多面的な要素で美しい世界観を作り出すドット絵アクションADV『フェノトピア』を紹介

いきなりですが、『フェノトピア』という作品をご存じでしょうか。美麗なドット絵の高難易度アクション、というイメージを持っている人は多くても、まだ未プレイの方も少なくないはずです。

この記事では、筆者の大好きなフェノトピアについて、良い部分と悪い部分に触れながら紹介します。気になっていたけど遊ぶ機会を逃してしまった方は、ぜひ参考になさってください。

フェノトピアの概要

『フェノトピア』は2020年にSwitch版、2021年にSteam版が配信された、ゼルダシリーズなどからインスパイアされたレトロ風2DアクションADVゲーム。

会話・謎解き・収集・サブクエスト・料理・釣りなど、これでもかというほど要素が多く、公式想定のプレイ時間は約30時間、コンプリートは約50時間。

収集物はステータス上昇アイテム、装備、スキルなど多岐にわたる

アクションについて

フェノトピアは多種多様なアイテムを活用することで、豊富なアクションが可能です。探索によって武器が徐々に揃いはじめ、それらを使い分けて戦闘・探索することになります。

パチンコは独特な軌道を描き壁を跳ね返るため、クロスボウでは届かないところに弾を飛ばせる。一方のクロスボウはスタミナ効率が良く、360度に撃ちわけられる利便性が魅力。各武器の用途が細分化されており、同じような武器は一つもありません。

メトロイドヴァニア系のゲームで良くある2段ジャンプ・壁キック・空中ダッシュといった要素の代わりに武器アクションが拡張され、アイテムを活かすレベルデザインとして設計されてます。スキルではなく、武器切り替えを駆使した戦闘・探索として差別化を図っているように感じました。

槍で生成した足場にのり、爆弾を構えているようす

ドット絵で多面的に演出される雰囲気や世界観

今作の華となる美しいピクセルアート。不評をつけているレビューですら、グラフィックを賞賛していることも珍しくありません。トレーラー・スクリーンショットに惹かれたら買って損はしないと思います。

会話やクエストも充実しており、風景の美しさも相まって歩いているだけで楽しい

見て分かる通り、至る所に細やかで色鮮やかな描き込みが施されています。歩いているだけで楽しく、この世界で暮らすキャラクターの様子がイキイキと描かれているのも魅力です。

そして何より、多方面から構成されている「空気感」が、アドベンチャーとしての完成度を高めています。雰囲気の良さも去ることながら、前述したアクション要素も練られており、実はストーリーも壮大な内容になっています。見た目も中身もぎっしり作り込まれた作品です。

不評の多い点について

不評レビューを観察しながら「悪い点」の内容を眺めていると、「難しい」「不親切」「アクションのクセが強すぎる」等の意見が目立ちます。難易度についてはゲーム開始時に5段階から選ぶことができ、プレイ中も随時変更できるため心配は無用です。

steamレビューやその他口コミをザッピングすると、★5がとても難しいため★1を推奨する意見も。難易度を下げることで、一部の制約がなくなる形でアクション難易度が緩和されます。個人的には制約があってこそのバランスだと感じるので、アクションに慣れていれば是非★5を推奨したいところ。

しかし、下記のような制約がストレスになるならば、積極的に難易度を下げるべきかもしれません。

プレイ中の難易度設定画面。ストレスになるぐらいならすぐ下げよう

何もかもすんなり行かないと不満、ということがなければ不親切な仕様もありません。例えば、地図がない・ファストトラベルの解放に条件がある等の指摘こそあるものの、フィールドマップを導入しているため移動ストレスは緩和されています。

「アクションのクセ」については、近接攻撃であるバットの射程の短さや、ダッシュジャンプ中の制御が効かないことなど、慣れが必要な部分も。ですが、このクセも込みでバランスは取れていると思います。

ゲームの良さ、とは別の話としてフェノトピアには有志によるとんでもなく親切な攻略サイトもあります。「世界観がよさそうだけど複雑な謎解きや高難易度アクションはちょっと…」という方も最後まで遊び切れると思うので参考にしてみてください。

一人でも多くの人がフェノトピアを遊んでくれることを願っています。

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