突然なんですけど「マジック:ザ・ギャザリング」って知ってますか。通称MTGとも呼ばれていて、総プレイヤー数5,000万人を超える超有名カードゲームです。
1993年に「ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社」からリリースされたタイトルにあたり、30年以上の歴史を持っている重鎮的ポジションのTCGといえます。軽く調べると、世界で最初のトレーディングカードゲームとのこと。それが今日まで続いてるのがスゴイ。
ここまで知識マウントを取りましたが、わたくしMTGを遊んだことがございません。なんならルールすら知りません。なんか色ついた英語のカードをバンバン出し合う難しいゲームだと思ってます。
なんですけど、ここ最近はMTGの解説動画ばっかり見てるんですよ。ルールを覚える気は全くないので、何がなんだかサッパリ分からないままオジサンが楽しそうに喜んでる映像を眺めている状態です。
MTGを取り扱う国内カードショップで最大手と呼ばれる「晴れる屋」のYouTubeを作業用BGM代わりに流していて、有名デッキ同士の対戦動画とか、プロ選手のインタビューとか、イロモノ企画とか。
全く知らん用語で、全く知らんコンボをして、オジサンが喜ぶ姿を見て、オジサンが喜んでいる構図。これは激アツ。カワイイ女の子とか一切でないからね。ちょっとは出てほしいよ!!
とくに好きなのが「オタクカード紹介」という名物企画。カードショップ店員でもある演者の皆さんが「知られてないけど実は強いカード」を紹介するもの。もちろん、強いかどうかの判別は付かない。だけど不思議と面白くて食い入るように見てしまう。
なんで覚える気のないゲームの動画を見ているのか。
ふと、疑問に思った。
まず第一に「楽しそうだから」だ。自分に興味がないものだとしても、他人の笑顔や熱量は時としてエンタメのように機能する。テレビでも偏愛を軸にしたバラエティ番組が放映されることも多い。
つまり、常人よりも遥かに高い熱量を持っている&なんだか楽しそうというだけでコンテンツになる。特定領域における知識や技術が重要だと揚げ足を取られがちだけど、もっと根源的な部分に面白さの鍵が隠れているような気がしてならない。
晴れる屋の動画は「国内最大級カードショップの看板店員(高い熱量がないと最前線に立てない)」&「カードゲームが好き(仕事はもちろん、プライベートでも遊びまくってる)」の掛け合わせなので条件は満たしている。要するに語るに値する人達なのだ。
シンプルに見えるものの、常人には到達できない狂気がないと成立しないと思う。従って、再現性があるのかと言われればそうでもない。人生を捧げるくらいネジが外れてないと土俵に立てない気がする。
二つ目の理由は「納得感」である。カードゲームの場合は特定のロジックによってコンボやシナジーが成立するため、カードの強さを説明するときに大まかなカラクリを説明する必要がある。
演者の皆さんの言語化能力も去ることながら、必要な部分以外に触れない端的さが素晴らしい。「これとこれでこうなる!強い!!」くらいの短さ。強みだけに絞って具体例を添えて言語化する。この要約力によって「腑に落ちた感」が生まれている。
どれだけ動画を見てもカードの知識は増えない。しかし、「本来の展開はこうなって弱いんだけど、コイツによってカバーされるから強い」みたいな説明を受けると、いままで知らななかったバックボーンが生まれて一気に納得するんですよね。
つまりだ、どんな作品か知らなくてもバックボーンに触れてから端的に説明すれば、本来は知らないはずの取っ掛かりが生まれて納得感を得られる。こちらは構造を真似することで模倣できる可能性がありそうだ。
だけど大事なことが一つある。自分に教えてくれる人がその道のプロであり、凄まじい熱量で各カードを解説してくれる点だ。納得感と安心感を混ぜることで、ゼロでも楽しめるコンテンツになっている。
そう考えると、「知らなくても楽しめる」は想像よりも意図的に生み出せるのかもしれない。さすがに片手間にやれるほど甘くはないと思うけど、ゲームを遊ばない人が純粋なエンタメとして読めるコンテンツも夢ではない。
自分はMTGを知りたいわけではなく、MTGに人生を捧げた人間の生きざまを眺めて、自分はここまで狂えなかったなと憧れたいだけなのかもしれない。中身なんて知らなくても十分に楽しめるのだから、コンテンツとはつくづく残酷で、思ったよりも人間的だ。
今日遊んだのは『巫兎 – KANNAGI USAGI -』。言うなれば無料SEKIROゲーって奴だと思う。チャンバラしながらパリィで弾く気持ち良いアクションゲーム。この手の作品は遊ばないので新鮮だった。
日頃から愚痴をこぼす友人から「遊んでいるところを見たい!」とリクエストされて挑戦。思ったよりも動きが分かりやすく、カッコいいアドリブ音ゲーみたいな感覚で楽しめて良かった。
ボス戦のみなので雑魚に囲まれてボコられることもなく、それなりの歯ごたえを持った固有ボスと即戦えるのが良い。強スキルで無双なんて当然できないので、通常攻撃と弾きで真剣勝負できる愚直さも良い。
敵の攻撃方法も多すぎず少なすぎない。見たことないけど似てる攻撃が多いので、数回死んで覚えれば割と簡単にチューニングできる。ここを変に難しくしたらSEKIRO大好きマンの巣窟化は免れなかった思うので英断だと思う。死にゲー初心者への間口が広い。
総じて、俺上手くね?と勘違いしたままクリアまで走り切れるのでストレス発散になった。対人戦をするゲームでもないので、実際は下手くそだったとしてもバレる心配はない。井の中の蛙は大海を知らなくても楽しく生きていけるのだ。
steamの年間ハイライトが表示され、遊んだゲームを見たら309本だった。去年より14本少ないらしい。もう戻れないところまで来ている。嬉しいような、虚しいような。
そのうち新しいゲームは282本。積んでるゲームを含めれば余裕で300本以上を購入している計算になる。晴れる屋の店員さんがMTGに人生を賭けているように、自分もゲームに人生を賭けているのかもしれない。
細々と400円前後のゲームを買い続けられるくらいには稼ぎたいものですね。