どれだけ面白いゲームでも、実際にプレイするところまでプレイヤーを到達させなければ意味がありません。その点、STGというジャンルはジャンル自体が敬遠されがちなもの。
今回紹介する「リボルギア・ゼロ」は、STG初心者にこそおすすめしたいとっつきやすさと上級者も楽しめる奥深さを両立させた完成度の高い作品です。
精緻なドット絵と賑やかなボイスに彩れられた横STG

本作はフリーソフトから同人作品までさまざまなSTGを制作し、コンシューマー移植も実現しているサークル「びっくりソフトウェア」制作の横STGです。
リスク&リターンを重視した構成の本作。攻防一体の武装「メガビット」を敵弾にかすめて貯めたゲージを消費して放つ強力な攻撃「バースト」を主軸として、ガンガン攻めていくスタイルが楽しめます。
精緻なドット絵で描かれた全7ステージはどれも個性豊か。爽やかな青空からスタートする1面から始まり、細胞ステージや戦艦ステージなど横STGのお約束が詰め込まれた多彩なバトルが楽しめます。
さらに本作では、前作にはなかったキャラクターボイスが追加。
人体実験によって生まれた人造兵士「ネクスト」の少女「三日月(みかづき)雫(しずく)」と、悲しみを抱える若きエースパイロット「一色(いっしき)緋音(あかね)」のたどる運命を盛り上げてくれます。
もちろん二人同時プレイにも対応、一部モードではAI操作のパートナーとの協力プレイが楽しめる、充実した内容の作品です。
豊富なゲームシステムと煩雑さを感じさせない構成

シューティングゲームには武装やスコアシステムなど、さまざまな要素があります。しかし、あまりにたくさんの要素を詰め込みすぎるとシステムが煩雑化し、理解が難しくなったりプレイが億劫になるもの。
個人的にSTGはショットとボム、もしくはそれに準じる強力な攻撃が基本であり、そこにスコアシステムを追加すると複雑になりがちという印象です。
本作は、攻防一体の武装「メガビット」、ビットを飛ばす「ビットシュート」、強力なレーザー「バースト」といった基本武装に加え、アンロックで追加されるさまざまな装備があります。
要素の数だけ見ると多いほうだと思いますが、プレイしていて煩雑さを感じることはありませんでした。なぜなら、ゲーム開始前にチュートリアルによって基本的な遊び方を簡潔に説明してくれるからです。
チュートリアル自体も長々しい説明ではないので、すぐにゲームプレイに移行できるのも大きなプラス。さらにゲームシステムへの理解を深めたい人には、さまざまな条件をクリアしていく「ミッションモード」も用意されています。
そしてゲーム本編、特に1面はそれらのシステムを使う実践練習としての敵配置や出現のテンポが計算されており、「こういう状況でこの武装を使ってください」というのが感覚でわかるようになっているのです。
本作はいわば、チュートリアルを段階的に分けることでゲームシステムの理解しやすさを向上させていると言えるでしょう。
豊富な残機数とデスペナルティの軽減による再挑戦のしやすさ

STGは基本的に何回もミスしながら覚えていくスタイルのジャンルです。しかし、STG初心者にとっては同じ場所でミスをし続けるとそれが壁になり、ゲームから離れてしまうことも多いもの。
その点、本作は最初から8機という豊富な残機数とスコアおよび各ステージに配置されたアイテムでのエクステンドがしやすく、ミスのペナルティを大幅に低減しています。うまくエクステンドしていけば、10機近い残機を確保しておくことも難しくはありません。
オールドスクールなSTGでは、ミスをすると戻り復活によってステージ進行を戻されてしまい、パワーアップを失った初期装備で延々と同じ場所をやり直すケースも。しかし本作はその場で復活するため、ミスによる大幅なモチベーション低下を防いでいるのです。
この「残機の豊富さとデスペナルティの軽減」は、前述の「STGは基本的に何回もミスしながら覚えていくスタイルのジャンル」と非常に相性がいいと言えます。なぜなら、「その場復活で残機が多いのでたくさんミスしてもいい=素早く何回もリトライできる」という図式が成立するからです。
STGにおいて、ワンミスのペナルティが大きいとプレイのモチベーションは大きく下がってしまうもの。本作ではそこをデスペナルティを軽減することでモチベーションの低下を防ぎ、、「モチベーションを保ったまま何回も死んで上達していく」というスタイルを実現しているのです。
STGのお約束をふんだんに取り入れた魅力的なステージ構成

STGに限らず、作品には「これをやってほしい!」というお約束があるもの。
本作は横STGのお約束をふんだんに取り入れており、STGに詳しい人ならさまざまな場面でお約束を感じられるでしょうし、STG初心者は本作に凝縮されたお約束を通じて横STGの魅力を味わえることでしょう。
鮮烈な青空が印象的な1面からスタートし、細胞ステージ、巨大戦艦ステージと「グラディウス」や「R-TYPE」といった古参シューターにはたまらない構成となっています。
また、各ステージに立ちはだかる中ボス・大ボスも個性的。変形ギミックを備えた戦艦からクリスタルのドラゴンまで個性豊かなボスたちがプレイヤーを苦しめ、また楽しませてくれるでしょう。
本作はさまざまなゲームモードもさることながら、これ1本で横STGの魅力を存分に味わうことができるボリュームの作品だと言えるでしょう。
「初心者から上級者まで楽しめる」を実現した間口が広いSTG
STGはジャンル自体が敬遠されやすい傾向があり、また作品数も膨大なので初心者にとってはどれから入ればいいかわからないことが多いでしょう。
「初心者から上級者まで楽しめる」はありきたりな惹句ですが、本作はそれを実現している稀有な作品であると言えます。
丁寧なつくりによって間口の広いSTGとなった本作は、STG初心者が最初に触れるSTGとして、また経験豊富なシューターにもやり込めるSTGとしておすすめの一本です。
〈詳細情報〉
| ゲーム名 | リボルギア・ゼロ |
| ジャンル | 横STG |
| ストア価格 | 1,480円 |
| リリース日 | 2026年2月18日 |
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