クリアしたゲームの余韻に浸りながらキャッチーなレビューをお届けする『クリアの後で。』
第17回は軽めのローグライクカードゲームだと思ったらゴリゴリのサバイバルゲームだった『Card Survival:Tropical Island(カードサバイバル トロピカルアイランド)』です!
概要:カードを使ったリアルサバイバルゲーム
本作は全ての行動とアイテムが『カード』で表現されたサバイバルゲームです。
ゲームは主人公が身一つで無人島に流れ着いた状態からスタートします。最初は飢えと水不足をしのぐだけでも大変で、生活の基盤を整えるどころか日々を生きることで精一杯になるでしょう。
また、建築や料理などサバイバルに必要な知識が多く混乱しますが、ヘルプを見れば大抵の事は解決します。逆にヘルプを確認せずに適当に進めると、あっという間に詰むこともあるので注意が必要です。
もし死んだ場合でも脱水や空腹など原因が分かりやすく「次は多めに食料を用意しよう」といったトライ&エラーがやりやすいのは好印象。
家を建て快適に生活できるようになるか、いかだを作って島を脱出すればゲームクリアとなります。
システム:カードの利点を生かした直感的で快適なゲーム体験
サバイバルゲームをカード化する最大の利点は『作業時間を短縮化できる』事です。リアル系のサバイバルゲームの場合、何をするにも作業工程が多くなり時間が掛かってしまいます。
例として『Card Survival』でキャンプファイヤーを用いて食料を調理する工程を見てみましょう。
- 木くずに火起こし器をドラッグし、火種を作る
- キャンプファイヤーに作った火種と薪をドラッグする
- キャンプファイヤーに食料をドラッグする
工程は多いですが、カードをドラッグするだけなので10秒もあれば十分できます。これをリアルな3Dサバイバルでやれば、少なくとも数分はかかるでしょう。
カードのみで表現すると没入感が無いと思われるかもしれませんが、効果音が非常にリアルで想像力を掻き立てられます。
『快適な操作』と『気持ち良い効果音』。この小気味良い作業感こそ、サバイバルを飽きさせないポイントだと感じました。
サバイバル:リアルなサバイバルであることを意識させるゲームバランス
本作で生き残る秘訣は、『ゲーム』ではなく『本当のサバイバル』だと思い込むことです。
たとえ楽しいことでも同じことをやり続ければ飽きて効果が少なくなり、探索もちゃんと休憩や水分補給をしないとすぐ疲れてしまいます。効率よりも「自分がそのシチュエーションならどうするか?」を考えて行動すると上手くいくことが多いです。
軽率な行動で怪我をしたり病気になったりすると治すのに日数を要するため、逆にその方が効率が悪くなります。
うつ病など一部の症状はヘルプを見ても治し方が分かりにくく、その点はもう少し分かりやすくても良かったのかなぁと思いました。
難易度:非常に高いが救済措置あり
サバイバルで日々を生き抜くには注意すべき点が多く、最初こそ難易度が高く感じるかもしれません。本作ではあらかじめ用意されたキャラクターの他に、自分でカスタムしたキャラクターも使用できます。
カスタムキャラクターには『パーク』と呼ばれるスキルが存在し、装備することでサバイバルを簡単にすることも可能です。犬を連れて行けたり、便利アイテムを最初から持っていたり、病気に強くなったりと効果は様々。
自分に不足しているポイントをパークで補うことで、サバイバルでより長く生きれるようになるでしょう。
総評:煩わしさの中にある楽しさを見つけるゲーム
本作は多くのクラフトゲームのように、後半になれば生活が劇的によくなるということもなく、最後まで気の抜けないゲームです。
生活を豊かにするためにやれることはとてつもなく多く、何回やっても新たな発見があります。日々を生き抜きながら少しづつQOL(生活の質)を上げていく楽しさは、他のゲームにはないこのゲームの魅力。
最近刺激が足りないと思っているゲーマーの皆様、手ぶらで行ける無人島でサバイバルしてみませんか?