【クリアの後で。】夢の世界をカードで救うデッキ構築型SRPG『DreamTacticsレビュー』

クリアしたゲームの余韻に浸りながらキャッチーなレビューをお届けする『クリアの後で。』

第19回はシミュレーションとカードゲームの面白さを兼ねそろえたRPG『DreamTactics(ドリームタクティクス)』です!

概要:懐かしさを感じるドット絵と目新しいシステムのSRPG

ドットの文字サイズは小さいが上手く読めるよう工夫されている

本作はシミュレーションRPGにカードゲームの要素を取り入れたゲームです。戦闘はマス目を移動するシミュレーション型のバトルシステムを採用しており、ランダムで選ばれるカードを駆使して戦います。

難易度はノーマルでも歯ごたえのある戦闘を楽しめますが、カードゲームに自信のある方はハードがオススメ。自由にレベリングはできませんが、敵のレベルが自軍を超えないよう自動調整されています。

また夢の世界が舞台ということもあり、グラフィックは全体的に可愛くポップな印象。GBA風のドット絵でキャラクターなどのサイズも小さめですが、クオリティも高くて良い意味で懐かしさを感じます。

ただ、漢字のドットは潰れて読みにくいところがあるので、気になる方は設定を変更した方が良いでしょう。翻訳精度もかなり高く、会話のフレーバーテキストの違和感などは全く感じませんでした。

fis
最近の作品には珍しくオートセーブがないので、こまめなセーブが大切です

ストーリー:夢の世界を救うヒーローとなりドリームワールドを巡る

敵は『ピロウ』のみだが職種豊富で見ていて楽しい

主人公は夢の世界『ドリームワールド』を崩壊させようとする『ドリームイーター』を倒すために旅立ちます。世界観はゆるめで敵味方関係なく軽いノリが続き、コメディ色はかなり強めです。

道中ではドリームイーターを倒すために必要な『夢のかけら』を巡り、敵となる『ピロウ軍団』と衝突。ピロウとは「お金が欲しかった」や「お腹がすいた」など単純な理由でも戦闘になるため、この部分は好みが分かれそう。

戦略シミュレーションによくある重厚なストーリーを期待している方は、思わぬ肩透かしを食らうかもしれません。

fis
味方も可愛い見た目に反してかなり暴力的な性格のキャラが多いです

システム:シミュレーションの戦略性にカードゲームの面白さをプラス

戦闘ではMPとカードが尽きるまで何度も攻撃可能

バトルパーティは4人で固定されており、各キャラはターン開始時にカードを5枚引いてから行動を決定します。カードとシミュレーションの相性も良く、行動順や位置取りの戦略性とカード要素のコンボが相まって相乗効果を生み出していました。

シナジーを生かしつつ仲間との連携で敵を倒していく楽しさは、このゲームでしか味わえない醍醐味。勝利条件も敵せん滅だけでなく、脱出やマップ上のギミックを使って敵を倒すものなど、シミュレーションゲームならではの作戦もあります。

また使用できるカードはレベルアップでは増えず、マップの宝箱からのみ入手できるため、マップ探索はとても重要です。もし宝箱を取り逃しても、ステージをクリアするとマップ上に宝箱の位置が表示される安心仕様となっています。

fis
移動手段が少し不便で、せめてダッシュは欲しかったなぁと思います

デッキ構築:100を超えるカードを駆使し自分だけのビルドを組もう

デッキのカード枚数は15枚でこれ以上でも以下でもダメ

このゲームは最終的に7体のキャラクターが解放され、それぞれに固有デッキを持っています。多くのカードゲームでは固有カードの共有はできませんが、本作ではコストを支払うことで全キャラ使用可能。

固有デッキだけでもクリア可能ですが、他キャラのカードを混ぜるとデッキ構築の幅も広がります。またカードとは別に用意された装備アイテムは、能力アップだけでなくカード効果を変更するものもあり、組み合わせ次第でビルドがさらに奥深くなるのも魅力。

カードの効果が分からない時はボタン一つで説明が見れるのもユーザーフレンドリーでグッド。ただ、ソート機能がなくデッキ構築時に目当てのカードを探しづらいのは少し残念でした。

fis
固有デッキはどれもちゃんとした特徴があって使いこなすのが楽しいです

総評:ゲームさえ面白ければよいタイプなら買い

本作はストーリー主導というより、ゲームの面白さで引っ張っていく作品だと感じました。

私はノリの軽さに少しついていけない部分がありましたが、メルヘンチックなキャラクターのハチャメチャな旅を見守るのも楽しかったです。

「ゲームが面白ければストーリーはあまり気にしない」という方なら間違いなく楽しめると思います。

新しい物好きのそこのアナタ、カードとシミュレーションの新感覚RPG、試してみませんか?

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