ホラーは苦手!でも気になる…じんわりと怖さが忍び寄る『トガネヨビ』

皆さまは普段、ホラーゲームをプレイするだろうか。

私はどちらかというと、「怖いけどストーリーが気になるから人のプレイを見る派」だ。

今回紹介する『トガネヨビ』は、ホラーは苦手だけどキャラクターやストーリーがどうしても気になる!と、実況動画などを見ずに自分でプレイしたいと思える珍しい作品だった。

また、Steamのストアページには「ホラー風脱出謎解きゲーム」という説明もあり、「ホラー風」なら私にもできるかも…!と手にとることができた。

ややジャンプスケアがあったり、登場人物の顔が恐ろしかったりしたものの、ホラーゲームを普段プレイしない自分でもクリア出来るくらいの怖さだったこと、そして点と点が繋がる気持ち良さなど、さまざまな本作の魅力を伝えたい。

この記事は『ヴァンパイア株式会社』様の提供でお送りします

高額報酬謎バイト!絶対に危ないぞ!

本作はまず、「ハローバイト」のマキハラという人物から電話がかかってくるところからスタートする。おそらく求人サイトのようなものだろうが、これがどうにもきな臭い。

アルバイトの内容としては、午前2時に現在は使われていない「旧公衆通信機」と呼ばれる電話ボックスのような場所から、11箇所に電話をかけ接続テストをする、というもの。

現在は使われていないのに、どうして接続テストなんてするんだ…?やっぱり怪しい。

そしてどうやら、それをきちんと終えるまでは旧公衆通信機からは出られないようだ。

主人公のハチスカユウキは、「恋人と暮らすためにどうしてもお金が必要」らしく、この怪しいアルバイトに応募した。こちらもやはりきな臭い。

ゲームをする時、とにかく全てを疑って行動してしまうのはあるあるだろうか。

▲旧公衆通信機に映し出される主人公と、スマートフォンのホーム画面に映る恋人

主人公はスマートフォンを手にしているものの、今回のアルバイトでは端末を使用して誰かと通話してはいけないそうだ。何かが起きたとしても、警察や友人へ助けを求めることは出来ない、ということだろう。

10円玉が入った封筒とスマートフォンを手に、電話をかけるアルバイトが始まる。

ただ電話をかけるだけのバイトじゃないんですか?!

▲なんか…手の痕付けるのやめてください…

主人公が手に持つスマートフォンは通話をすることは出来ないが、マキハラに渡されたであろう11の電話番号、メモ機能、インターネットの検索は使えるようになっている。

電話に出てくれた人から得たヒントや、気になる単語を検索することでストーリーをより深く知ることができ、この電話ボックスから脱出する手がかりを得られるようだ。

冒頭のマキハラとの通話で、何か問われた場合は「私はクギビトです」と答えるように指示されたが…試しに「クギビト」を検索すると、なにやら物騒な検索結果が。

主人公はクギビト、生贄として捧げられる人物なのだろうか。ならあのマキハラは一体主人公になにをさせようと…?

単語を実際に自分で入力し検索していくシステムは、「ARG(Alternate Reality Game)」と呼ばれるジャンルに似ている。

ARGの定義は「現実世界を舞台に、WEBサイト、SNS、動画、街中の看板といったメディアを用いて、架空の物語を現実のように体験する没入型ゲーム」だそうなので、少しずれるかもしれないが、本作ではARGのような体験を得られるといって良いだろう。

本作をプレイする予定のある方は是非、紙とペンやPCのメモ帳の用意をしておくことを推奨したい。

なぜならゲーム内のスマートフォンのメモ機能だけでは足りないほど、たくさんの電話番号や情報が出てくるからだ。

▲実際にメモをとりながらこれがこうでああで…と考えるのは楽しい

クリアするために電話帳を100%にする必要はないが、「達成率」と書いてあったらなんとなくコンプ欲が刺激されてしまい、メモを確認しつつびびりながらも電話をかけまくった。

登場人物の過去や関係が明らかになり、更に本作を楽しめる要素となっているので、もし余裕があるなら是非100%を目指してみてほしい。

電話番号からたどり着ける、気になる人物たち

とりあえず、もらった電話番号リストを見ながら順番に電話をかけてみると、なにやら優しそうなイケメンが出てくれた!嬉しい!

しかも本作はほぼフルボイス。主人公以外にはボイスがついているのだ。

優しいイケメンが電話に出てくれて嬉しいが、電話相手によっては「おいで、おいで…」と呼ばれ続けたりして怖かったりもする。

気になるイケメンとの通話で「私はクギビトです」「ハチスカです」という選択肢が出たので、最初に言われたルール通り、自分がクギビトだと伝えた。

しかし結局不穏なメッセージを告げられ、また別の電話へつなぐために10円玉を入れることに。

だんだん電話ボックスの中が赤くなってきているような気がする…こ、怖い。これくらいでもびびってしまうので、心臓が筋肉痛になりそうだ。

ちなみにこのイケメンの名前をゲーム内で検索すると、「妖怪」であることが判明した。個人的には、慣れないホラーゲームの中で癒やしとなった彼のことが気になって仕方ない。

一定の回数、電話をかけると……

画面が歪み、ゲームオーバーに。

▲ゲームオーバーになると、メモに載っていない電話番号が表示される

そ、そんな…順番に電話をかければいいって言ってたじゃないですか、マキハラさん!しかも「マキハラを信じるな」って…やっぱり怪しいと思ったんだよあいつ!

本作は周回することで、ヒントとなる新しい電話番号を得られる。どうしてもわからなくなったら、制限がくるまで適当に電話をかけまくってゲームオーバー画面でのヒントを得る、というのもありかもしれない。

気を取り直して、再度電話ボックスへと入り、まずは先程のゲームオーバーで見た電話番号を入れてみたり、違う順番で電話をかけてみたりした。

▲右側になにか居る……
▲ち、近付いてきた!!!

不穏なものが画面に映りはするが、そのせいでゲームオーバーになったりはしない。あくまで電話をかける回数が関係しているようだ。

画面右につい視線がいってしまうが、電話の相手は「おねがい、はなれないで、おれには、お前しかいないんだ」と誰かに懇願している様子。センサー発動!!これはきっと、誰かと共依存関係にあるに違いない。絶対そう。

主人公は電話をかけているだけなので、彼らの会話を直接聞けるわけではない。そのため、この人とこの人は多分同僚で、とか、この人たちは多分夫婦で、というのを自分で考えて相関図を頭の中に作り上げていくイメージだ。

彼らはどういう関係なんだろう、どうして過去の電話でこんなことを言っているんだろう?と、怯えながらもどんどん電話をかけてしまう。

歪んでいても、素直な気持ちも、全ては「愛」のために

本稿を執筆する際、トガネヨビの制作者、じゃむさんっぽいど氏にお話を伺ったところ、「自分の作品は全てに共通して愛というテーマがあるんです」と教えてくださった。

主人公が恋人のために怪しいアルバイトをするのも、マキハラが主人公をクギビト(生贄)として電話ボックスへ送り込んだのも、もちろん他の登場人物も、「愛」が根本にあるからこその行動だった。

全員の愛が、どのような結果を生むのか。例え悲しい結果になったとしても、それは彼らにとって愛なのだ。ビジュアルはもちろんだがその点にも惹かれ、とてもヘキを感じた。

登場人物の「過去」に電話をかけることで、詳細な人間関係や、そこに愛情があることを感じられる。

私が苦手なホラーゲームをプレイできたのは、彼らのことをもっとよく知りたいと思えたからだ。

是非皆さまも、手元に紙とペンを用意してプレイしてみてほしい。そして点と点が繋がる気持ちよさを味わってほしいと思える本作だった。

〈詳細情報〉

ゲーム名トガネヨビ
ジャンルホラー風脱出謎解きゲーム
ストア価格1,280円
リリース日2026年1月28日
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