美しくも異質な空間から脱出せよ――リミナルスペース×FPS/TPSのサバイバルホラー『P4ST3L(パステル)』ブースレポート&開発者インタビュー【DREAMSCAPE#4】

2026年1月18日(日)、東京・秋葉原UDX Galleryにてテーマ特化型のインディーゲーム展示会「DREAM SCAPE#4」が開催された。

毎回異なるテーマでインディーゲームを展示するDREAMSCAPE。今回で4度目となる本展のテーマは「ホラーゲームオンリー」、2024年の第2回以来のテーマだ。

アロマ散布や手の込んだパンフレットなど、毎回おしゃれな演出が印象的なイベントだが、今回はホラーゲームに合わせた暗めの照明が会場を包み、ダークな空間を演出していた。

出展された作品もテーマに見合うホラー作品が並び、会場はおどろおどろしい雰囲気を纏いながらも、来場する大勢のお客さんで賑わっていた。

本記事で紹介する『P4ST3L(パステル)』はリミナルスペースを探索するFPS/TPSのサバイバルホラーゲームだ。

引き込まれそうになる空間を不気味なクリーチャーが徘徊し、限られたリソースを管理しながら脱出を目指す本作は、緊張感のあるサバイバルホラーらしい体験を味わえる。

今回は、試遊や早期アクセス版のプレイで得た本作の魅力と、開発者である「うさぎのDJ」氏へのインタビューで語られた制作背景や今後の展望をお届けする。

リミナルスペースからの脱出――美しさと恐怖は同居する

▲デモ版タイトル画面

『P4ST3L(パステル)』は美しいリミナルスペース(※)とFPS/TPSを掛け合わせたサバイバルホラーだ。

※人のいない屋内プールや廊下・階段などの閑散とした人工空間。ネットミームとしては海外発祥の「The Backrooms」が有名。

誰もいない回廊を銃を持ちながら探索するコンセプトだけでも興味をそそられる。そこに不気味なクリーチャーや謎解き要素、バックボーンとなるストーリーが絡み合い、ゲームとしての面白さに厚みを持たせていた。

▲誰もいない閑散とした空間

過去の試遊ではChapter.1として「誰もいない屋内プール」をベースとしたリミナルスペースが舞台になっていたが、今回の試遊ではChapter.2にあたる「入り組んだロビー」のようなステージが舞台になっていた(「The Backrooms」のLevel 0:”The Lobby”のような空間だと言えばイメージしやすいだろうか)。

閑散とした通路に今にも動き出しそうな日本人形が鎮座していたり、地下シェルターのような広大な空間が存在したり、異様な雰囲気を醸し出している。

▲迫りくるクリーチャー

本作ではそれらの要素に加え、クリーチャーが存在する点も特徴の一つだ。

ただでさえ異質な空間を不気味なクリーチャーが徘徊しているのが怖く、ホラーとしてもサバイバルとしてもその存在が際立っている。

彼らに近づくと、視界の外に居てもいびつな鳴き声が聴こえ、プレイヤーの恐怖心を煽っていた。そういった点もホラー演出に繋がっているといえるだろう。

ヘッドホン推奨だ。

▲所持できるアイテムは一度に6つまで

また、HP・スタミナ、空腹度や渇き度などのリソース管理をする要素もあるため、闇雲に進んでいけば良いという訳ではない。特に銃弾は比較的貴重で、状況次第では敵を倒さずに進む判断も求められる。

それらの要素が上手く絡み、緊張感のあるプレイフィールを体験できる点が本作の醍醐味だ。

特に、Chapterごとに異なるボスは本作の特筆すべき点とも言える。

攻撃を一切受け付けなかったり、何度倒しても復活したり、通常のクリーチャーにはない特性を持っているため一筋縄では行かない。

あくまでゲームの目的は各ステージからの脱出なので、プレイヤーはボスから逃げながら出口を探すことになる。ただでさえ入り組んだマップを強敵に追われながら進むため、絶妙な緊迫感を生み出していた。

筆者もゴールが見つからない中、何度も復活するボスに追われ、焦りを感じながらも手に汗握る脱出劇を繰り広げていた。

▲『P4ST3L』のブース。グッズが沢山並んでいる。

また、イベント当日は『P4ST3L』のブースでアクリルスタンドや缶ケース、Tシャツなどのグッズも販売しており、特にPS2ソフトのパッケージを模したSteamキー入りのケースに目を奪われた。。

もし別のイベントで本作のブースへ立ち寄った時は、グッズもぜひ見て行ってほしい。

▲PS2ソフトのパッケージを模したケースとサイン付きアクリルスタンド

好きなもの×好きなものはやはり強い――開発者うさぎのDJ氏インタビュー

会場では、開発を手がける「うさぎのDJ」氏(以下、うさぎの氏)から制作秘話や今後の展望を伺えた。

リミナルスペース×FPS/TPSはなかなか見られない珍しい組み合わせだが、それはうさぎの氏の「好きなもの×好きなもの」でゲームを作りたいという思惑から生まれたものだそうだ。

うさぎの氏は「The Backrooms」を題材にしたファウンド・フッテージ(※)やサバイバルゲームが好きで、その二つを掛け合わせた結果『P4ST3L』のコンセプトが生まれたという。

※モキュメンタリーの一種。第三者によって発見された行方不明者の映像の事などを指す。

▲TPS視点にも切り替え可能

また、前項でも述べた本作の緊張感は、どのような事を意識して作り込まれたのだろうか。

うさぎの氏曰く、それらの緊張感を出すためにプレイヤーの”焦り”を生み出すことを意識したという。

例えば、ボスと対峙した時に味わう「今までの経験が通じない危機感」がその一つだ。それまでは銃でクリーチャーを倒せていたにもかかわらず、ボスには通じない。脱出経路を探さなければならない状況なのに、背後からは攻撃が効かない存在が追いかけて来る。

その状況がプレイヤーの焦燥感に繋がり、緊張感を生み出すのだ。実際に筆者がプレイした際にも、息をつかせる間もなく追って来るボスには恐怖を覚えた。

▲迫りくるボス

他にも、ボスを出す前の段階でストーリー性を持たせる事も、演出として取り入れたそうだ。

例えば、ステージ内には何かに襲われたのであろう死体や、危険な存在を示唆するフレーバーテキストなど、謎めいた存在を匂わせる要素が盛り込まれていた。

それらは物語を補完するとともに、プレイヤーの脳裏に「ここを進んだ先に何かがいる」という不安と緊張感を与えている。

そして、『P4ST3L』の今後の展望についても伺う事が出来た。

現状、本作の戦闘は銃で戦うシンプルなものだが、今後スキルシステムが導入され、攻撃や回復、トラップ精製などが出来るようになるという。実際に過去に投稿されたYouTube動画でも、主人公が魔法を使うシーンを見ることが出来た。

他にも、ゆくゆくはエンドコンテンツとしてランダム生成マップを導入する予定だそうだ。周回プレイを前提とし、やり込み要素の一つとなるという。筆者としても、リミナルスペースの空間が際限なく生成される事には非常に魅力を感じる。

印象的な本作のクリーチャーも、今後バリエーションが増えていくという。例えば、遠距離攻撃をする敵や、仲間を呼び出すクリーチャーが登場する予定とのこと。

本作は既に早期アクセス版がリリースされており、Chapter.1〜2とそのハードモード、高難易度となるBLACKOUTモードを遊ぶことが出来る。Chapter.2まででもまだ序盤だそうで、今後も新たなChapterや前述した追加要素が増えていくとのことだ。

まだまだ広がりを見せる『P4ST3L』の世界に、ぜひ注目して欲しい。

〈詳細情報〉

ゲーム名P4ST3L
ジャンルリミナルスペース×FPS/TPS
ストア価格890円
リリース日2025年12月24日

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