クリアしたゲームの余韻に浸りながらキャッチーなレビューをお届けする『クリアの後で。』
第18回は砂漠にさまよう魂を解放しながら旅をする旅団を見守るゲーム『まぼろしキャラバン』です!
概要:砂漠を旅しながらさまよえる魂を解放しよう
本作は漂う魂を開放するために砂漠を周遊するキャラバンの観測者となり、彼らの手助けするゲームです。キャラバンは基本的に自動的に行動するので、プレイヤーはそこまで忙しく操作をする必要はありません。
放置でもある程度進めることはできますが、宝箱の取得や他キャラバンとの交流などはゲーム画面をクリックしないとイベントが発生しません。とはいえ、クリックできなくても特に困ることは無く、少し効率が上がる程度の認識で大丈夫です。
また彷徨える魂が実体化すると、人やラクダ、ネコ、人外など様々な形に変化します。グラフィックは画面上方の狭い部分しかありませんが、天候や砂煙などが上手く表現されておりとても良い雰囲気です。
リーダーを先頭にして、様々な種族が並んで砂漠を進むドット絵は見ていて飽きません。
システム:放置ゲームではなく見守りゲーム
このゲームはクッキークリッカーのような見るたびに跳ね上がっていく数値をニヤニヤ眺めるゲームではありません。あくまで砂漠を旅するキャラバンの行く末を『見守る』ゲームなのです。
キャラバンの目的は砂漠の各地を巡りながら、文献を集めたり彷徨える魂を解放すること。
魂を開放するには以下の手順が必要となります。
- 彷徨える魂を見つける
- 魂を実体化する
- 敵と戦い、魂のチェイン(鎖)ゲージを減少させる
- チェインが0になると魂が開放可能になる
- 解放されると魂はキャラバンから消える
魂が開放されるとポイントが加算され、一定に達するとアイテムなどがもらえる『奇跡』を起こせます。戦闘や魂の発見は自動で行われますが、実体化、解放、奇跡の実行などは手動で行わなければなりません。
記録館:世界観を知る重要な手がかり
本作はストーリーがない代わりに、世界観を知るための資料を保管する『記録館』が存在します。折を見て街に立ち寄ったり、魂を開放して少しづつ増えていく資料を眺めるのも醍醐味の一つ。
同じ街でも訪れるたびに新たな情報が開示されるので、砂漠の全ての街を巡ったからと言って終わりにはなりません。
魂の解放の合間に手に入れた資料を読み世界を知ることで、さらに旅が楽しくなるでしょう。
マルチ要素:他のキャラバンとのゆるい交流
砂漠で旅をしていると他のキャラバンに遭遇することがあり、出会うとアイテムをもらえます。ですが、個人的にはアイテムを受け取るよりも、孤独な砂漠で『自分以外の誰か』の存在を感じられることに魅力を感じました。
キャラバン遭遇時のメッセージは紳士的でウィットに富んでおり、読んでいてとても楽しかったです。自分のキャラバンは初期状態では他のプレイヤーには見えないので、是非設定をオンしてみてください。
総評:疲れた時にこそやってほしいゲーム
本作は見守りゲームですので『やらなければいけない』という強制力がほぼなく、プレイする際の敷居もかなり低いのが特徴。
キャラバンを見守りつつ僅かなリソースを管理する、そんな素敵なゲームです。
画面サイズも上部のドット絵の部分だけにしておけるため、他の作業をしながらゲームを楽しめます。
「ゲームやりたいけどやる元気がない」そんな時は砂漠でキャラバン、見守ってみませんか?