ガバエイムと壊れスキルでタコ殴りするローグライクFPS『バトルシェーパーズ(Battle Shapers)』レビュー

「このゲームサイトの運営者、自分で記事書かねぇじゃん……」とか思ってたでしょ。

こうゆう
バトルシェーパーズのレビュー書いたぞ!

バトルシェーパーズ(Battle Shapers)の概要

バトルシェーパーズ(Battle Shapers)の概要

バトルシェーパーズは、名作アクションをオマージュしたシングルプレイ専用ローグライトFPSです。

ボスキャラの攻撃や特性をコピーしたり、近接攻撃でシールドを回復するなど、知ってる人から見ればニヤリとするゲームシステムが特徴。

残念ながらマルチプレイには対応していませんが、アクション要素に比重を置いたFPSとして差別化されている印象を受けました。

こうゆう
とにかく動きが激しくて、エイムよりもアクションが重要になる場面が多かったですね

▼基本情報▼

リリース日2023年10月4日
ジャンルローグライトFPS
価格¥2,800
開発元Metric Empire
ディベロッパーMetric Empire

▼購入リンク▼

おすすめポイント①
ガバエイムをアクションで補う

プラットフォーム感と吸盤エイムが心地よい

壁蹴りからの空中ダッシュで高所移動も容易
壁蹴りからの空中ダッシュで高所移動も容易

今作はエイムアシストが強めに効いており、エイムが多少ブレても自動補正が掛かる。使いずらそうな単発ライフルも当てやすく、マシンガンなど発射レートの高い武器も反動がないため使いやすい。

とはいえ、初心者に優しいゲームとは言い切れない。単刀直入にいうと、敵の火力が高すぎる。一つのミスで体力がゴリっと削られるため、アクション難易度がめちゃ高い。エイムがどれだけ上手くても、相手の攻撃に対する正解が分からないと一瞬で溶ける。

FPSの参入障壁といえるエイムの難易度を下げ、アクション要素を底上げすることでバランスを調整。適度なプラットフォーム感(足場を乗り継ぐジャンプメインのゲーム性)や攻撃に対するカバーアクションなど、攻撃を避ける感覚が気持ち良い作品です。

こうゆう
マジでエイムが吸い付くんですけど、敵のダメージがヤバすぎてちゃんと避けないと即死します(笑)

エイム以外が重要なローグライクFPS

敵の攻撃パターンを覚えて避けながら撃つ
敵の攻撃パターンを覚え、避けながら撃つ

今作の難易度は少々高めにも思えますが、決して理不尽に作られていません。水平方向に横歩きすれば弾は避けられるし、ショックウェーブのように波打つ攻撃はジャンプで問題なく躱せる。接近して近接攻撃をしてくる敵に対しては、ダッシュで距離を取って一方的に銃弾を浴びせることも可能。

ストアページのレビューを見てみると、難易度の話ばかりが浮上している。敵が強すぎて難しすぎるとのこと。確かに前方の敵が放った弾を避けても死角から弾が飛んでくるし、距離を取っても背後から近接キャラに殴られる。

今作の難しさは、正解行動を出しつづけないとHPが枯渇する点にある。敵の攻撃パターンに合わせる対応力や、有利ポジションを取り続ける立ち回り力。カバーアクションで隠れてエイムで打ち抜くのではなく、能動的に動き回って敵を散らしつつ、順番に敵を処理していく純粋なアクションが求められる。

こうゆう
ちゃんと狙ってちゃんと当てるのではなく、びゅんびゅん動き回って大雑把に当てるイメージ

敵の攻撃は痛いけどシールドは『ほぼ無限』

回復アイテムが足りなければ殴ればいいじゃない
回復アイテムが足りなければ殴ればいいじゃない

今作の特徴として、近接武器でトドメを刺すとシールドが回復します。比較対象として『DOOM』を挙げる人も多いですが、近接キル=HP回復ではありません。注目して欲しいのは体力ではなくシールドが回復している点です。

HPがミリだろうが体力は回復しないので、結局は慎重な立ち回りが求められます。しかも体力回復は宝箱やショップに限定されるため、回復アイテムはそこそこ貴重。

全ての雑魚敵が回復リソースになる点はありがたいけど、確実にトドメをさせる時だけ飛び出す慎重さも求められる。シールド回復に対してリスクが伴うため大味になりにくく、回復行動を良い塩梅に落とし込めている印象でした。

こうゆう
回復ぅ♪回復ぅ♪と飛び出して死んだときは虚無になるので注意

おすすめポイント②
ロックマン味を感じるシステム

ボスとまんま同じ技が使える

自分の技は自分のもの、ボスの技も自分のもの
自分の技は自分のもの、ボスの技も自分のもの

ボスを倒すことで敵の必殺技や特殊武器が解放。ボス特性が反映される「ボスコア」がアンロックされ、周回ごとに異なる遊び方が楽しめます。

こうゆう
倒した直後に使えるものではないため、この辺はロックマンと違いますね

また周回を重ねて再度ボスを倒すと『熟練度』が蓄積され、一定以上に達すると固有アクションとしてボスの必殺技が使用可能に。永続的にボスアクションを利用できるため、何度も周回したくなる仕組みが整っています。

こうゆう
初期状態では必殺技がロックされていますが、周回を重ねると機能が徐々に解放されます

隠しパーツを見つけると永続強化

隠しアイテムを見つけると永続的に使えるシステムがアンロック
隠しアイテムを見つけると永続的に使えるシステムがアンロック

今作は各ステージに隠された、強化パーツありきでクリアできる難易度に設定されています。隠しパーツで本体を強化しないと、そりゃもう厳しい。敵の強さに挫折して、死に物狂いでステージを探索し、ようやく見つけた強化パーツでやっと土俵に立てるイメージ。

こうゆう
操作慣れ&基礎能力アップにより、いつのまにかブレイクスルーが起きて敵を倒せるようになる印象

上手く出来ているなぁと思った反面、強化パーツを見つけられない人は永遠としんどそう。もうちょっと、ヒントとかトピックスがあっても良さそう。まぁ、必死に探すからこそ面白いんですけどね。

こうゆう
苦労して探すから面白い…とか言ってますが全部見つけるまで18時間くらい掛かりました!もっと手心をくれ。

おすすめポイント③
ローグライトを支える2要素

【ボスコア】
プレイスタイルを決定づける

2種類のコアを組み合わせることでビルドが決定

純粋なFPSとローグライクFPSの最大の違いは、ユニークなアビリティスキルだと思う。エイムの腕自慢をしたいなら対人やソロキャンペーンを遊べばいいし、スキルでエイムの茶を濁しながらFPSを楽しめるのがこのジャンルの良さだと思っている。

今作は「ボスコア」と呼ばれる装備パーツをダンジョン前に装備することで、ビルドの方向性を固定することができます。ボスコアはボスを倒すまでロックされており、初回撃破と同時に入手可能。

嘘みたいだろ、これで7割減るんだぜ……

ちなみに、初期スキルのバリアは超絶強い。回避が間に合わない時に発動すれば瞬時に無敵モードになり、スキルを強化することでバグった火力を叩き出せる。

エイムが苦手な人でも楽しめる配慮が施されている一方、流石に強すぎるのではと思うことも。まぁこれは自主的に縛れば良いわけで、スキルが噛み合った結果の副産物と言い換えることもできる。この辺の心地よい大雑把さも、ローグライトならではの醍醐味と言えるのかもしれない。

こうゆう
拙者エイム馬鹿下手クソ侍。スキルに頼らないと楽しめないで候

【武器特性】
状態異常で高火力を実現

特殊攻撃が発生したり、状態異常の相手に対して火力が増加する

平たくいえば、炎上や電撃などの状態異常ダメージと、特殊バフや組み合わせた自己強化シナジーを考慮しながらビルドを組むイメージ。エイムが上手ければすべて解決なんてことはなく、能力の組み合わせを意識したビルドがすべてを解決する。

今作は恒久バフで攻撃力と防御力を上げれないため、ビルドの良し悪しによる影響が大きい。強化しすぎてヌルゲーになっちゃった的なことはなくて、やればやるほど新システムが解放されたり、ピンチから脱出しやすくなったり生存能力が高まる点が魅力。

基礎ステータス強化ではなく、アクションの幅が広がるような方向でシステムが解放されるので、王道かつお手本となるローグライクかなと思ったり。ただパワーでゴリ推しできないので、慣れていない方には難しいかもしれない。

こうゆう
状態異常でダメージ倍率200%アップ!みたいな感じでローグライトならではの気持ちよさもしっかり感じられます

バトルシェーパーズの魅力

難しさのベクトルがアクション要素に向いている

あっ…事故死…

Aさん「上達を感じたいのに強化要素が邪魔だ!」

Bさん「強化要素のないローグライクをやれよ…」

みたいな不毛な会話を時々耳にしますが、今作はその点の作り方が上手いなぁ~と感じました。やればやるほど新アクションが増えたり、強化要素も事故った時の復帰性に重きを置いている。パワーを押し付けることができず、ぬるさが消えて安定性も増す。

逆に、システムの抜け穴を探して効率的にクリアしたい人にとっては鬼門かもしれない。どれだけ遊んでも火力がバカ上がりすることはないし、実力が求められるから楽できない。上手くなることでしか突破口がないのは当たり前っちゃ当たり前なんだけど、他の作品と比べると随分と硬派だなって印象も受ける。

これに関して正解はないと思っていて、恒久バフで誰でもクリアできるRPG風レベルデザインを施すのも良いと思う。長期的に遊ぶのではなくて、ラスボスを倒してゲーム終了となるデザインの違いでしかない。今作は、このゲームを長く遊んで欲しいという開発者の意図が見えるレベルデザインだし、ボスコアの熟練度システムなど、繰り返し遊んで欲しい意思表示が明確にされていて心地良い。

周回することで強くなるのではなく、周回することでアクションやシステムが増える方向にデザインすることで、何度も遊びたくなる設計がされているんだなと思った。そう考えると、今作は上手くできているよなぁ~って感じもする。

こうゆう
明確な意思によってゲームの方向性が決まる。美しさすら感じるレベルデザインだと思う。

まとめ総評:アクション要素でエイムをねじ伏せる良作ローグライトFPS

総じて、ゲームが上手くなりたいと願う向上心がないと、今作を心から楽しむのは難しいと思う。一言で言うと、魅力が分かるまでの距離がめっちゃ長い。めっちゃ面白いことは面白いんだけど、楽しいと感じる導線が掴みにくく、見つかったとしてもそこから火が付くまでがとにかく長い。

これは作り方が上手いとか下手とかそういう話ではなくて、意図的にデザインされている。開発者が想定している「やればやるほど面白くなる」についていければ抜群に面白いし、途中で挫折してしまえば「難しくてつまらない」で止まるような作品だった。

アクションやFPSジャンルが上手ければ、面白さに気付くまで根気強く粘れる可能性も高くなるけど、慣れていない初心者が向き合うのはちょっと難しいかもなぁ~とか思う。プレイヤーを否定しているのではなくて、面白い作品が切れ目なくリリースされている時代に、魅力を感じ取れるまで一つのゲームを遊び続けるのは結構ハードル高いよねって話。

ちなみに、自分は1面のボスを倒すまでに7時間掛かりました。ちょっと心が折れそうでした。

こうゆう
硬派なローグライクを楽しみたいけど、成長補助も少し欲しいなぁ~って人には間違いなく刺さる作品でした
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