
ゲームの記事を書いて人を集めても、そこで回るお金はゲームの外へ流れていく。そのことに、少し納得がいかなかった。
わたしは神奈川の片田舎で、ひっそりとHARF-WAYというゲームメディアを運営している「こうゆう」と申します。都会に出て社交的に立ち回る度胸も、軽やかに人とつながっていく器用さもあまりありません。
もともとは一人でゲームブログを運営しており、広告やアフィリエイトでささやかなお金を得ていました。でも、どれだけゲームの記事を書いても、表示されるのは別業界の広告ばかりでした。
ゲームの記事は人を集めるための入り口で、その先で潤うのはゲームとは関係のない商品やサービス。その構造に、どうにも違和感があったんです。
ゲームで人が集まるなら、その価値はゲームに近いところへ返るべき。
個人ブログではなく、複数人で運営する「メディア」を選んだのは、その方が業界に対しても、書き手に対しても、少しだけ説得力を持てる気がしたからです。
それに、自分一人で書き続けるだけではなく、誰かと一緒に何かを作りたい気持ちもありました。
自分自身、ライターとして実績を積むまでに苦労したことがあったので、経験がなくても気軽に書ける場所があればいいのに、とずっと思っていたんです。
そんなふうに、ぼんやり理屈を並べてHARF-WAYを始めました。理屈のうえでは成立する気がしても、実際はうまくいったこと以上に、思ってもいなかった課題が多くて苦戦しています(詳しくは後ほど)。
どんなゲームメディアを作りたかったのか
まず最初に考えたのは、ゲームメディアをどんな場所にしたいか、ということでした。
参考にしたのはオモコロというWebメディアです。実態はHARF-WAYと全く似ていないのですが、ライターそれぞれに個性があって、既存の枠に囚われないコンテンツに憧れを持っていました。
ゲーム記事といえば紹介・レビュー、もしくは攻略記事。そういった見慣れたフォーマットしか見かけないと思っていました。ゲーム記事はこうあるべき、という共通認識なのでしょうか。
大手ゲームメディアは「情熱的なゲームファン」に対してアプローチすることに長けています。もちろん、それはビジネスとして自然なことです。でも、自分はそこに少し距離を感じていました。
ゲームに対して知識と経験があって、読む意欲のある人が楽しめるもの。深掘り記事も大切だけれど、そればかりだと「富むものはさらに富み、貧しき者はさらに貧しくなる」みたいで好きになれなくて。
自分としては、真っ新な状態で読んでも楽しめるゲーム記事を読みたかった。そして、そういう方針のゲームメディアは自分の知るかぎりでは見当たりませんでした。だから、自分で作ることにしたんです。
そうしてゲームメディアを始めたわけですが、実際の運営は理想どおりにはいきませんでした。ここからは、HARF-WAYをどんな場所にしたかったのか、そして実際にやってみて何が見えてきたのかを書きます。