謎の信号、艦内での事件…レトロ調ピクセルアートが光るSFノベル『機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語』

アニメやゲームに触れる際、「初めて見るのに何故か知っている気がする」と思ったことはないだろうか。『機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語』の90年代を彷彿とさせるレトロなアートと登場人物を見て、私はそんな気持ちを抱いた。

あなたは木星軌道パトロール艦JFC『ガンドッグ』に警備士官として配属され、個性豊かな船員たちと宇宙での調査を行う。その中で謎の信号や見たこともない機体に命を脅かされることになる。

豪華なピクセルアートで描かれた戦闘シーンのほか、艦内の人間関係や恋人との複雑な関係も…。
今回はそんなアツいSFノベルゲームを紹介したい。

主人公は先の大戦で仲間を失った「あなた」

▲主人公の性別や名前は変更可能

星暦210年。環太陽系大戦で不慮の事故から仲間を失ったあなたは、その4年後に木星軌道パトロール艦JFS『ガンドッグ』に配属された。

終戦を迎えてからは平和な宇宙と思えたが、ガンドッグが受信した謎の救難信号に対する調査をきっかけに様々な危機が主人公たちに迫る。

とはいえゲーム序盤は本当に平和なもので、ガンドッグに赴任して初めて出会うのは恋人の「カサンドラ(キャシー)」。天真爛漫でおちゃめな雰囲気が溢れているが、なんとこの戦艦の副官らしい。

彼女が艦内を案内するとのことで、あなたは言われるがままに部屋を移動し船員との挨拶を済ませる。

魅力的な登場人物(特に艦長)

ガンドッグの搭乗者は艦長や副官といった指令系統を管理する役職のほか、士官候補生を含む約9名で構成されている。小さな戦艦はこれくらいでいいらしい。

ロボットやSFに詳しくない私が今作に惹き込まれたのは、個性的な登場人物たちのおかげだ。もちろん美しいピクセルアートや、戦闘シーンも魅力的なのは間違いない。しかしこの…メーリス・バーターミューズ艦長のことが私は好きで好きで仕方なかった。

公式HPによると、彼女は月軌道上の戦闘で命令ミスを起こし、多くの艦船を失って降格された元エリート。現在は喪失感からアルコール依存症になっている。

しかし人前では強気な姿勢や口調を崩さない。艦長としての責任感を背負いながら指揮を執る彼女を見ると、こちらも自然と背筋を伸ばしてしまう。

このかませ犬臭がする男、ハンセン・クルーイーズのことも紹介させてほしい。プライドの高いエースパイロットだが、この自信過剰で傲慢な態度は自らの心の傷を隠すためだそうだ。

戦闘シーンでも「アイツ、速いッ!」「ちょろいぜ!」などと次々に『ロボットアニメだったら絶対に最初に死ぬフラグ』を立てていくため、彼の未来が気になって仕方ない。

ちなみに友人はおらず、自分と同じレベルのパイロットただ1人を認めている。

選べる3種のグラフィックで、あなた好みのプレイに

今作にはフルカラーのビビッドモード、レトロなショウワオマージュ、そして絵柄がモダンな雰囲気に変化するスタジオオリジナルの3種のグラフィックが用意されている。

プレイ中にいつでも切り替えられるため、「この人物はスタジオオリジナルだとどんな感じなんだろう」など見比べることが出来る点も良い。

レトロな印象はアートだけでなく、BGMにも感じられた。オープニング曲などの耳に残るメロディがここぞというシーンで流れ、高鳴った胸が少年・少女時代だったあの気持ちを思い出させてくれる。


HARF-WAY コマーシャル

絵を一切使わずに文字だけで作られたテキストADV『文字遊戯』。様変わりした世界観が目玉と思いきや物語は思わぬ方向に進み、プレイヤーは言葉に干渉しながら世界を書き換えて真実と向き合うことになる。


全ての物語の始まりの場所、ガンドッグ

今作は『太陽系物語』シリーズの第1作目であり、ゲームのラストは気になる終わり方で幕を閉じる。とはいえ「何もかもが謎のまま終了!」ではなく、考察の捗るワクワクを残してくれるのだ。

エンディングを迎えた際、上記の画像が表示されて分岐ルートが確認できる。1チャプター毎の終着点は同じに見えるが、会話の選択肢によって色々な見方をすることが出来るのだろう。

最もわかりやすかったのは、物語の佳境で主人公と行動を共にするのを4人のうちから1人選ぶシーンだ。

▲共に行きましょう、艦長!その後ろのボトルは置いていってくださいね

私は迷いなく艦長を選択したが、ゲーム内の主人公は「他の人の方が適任かも…」などと優柔不断、いや、選択の幅を広げてくれた。

場面が頭に浮かぶ、小説のようなテキスト

今作は場面に関する描写が細かく表現されており、スチル絵が出ていないときもテキストだけでハッキリと頭にシーンが浮かんだ。

登場人物がどのような態度で話しかけてくるのか、戦闘時の敵や自機の様子はどうなっているのかなど、臨場感を感じられる描写が鮮明に書かれている。

自分たちではまるで歯が立たない敵機、艦内で起こる様々な事件、その犯人とは…といった気になる物語を事細かに語ってくれるテキストは読み応えがあり、没入感と満足感を得られた。

繰り返しにはなるが、私はロボットアニメやSFものに詳しいわけではない。知識に乏しい自分でもしっかりと「何だこれおもしろ!?」と思えた今作を是非プレイしてほしい。

艦内での人間模様と、星の海でのアツい戦いがあなたを待っている。

〈詳細情報〉

ゲーム名機動戦艦ガンドッグ 太陽系物語
ジャンルビジュアルノベル
ストア価格1,999円
リリース日2025年2月20日
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