ゲーム開発初学者が学習用で作るゲームに『倉庫番』というジャンルがある。
見下ろし型マップに配置された荷物を所定の位置に移動させる、一種のパズルゲームだ。
その歴史は深く、様々なゲームにさりげなく組み込まれている。例えば、RPGのダンジョンギミックやミニゲームなどで見かけた人も多いのではないだろうか。
『Play Twice』は倉庫番に独自要素を加えたユニークな作品だ。後述する「ステージを二度遊ぶ」コンセプトを多角的に活かした本作は、進める毎に一癖も二癖もある展開を見せ、最後まで夢中になる時間が続く。
二度遊ぶ、その仕掛けがどのように遊びを変えていくのか、その魅力を紹介したい。
ステージを二度遊ぶ?

『Play Twice』の最大の特徴は「ゴールが二段階あること」だ。
例えば、第1ステージで自機がゴール地点へ辿り着いた時、そこでステージクリアとはならない。すぐさま別の地点にリポップして二度目のスタートが始まる。
そこから二つ目のゴールを目指すのだ。


要するに「Play Twice」(二度遊ぶ)ことになる。
これが非常に面白く、一つのステージで二段階の攻略をする必要がある為、試行錯誤する楽しさが深まっていた。
「どうブロックを動かせば良いか?」
「一度ゴールした時点で盤面はどうなっているか?」
漠然と動かしてクリア出来る内容ではない為、二巡目を考えながら進める事が面白い。事前に頭の中でシミュレートした動きがゴールまで繋がった瞬間のカタルシスが心地良く、つい次へと進みたくなる。
他にも盤面に高低差があったり、ブロックそのものが道になったりと、パズルゲームとして解き甲斐のある要素も豊富だ。
筆者はパズルゲームの醍醐味の一つに「答えを閃く快感」があると思っているが、本作はその感情をピンポイントで刺激してくる作品だった。
二段階ゴールが生む、独特なゲーム体験

ゴールが二段階あることは、本作の独特な手触りに繋がっている。
例えば、一段階目ではブロックを何度も動かしたり、頭の中で道筋をシミュレートしたりと、四苦八苦しながらパズルに触れていく。そして、ブロックの配置が正しければ、二段階目では答え合わせをするかのようにかっちりゴールに辿り着く。
この「試行錯誤」から「答え合わせ」の流れが、全体を通して遊びやすいリズムを形成していた。
また、どのパズルも勢いだけでは攻略できず、少し考えた末に達成感を持ってクリアできる難易度になっている。ステージのやり直しや操作の巻き戻しもワンボタンで出来るため、ストレスを感じさせない。
そうした設計の積み重ねが、最後までもっと遊びたいと思わせる『Play Twice』ならではのゲーム体験を生み出していた。
シンプルな魅せ方がゲーム性にマッチする

グラフィックやサウンド面にも触れたい。
本作ではボクセル×ローポリの味わいあるグラフィックと、8bit音源をくぐもらせたようなサウンドが巧く噛み合っている。余分な飾り気は無く、『Play Twice』のシンプルかつ尖ったゲーム性にマッチしていた。
二度目のスタート時にはステージの明度がやや暗くなり、BGMのトーンが引き締まる。深度が深くなったような演出が、テンションを引き上げる良いアクセントになっていた。
他にもメッセージ「PLAY TWICE」の出方に特別なエフェクトがあったり、画面に灰のようなものがさりげなく舞っていたりと、ゲームの邪魔にならない範囲での魅せ方が巧い。
遊びの部分だけでなく、細部の表現にも作品全体に馴染んだ作り込みが見られる。雰囲気づくりまで含めて、作者の丁寧さが行き届いていると感じた。
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「Twice」のタイトル回収に意表を突かれる

タイトルの『Play Twice』には別の意味も込められている。単に同じ盤面を二度遊ぶ事を示しているだけではないのだ。
Steamストアページには「ステージは30以上あります」と書いてあるのだが、ゲーム開始時点だと12面までしかない。進めるうちに追加されるのだと察する事が出来るが、そこにタイトルを回収するトリックが隠されている。それは元々二段構えになっていた盤面が意外な変化を見せるもので、こんな意表を突いてくるのか、と驚かずにはいられない。
追加ステージは単なるボリュームの増加ではなく、作品全体のテーマ「Play Twice」を別角度から提示する役割を果たしている。それはギミックとしての「二度遊ぶ」を捻ったもので、作品のコンセプトを全体のゲーム構造にも活かした大きなサプライズとなっていた。
本作にはそのような奥行きがあり、プレイヤーを飽きさせない濃密な体験が詰まっている。
二度も三度もおいしい、遊びが変わる二段階パズル

『Play Twice』は倉庫番の基本ルールとは少しずれる部分があるため、公式ページで言われている通り倉庫番”風”のゲームといえる。しかし、それを踏まえてもパズルとしての遊びを変えるような、本作ならではの魅力があった。
二度遊ぶコンセプトが多角的に盛り込まれ、後半から一捻りした展開になるのが面白い。30以上のステージがあるが、独特な手触りと、追加ステージの意外性で最後まで飽きさせることが無かった。
シンプルなゲーム性とオリジナル要素を凝縮した本作では、短いプレイ時間の中で濃い体験を味わう事が出来る。パズル好きはもちろん、普段このジャンルに触れない人にもおすすめしたい、そんな一作だ。
〈詳細情報〉
| ゲーム名 | Play Twice |
| ジャンル | 倉庫番パズル |
| ストア価格 | 350円 |
| リリース日 | 2025年3月12日 |
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