クリアしたゲームの余韻に浸りながらキャッチーなレビューをお届けする『クリアの後で。』
第7回は新進気鋭の韓国大学生チーム『ワンダーポーション』が開発した2Dアクションゲーム、『SANABI(サンナビ)』です!
ストーリー:後半の怒涛の展開に引き込まれずにはいられない
主人公は愛娘を殺した『サンナビ』に復讐するため、一瞬にして全住民が消えてしまった謎の都市『マゴ』へ向かいます。
最初はドット絵やアクション部分が際立って見えており、ストーリーはあまり期待していなかったのですが、良い意味で裏切られました。
道中で会う少女『マリ』、急に消えた住民、サンナビの真実など、様々な謎が散りばめられています。
終盤にそれらが解き明かされていく様は、まるで長編映画を見ているかのようで、コントローラーを握る手にも力が入りました。
グラフィック:3Dと見間違えるほど滑らかに動くドット絵
綿密に書き込まれた高クオリティのドット絵はもちろんのこと、特にキャラクターの動きがとんでもなく素晴らしいです。
座って足をバタつかせる女の子、銃に撃たれ地面に叩き付けられた時のバウンドなど、細かいところを言い出すとキリがない物凄いこだわりを感じます。
こうして作りこまれたキャラクターはより感情移入しやすくなり、ゲームへの没入感を増す手助けになるでしょう。
アクション:ジェットコースターのような爽快感が味わえるワイヤーアクション
本作の特徴として、グラップリングフックによるワイヤーアクションが挙げられます。
ワイヤーアクションで狙い定めた場所に飛び移ることや、敵を狙って攻撃することも可能。
本来ワイヤーアクションは狙ったところに撃つのが難しいのですが、大味な操作でもエイムがちょうどいい所にヒットするので気持ちよく操作できます。
難易度も4種類から選べるため、ビギナーを選択すれば初心者でも安心です。
ステージ:サイバーパンクな街並みをワイヤーで駆け抜けろ
ステージは『セレステ』のようなエリア制で、チェックポイントも頻繁にあります。
リトライは高速とまでは言えませんが、遅いと感じる程でもありません(筆者がプレイしたのはSteam版)
サイバーパンクな街並みをハイスピードで駆け抜けるのは爽快で、自分がスーパーヒーローになったかのよう。
ステージギミックも豊富で徐々に難易度も上がっていくので、最後までテンションを切らすことなくプレイできます。
翻訳:序盤は良いが後半に荒が目立つ
序盤から中盤の翻訳は問題なのですが、後半になるにつれて機械翻訳の部分が目立ってきます。
ストーリーが盛り上がる後半に男性が女性言葉を話したり、支離滅裂な文法になっていたりする部分がありました。
イベントパートによっては翻訳が気になって感情移入しきれない部分もあり、ストーリーが良いだけに非常に惜しいところ。
幸い、終盤からエンディングにかけての翻訳は問題ないので、その点は安心してください。
※2024年2月20日に翻訳改善アプデが入り、完璧な作品になりました!
まとめ:インディーアクションゲーム史に残る名作
後半の怪しい翻訳を除けば、ほぼ隙の無いほど素晴らしい作品でした。
個人的には今までプレイしてきたインディーアクションゲームの中でも、5本の指に入る名作だと自信を持って言えます。
これを大学生のチームが作ったというのが良い意味で信じられませんが、ワンダーポーションの次回作に期待せざるを得ません。
スピード感と爽快感のあるアクションはRTAの分野で流行ることは間違いないと思うので、次回作が出るまではスピードランで楽しませてもらおうかな、と思います。