8月22日、吉祥寺。
駅から徒歩10分の『GALLERY IRO』にて開催された、ゲーム『OU』の原画展へ行ってきました。
今回はギャラリーの様子や、企画・シナリオ・アートを担当された幸田御魚氏に伺った貴重なお話も…!
原画展の開催は8月24日まで。しかも無料!!!無料でいいんですか?という気持ちしかないので、魅力を伝えさせてください!




「だれかのための物語」

そもそも『OU』って一体どんな作品なの?というところから軽く触れていきましょう。
今作は、記憶をなくした少年OUがウクロニアという世界で目覚めるところから始まります。オーユー、って不思議な名前ですよね。
そこで最初に出会うのは尻尾に火が点いたオポッサムのサリー。水に濡れて火が消えても意外と大丈夫そうなたくましい彼が、OUの手助けをしてくれます。
不思議な動物や奇妙な存在と出会ったり、『ふせん』を投げて何かアクションを起こしたり、大きな怪物のようなサウダージゴーストに追われたり。
絵本のようなゲーム画面と、少し寂しさを感じるような音楽がとても魅力的な作品です。
ゲーム内BGMが流れる素敵空間
ギャラリーの少し急な階段を上がっていくと、聞き覚えのあるBGMが。ゲームの音楽が流れているとそれだけで嬉しくなっちゃいますよね。

BGMに加えて床板がギシと軋む音や、靴のコツコツという足音のすべてがこの素敵空間を作っているんじゃないか?!と思うほど、気分の高揚を感じました。

ちなみに私は美術館はもちろん、原画展なども行ったことがなく、通りすがりのポップアップストアに「なんか知ってる作品があるな~」とかその程度。この作品のために作られた空間に入るのは初めてでした。
壁面やファイルにはたくさんの原画がみっっっっちりと詰まっていて、見応え抜群。ファン大喜び。










ファイリングされた原画は額に入っている作品よりも距離感が近く、端っこにペンの試し書きがあったり、ボールペンで黒く塗りつぶした部分のデコボコを肉眼で確認出来て面白かったです。
もちろんOUはプレイ済。自分の好きなシーンや動物のイラストがあったらいいなと思っていたところ、それどころではない枚数の展示に圧倒されました。


G-MODEさんや関係者さんとお話をしていると……
幸田御魚氏?!?!?
あ、あなたがこのゲームを…この背景を…人物を…?!
まさか企画・シナリオ・アートを担当された幸田御魚さんにお会いできるとは思わず、色々とお話を訊いてしまいました。緊張して「(動物の絵が多いから)動物好きなんですか?」とか言っちゃった。セキセイインコと猫ちゃんを飼われているらしいです。
G-MODEさんのXで見たのですが、開催前日に1日かけて設営されたとか。

こんなにも細やかな作品たちは下絵を描かずに、ほぼ一発描きらしいです…!

特に印象深かったのが、「ドットじゃなくても、綺麗な3Dじゃなくても良くて、自由な表現としてゲームの作り方の一例になっていたらいいな」というお話。
流行りとかはあるかもしれないけど、そればかり気にすると本来自分が作りたいものと離れていく。みたいなのはきっと皆さんも感じたことがあると思うので、うんうんと頷いてしまいました。
「繊細で美しい背景は実際の風景を撮影して参考にしているのですか?」と伺ったところ、「そればかり意識してしまうので、写真は撮りませんね」と教えてくださりました。何かに似せるのではなく、本当にすべてご自身で創り上げているんだ…!と感動しました。
HARF-WAY コマーシャル
絵を一切使わずに文字だけで作られたテキストADV『文字遊戯』。様変わりした世界観が目玉と思いきや物語は思わぬ方向に進み、プレイヤーは言葉に干渉しながら世界を書き換えて真実と向き合うことになる。

幸田さんお気に入りの1枚
たくさんの作品が展示される中、幸田さんが個人的に気に入っているという作品はこちら。

きっとどれも思い入れがある作品だとは思うのですが、こちらは実際に幸田さんが暮らしていたご実家のお部屋だそうです。
本棚には本がたくさん並んでいて、机の前からは外が見える窓があって…絵は小学校の頃から描いていたそうなので、その頃もきっとこの机で色々な作品を生み出していたのでしょうか。
皆さんは知らないでしょう、幸田さんが使うペンの太さを
作品について穏やかに教えてくださった優しい雰囲気の幸田さん。手に持っていたのは、「オシャレセット」と書かれた可愛いペンケース!レトロなデザインの随所に年季を感じさせ、物を大事にされているんだなぁと感じました。

作画には万年筆も使われており、YouTubeには実際に描いている映像も。
ここで気になったのが「ペンだこ」の存在。
あんなにも細かい絵を描き続けている方ですし……
もしかすると、きっと……

愛用されているボールペンは『signo』のインクがちょっと多めに出るタイプ。SARASAとかもそうですよね。太さは0.38と0.28を使い分けているそうです…!一体何本の替え芯を使ってこられたんだろう……。
「まさか手の写真を撮られるとは(笑)」と驚かせてしまいました。アーティスト様の大事な手!貴重な写真を撮らせて頂き光栄です!
ファイルの中に段ボール
サイズ毎にファイリングされた貴重な原画の中に、一風様変わりしたこんなものも。

1人でこれを見た時に、「何かのイベントでポップに使ったとか…?」と気になっていたのですが、幸田さんがいらしたので直接伺ってみました。
「まさかこんなものまで保存されていたとは思いませんでした(笑)」と仰る幸田さんから詳しくお話を聞くと、制作で使う機材を発送した際の段ボールに描いたイラストだそうで……。
他にもG-MODEさんの「空気読み。」シリーズの「お前Tシャツ」を身に着けたOUのイラストがあったり、チーム愛を感じられるファイルがあったので探してみてください。
本当に無料でいいんですか?
初めての原画展がこんなにも充実していて、今後普通の原画展で満足出来るのか心配になってきました。
このボリュームと愛がたっぷりのOU原画展は24日(日)まで開催。12時~※17時まで入場できるので是非とも作品を間近で見てください。
※最終日だけ17時まで

会場では画集も販売されていました。素敵な作品をお家でも楽しめるので、気になった方は是非!
もし気になった方は吉祥寺駅からのルートを記載したガイド記事も公開していますので、そちらも併せてご覧ください。






