『Human-powered spacecraft』というストーリーのあるクリッカー作品を遊んだ。読み切りマンガみたいなボリュームで丁度良い。120円の50%オフで60円。約40分でクリア。こういう作品を俺は待っていた。
人類が爆増している繫栄黄金期。新たなる開拓地を探すべく主人公は宇宙に旅立ち、植民船団と合流して開拓地を探す予定だったものの、超爆発を避けるために宇宙船のエネルギーを使い果たして遅れを取ってしまう。宇宙船の操縦はAIロボに任せ、主人公とパートナーと思われる人はコールドスリープで眠っている。SFの知見はないけど、こういうロマンを感じられるなら色々と読んでみたいと思った。
流石のAIロボもヤバいと思ったのか主人公を叩き起こし、「エネルギーがなくなってやべぇっす」と相談。いきなり起こされてトラブルを報告されてパニックになる主人公を見て、腹案を練るからもう一回寝てくれと頼むAIロボ。主人公がいたたまれ過ぎて面白すぎる。そこから数秒立たずに1年が経過する。
年単位で起きて寝てを繰り返した後、眼前に広がるのはエアロバイク。ロボいわく、自分で何とかしてくださいとのこと。That’s right、チャリを漕げといわれている。誰に吹き込まれたのか覚えてないけど、全人類はチャリンコから電力エネルギーを得られることを知っている。起源は一体なんなのだろうか。
仕方なくペダルを漕ぐ。画面の先では、人間がマウスをひたすらクリックしている。主人公は人間。休みなく動けば酸素も切れる。そこでロボットは酸素供給マシーンを作成。このゲームに体力の概念はないので主人公が休む理由はなくなった。主人公、ひたすらチャリを漕ぐ。わたし、ひたすら左クリック。面白い。
エネルギーが戻ってくるとロボットもやる気を出しはじめ、ペダリングに慣性が乗る「下り坂機能」(操作しなくても勝手にエネルギーが貯まる仕組み)だったり、ジャガイモを育ててエネルギー生産を手伝う仕組みを用意してくれる。だったら人間を使わずに自動化できるだろと思ったけれど、それはそれなんだろう。
最後の最後に一波乱あり、その後は無事にハッピーエンド。最後まで遊び終わって、ゲーム性とか、物語性とか、本来はなんないらないのかもと思った。このクリッカーは呆気らかんとしてるけど、いまの自分の感性に潤いを与えてくれた気がする。これは面白いとは似て非なる感情。
言語化が難しいのだけど、媚びがないというか、面白さとか、ボリュームとか、その土台にいない気がする。昔のゲームはうんたらかんたら、みたいなことを言う気はないけど、いまみたいな論理の圧を感じないゲームだった。こういう作品をもっと見つけたい。
面白さが絶対的な指標になっているけど、そんなに重要じゃない気もする。そりゃ幅広く売るためには必要だけど、作品として必要不可欠かと言われればそうでもない。面白いから好きになるのは当然だとして、面白くはないんだけど不思議と好きって作品に隠れてる要素を見つめることが大切だと思う。
ゲームを売る側だったら話は変わるけど、あくまで消費者として遊ぶ側に立った際、根拠のある面白さを盲目的に信じるとダメになる気がする。この辺は何処かでゆっくり言語化しておきたい。深く考えたことはなかったけど、自分のアイデンティティかもしれない。
ゲームボリュームの話も同じ。費用対効果で考えたらどんなゲームも陳腐化すると思う。「この値段でこれだれしか遊べないのか…」みたいなのを見ると、つまんね~と思っちゃう。自分の感じる面白さに論理的な正当性を求めれば、良いと感じた感性がサビ付く可能性もある。正しさに心酔すると面白さは欠ける。
今日遊んだゲーム。正直言って微妙だと思う。すぐ終わるし、クリックしかしないし。手放しで絶賛する人はいないと思う。それでも自分は好きだ。なんで?って言われても表面的なことしか説明できない。根底にある微妙な感情の変化は、ゲーム性とかで言い表せないから。ここを文章に書き下ろしたいから日記とかエッセイに手を出しているのかもしれない。
今後もこういうラインの作品を見つけられたら良いなと思う一日だった。