【クリアの後で。】言葉が紡ぐ優しく哀しい推理アドベンチャー『未解決事件は終わらせないといけないから』レビュー

クリアしたゲームの余韻に浸りながら、キャッチーなレビューをお届けする『クリアの後で。』

第11回は数々のミステリーアドベンチャーを送り出してきた、韓国のクリエイターSomi氏の最新作『未解決事件は終わらせないといけないから』です!

物語:1人の少女の失踪事件を様々な視点から描く

清崎蒼の記憶にある証言から真実を見つけよう

公園から突如いなくなり、行方不明となった少女『犀華(せいか)』。未解決となったこの事件を、当時の担当捜査官『清崎蒼』が思い出すところからストーリーが始まります。

しかし事件から12年が経ち、証言を思い出そうとしても『誰が』『いつ』『何を』言ったのか曖昧で思い出せません。今作の目的は清崎蒼の記憶を整理し、真実にたどり着き、未解決事件を終わらせることです。

推理パートは一見すると証言をパズルのように並び替えているだけに見えますが、ミスリードを誘うことで推理ゲームとしての完成度を高めています。

1つ間違えると推理に影響が出てしまう翻訳も完璧で、最後までストーリーに没頭できます。

fis
私も子どもを持つ親なので、このストーリーは胸に来るものがありました

システム:バラバラの証言を並び替えて真実の証人となれ

証言の中には鍵がかかっていることも

本作の基本的な流れは下記のとおりです。

上記の①~③を繰り返し、物語の真相を紐解いていきます。証言の中にはロックされているものもありますが、証言の時系列を正しくすることで解除可能。

会話や挿絵の内容から、誰の発言かを推測する作業が非常に楽しく、『推理している』という気持ちにさせてくれます。

ただ、証言の並び替えなどの操作方法が分かりにくく、もう少しチュートリアルが充実していればなぁと思いました。

fis
個人的には文章のキーワード検索機能があったら嬉しかったです

難易度:推理ゲームが苦手でもクリア可能

挿絵は状況を説明すると共に、誰が発言したかの重要なヒントとなる

筆者は記憶力に自信がなく、多数の登場人物が出てくる推理物は苦手なのですが、本作はそこまで苦労することなくクリアできました。

その大きな理由として、必要な情報が1つの画面に収まっていることが挙げられます。

推理ゲームでは『登場人物』『事件のあらまし』『証拠』などが別々の画面に表示されるのが一般的ですが、本作はその全てが1つの画面に揃っているため情報が探しやすいのです。

十分な証拠が揃っていない場合教えてくれたり、関係する証言を探す時に光る機能があったりと、推理初心者へのサポートもバッチリ。

fis
序盤は整理されていない証言が多くて大変ですが、そこを乗り越えると楽になります

BGM:アンビエントな音楽が物語に彩を添える

静かでもの悲しいけれど、優しさも感じる音楽

曲数は多くありませんが、ピアノを基調とした落ち着いたBGMが本作の雰囲気にとても合っています。

特に、オープニングはしっとりとしたBGMとクラゲの漂う描写で、清崎蒼の記憶の曖昧さを上手く表現しています。

メインとなる証言を整理する場面でも、推理を全く邪魔しない、ゲームに集中できる音楽です。

fis
ラストのシーンは、物語とBGMが相まって涙がにじみました

総評:ミステリー好きだが推理が苦手な人にオススメの秀作

本作は主にテキストを並べ替えるだけのシンプルなゲームですが、その中にミステリーの面白さがこれでもかと詰め込まれています。

全ての証言を完璧につなぎ合わせ、最初から物語を読み直した後、素晴らしいミステリー小説を読了した時のような満足感を得られました。

プレイ時間は3~4時間程度なので、是非ノンストップでこの物語の真相を突き止めてください。

未解決事件は終わらせないといけませんからね。

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