が足りない」と感じることもあります。

振動の強さを10段階で調整できるゲームも増えてきましたが、個人的には「10は手が痺れるくらいの強さ」が欲しいのです。プレイヤーが納得できる強度に調整できるよう、もう少し幅を持たせて欲しい。

またプレイヤーの皆さんには「銃を撃ったときの振動が気持ち良い」とか、どんな場面で振動してくれるのかの感想を呟いてもらえたら、もうほんとうに助かります。

とよしま
きっと、私のような人もいるはずです。お金を掛けずにできる人助けと思って、陰徳を積む手段のひとつだと思って、どうか、どうか、オナシャス……。

振動オタクな私が思う「振動表現が素晴らしいゲーム」

最後に、振動で一喜一憂するめんどくさい私が心からおすすめできる「振動表現が素晴らしいPS5のゲーム」をいくつか紹介させてください。

ラチェット&クランク パラレル・トラベル

人気アクションゲームシリーズ最新作。ガラメカ(武器)を発射する際の多彩な振動表現で、手元が遊園地になる。ムービーでもシーンに合わせて多種多様かつ繊細な表現を楽しめます。

PS5の性能を肌で感じたい方には真っ先に触れてほしいタイトルです。

BIOHAZARD:RE4

神ゲーと名高い「バイオハザード4」のリメイク作品。銃を撃つ際の反動がリアルに再現され、手応えがとにかく気持ち良い。またナイフで敵の攻撃を弾き返す際、金属同士がぶつかる感覚もしっかり表現されています。

過去記事で作品の魅力を詳しく語っているので、気になった方はぜひご覧ください!

「BIOHAZARD:RE4」を150時間プレイして感じたアクションゲームとしての魅力

SIFU

意外と珍しいカンフー特化のアクションゲーム。主人公のパンチやキックが肉体にぶつかる重みを、振動を通じて忠実に再現しています。

THE・肉弾戦。カンフー映画好きが憧れる夢のような攻防を叶えてくれる作品。「ゲームで人を殴ると気持ち良い」という真理に気付けます。

さいごに

同じゲーム映像でも30FPSと60FPSで印象が変わるように、「振動の有無や強弱でも手触りやゲーム体験そのものが大きく変わるんだ!」という個人的な魂の叫びでした。

今まで特に振動に関心が無かった方は、ぜひ手元に意識を集中しながら遊んでみてください。本当に素晴らしい振動演出に出会うと、手元だけでなく胸まで震えますので!

とよしま
もし「このゲームの振動が素晴らしかったぞ」などのオススメがあれば、ぜひTwitter(現X)で教えてください!
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