梅田と難波を間違える

大阪ゲムダンである。

22時45分新宿発のバスなのに20時30分に到着。早すぎるが、電車が遅延するかもしれないし、どのバスに乗るのか確認したかったから仕方ない。お金の心配もなく新幹線になれる人間にわたしはなりたい。

一人で県外遠征するのにも慣れてきた。多くのイベントは都内でおこなわれるので、ちょっと面倒な思いをすれば都内に出られる。住んでいる場所は山の麓なのだけど、丁度良い立地条件なのかもしれない。

この活動を初めてから外に出る機会が増えた。相変わらずコミュニケーションスキルは欠如しているけど、足を使って色々な場所に向かう経験は決して腐らない。カッコよくいえば、芸の肥やしである。

でも、もうちょっとだけ、面白いことに顔を突っ込めるフットワークの軽さがあればな~と思うのは贅沢でしょうか。ライターとしての素養を磨く必要がある。

「ゲームライターなんだからゲームに詳しければ良い!」、というわけではない。むしろ逆だ。作品から遠い場所に着地するからこそ、その手の記事は面白くなると思っている。

もっと、人生そのものの密度を高めないと作品に負けてしまう。万が一にも「あいつタダ乗りしてるだけやん笑」といわれたら発狂するし、中指が曲がらなくなってしまう。そうならないためにも、ゲーム以外の距離感やバランスを見つめ直したい。

ある種、夜行バスは自分磨きだ。

そして、寒い。

室内の待機所は人が溢れていて座るどころの騒ぎではない。何も考えずに棒立ちすることすら憚られる人の量。敗戦した兵士の如くとぼとぼと逃げだし、停留所付近のベンチに座ることに。

さっきから、バス時間のアナウンスに合わせて全力ダッシュする若者が目立つ。どうしてだ、絶対に余裕があったろうに。イヤホンしてスマホを操作していたのだろうか。それにしても結構な速度で走っている。あれはまさしく”ダッシュ”だ。

暇だからといって、この時点で書きすぎると、「俺たちの戦いはこれからだ…!」で終わる漫画みたいな展開になりそう。メインは大阪ゲムダンだぞ、俺。

こうやって文章を書いているとライターっぽい感覚を味わえて嬉しい。渋々、文章を書いているだけだとしても、この一人遊びは最高にコスパがよい。

お金を掛けずに楽しめる趣味を持つ。地味に掲げていた人生の目標は達成できたけど、冷静に考えれば、そんな暇がないくらい仕事に没頭できる環境を作り上げた方が良かったのではと思ったりもする。

そうこうしている内に、バスが到着。

席が独立するタイプなので左右の間隔が広い。等間隔で間が空いている。今まで乗ったことがないタイプだったから驚き。こういうのもあるらしい。さっきまでの苦痛が嘘みたい。

謎に安かった割に足は伸ばせるし、言うことなしだ。嬉しい!往路で予約したから、この調子で帰りのバスもお願いしたい。しかも、仕切りカーテンまで付いてて凄い。これしか勝たん。

今まで乗ってきた夜行バスは一体何だったのだろうか。いままでの夜行バスで一番良い可能性がある。

でも、止まる回数は少なめだった気がする。快適だったがゆえ、降りることをせず、しっかり寝てしまった。身体が痛い。強引に降りた方が良かった気がする。これもまた、旅の醍醐味だ。

なんやかんやで第一停留所、京都駅に到着。今回の目的地は大阪なので、窓からチラ見する。見覚えのある、商業施設のロゴ。来年も、ビットサミットにお呼ばれされたら良いな~

そこから再度、消灯。もう一眠り。次はいよいよ大阪。夜行バスで大阪に来るのは2回目である。最初に来たときも早く着き過ぎちゃって、お店が開いてないからマックに入って時間を潰したことを思い出した。

ちょっとした記憶の積み重ねが、確実に後の人生に彩りを与えてくれる、と書いたらカッコ良いかなと思って書いてみた。浅さかな考えが日記らしくて何だか嬉しい。

なんだかんだで大阪梅田に到着。「マイドームおおさか」という情報以外は何も調べていない(調べろ)。7割くらいの情報で留めておいて、現地でどうにかするライブ感が好きなのだ。これでも意外となんとかなる(いつか痛い目を見ると思う)。

大阪ゲムダンの最寄り駅は大阪or難波と予想していたものの、蓋を開けると「堺筋本町駅」だった。どこだ、ここは。ちょろっと調べてみると、なにやらビジネス街らしい。商工会議所的な建物がいっぱいある。

先んじて開場を視察。時刻はまだ朝の8時。メディアパスを使っても、会場入りできるのは11時。3時間の空白がある。案の定、早い。案の定、店はほぼ空いてない。いや、嘘ついた、コメダがある。

早く着きすぎたときに生まれる待ち時間が結構好きだったりする。目的地も分かっていて、時間も余裕があって、ほぼ遅刻することがなくなったときのエンペラータイム。あれほど悦に浸れるものはない。

たった数時間、早く出向くだけで良い。そうすれば、本来は存在しない「穴埋めするための」時間が生まれる。なんだか哲学っぽいなと思いつつ、駅の近くにあったコメダに飛び込んでこの文章を書いている。

そして、ゲームダンジョンが開幕。今回やることは大きく2つ。インタビューと売り子。一応メディアなので責務を果たすとして、それが終わった後は売り子である。とうとうブース出展側で参加するわけです。なんとも感慨深い。

今回は自分じゃなくてHARF-WAYライターさんにインタビューをお願いしたので、自分は完全にバックアップ要員に。後人育成する立場になったのだなと思うと、嬉しいような、まだ自分には早いような、という気持ちになる。

なので、誰かが書いたインタビュー記事が上がります。

そんなこんなでインタビューが終わり、売り子へ直行。今回お邪魔させて頂いたのはお馴染みの『Forever Time』さん。「人手が足りなくて…」ということで電撃参戦。売り子童貞卒業である。

最初こそ木偶の坊でしたが、徐々に慣れてきて「このゲームは兵庫県西宮市を舞台にしたビジュアルノベルでして、実際に撮った写真にキャラクターを掛け合わせた映画っぽい作風になっているのが特徴です(原文ママ)」みたいな呪文を唱えるまでに成長。

意外とやればできるらしい。

仲の良い知り合いにも会えたし、ネット上で崇めていた人にも会えたし、ゲームに食いついてくれた人にも会えたし。良い経験をさせてもらった。楽しそうにしている人を眺めるのが一番好きだ。

それに、「HARF-WAYさんですか!」と呼ばれるのも嬉しい。言われるたび、「メディアじゃん!」と小躍りしている。応援されているんだなと、身に染みる。あなたのおかげで続けられています。

今日、同行していたライターさんに「窓口がないから褒めたいけど褒められないんですよ!」と言われた。メディアに自我がなさ過ぎるのも違うのかなと思ったりなどする。わたしはいつでも、褒められたい。

何もかもが面白い1日だった。このまま走っても良いんだよと言われた気がした。失敗したときに責任をなすりつける気はないのだけど、色々な人に許されているような気がした。

来て良かったよ、大阪。

難波と梅田がごっちゃごっちゃになって帰りのバスターミナル間違えたけど、なんとか帰れそうなので、わたしは元気です。

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